モデリング学習とは?まねをして学ぶ方法について

2019年7月9日
子どもは何かをするように言われるよりも、目で見えることをまねするものです。子どもの行動を導くための、モデリング学習方法の効果についてご紹介します。

モデリング学習は、心理学者アルバート・バンデューラによる社会学習理論の一つです。これは他の人の行動を観察することで学び、それを実践するようになる理論です。

この観察して学習するというモデリング学習方法は代理学習とも呼ばれ、誰か見本(モデル)となる人の行動をまねることで学びます。

この学習は毎日起こり、特に幼少期にはその繰り返しです。この理論が正しいとすると、子どもがなぜ口で何かするように言われるよりも、見た通りに行動する理由がよく分かります。

これは単に自然な学習法であるばかりでなく、モデリング学習は行動を変えるための治療としても効果的です

モデリング学習の効果

モデリング学習にはいくつかの機能があります。

  • 新しい行動を習得する。それまでにまだ取得していなかった行動ができるようになります。特に社会性のある対人関係を学ぶために、とても効果的な方法でしょう。
  • 恐怖や不安によって抑えられていた行動の抑制解除。例えば恐怖症のような状態でも、モデリングの見本が何も問題なく、きちんと不安な状況に対処している様子を観察することで、恐怖を乗り越えることが可能と報告されています。
  • 過度な習性や好ましくない行動を抑制する。その行動の結果悪い影響が出て、見本となった人が辛い思いをしている様子を目撃することで、その悪い行動を直すようにします。
モデリング学習 :まねをして学ぶ方法

モデリング学習に影響する要素

  • モデリングの見本となる人の性格。この学習法は、見本対象にその人の外見と性格の両方が似ている方がより効果的です。見本(モデル)対象が有名である、または自分自身にある程度影響を受けている人だと、よりまねしたくなるものです。さらに子どもの場合は、両親、兄弟姉妹、先生が主な見本となることがあります。
  • 学習している当事者の特徴。もし子どもに何かしらの感覚障害(盲目など)がある、または極度の不安状態である場合、モデルの行動をまねることが難しくなるでしょう。
  • それぞれの状況も重要な要素。当事者がよく観察するように興味を持たなければいけません。さらに状況が明白ではない、よく知らない、難しい方が、子どもはまねする傾向にあります。

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モデリング学習の種類

1.積極的/消極的。積極的な場合、観察するとすぐに行動をまねしようとします。消極的な場合は、行動を認識として習得することができても実践はしません。

2.参加型/不参加型。当事者が(スピーチセラピーのように)モデルと直接関わりを持つか、それとも単に観察するだけかどうかにも依ります。

3.目標の行動/途中段階の行動。学習内容が難しい場合は、最終的な目標の行動に達成できる場合と、達成するまでの途中段階をいくつか設けることもあります。

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4.ポジティブ/ネガティブ/混合・モデリング。まずポジティブ・モデリングでは、社会面で適切な行動を教えます。同様にネガティブ・モデリングは悪い行動について観察します。最後に混合モデリングでは、良い行動と悪い行動の両方について見ることになります。

5.個人/グループでのモデリング。行動を観察する際、個人的に行われるのか、複数またはグループなのかの違いがあります。

モデリング学習 :まねをして学ぶ

モデリング学習の種類(続き)

6.一人/多数。子どもが学習する際の、見本となるモデルの人数の違いがあります。多数のモデルがいる方が、様々な行動を観察できるので、学習しやすくなるでしょう。

7.セルフ・モデリング。これは観察者とモデルが同じ人物である場合を指します。この方法は、象徴的セルフ・モデリングを利用して、無言症の一種を治療するのに効果的です。自分自身の行動をビデオで撮って、それを観察するという方法です。

8.実演/象徴的/暗示モデリング。観察者がモデルの実演を直接見る(モデルが目の前にいる)、象徴的なモデル(映像を見るなどの間接的にモデルを観察する)、暗示モデリング(モデルの様子を想像することで行動を習得する)などの違いがあります。

9.自制的/対面式モデリング。見本となるモデルの能力の違いがあります。自制的モデリングでは最初から間違えることない行動を見せます。対面式モデリングは徐々にその能力を発揮していきます。2つ目の方が観察する側がもっと認識できるので、より効率的なアプローチと言えるでしょう。