子どもが持つ「非現実的な恐怖」について知っておきたいこと
子どもは「非現実的な恐怖」を感じるものです。残念なことにそれは親をいらいらさせてしまうこともあり、何を言ってもその恐怖を取り除けないと思ってしまいます。
子どもの非現実的な恐怖は、ベッドの下の怪獣や暗闇であり、また日常に聞こえる音の場合もあります。子どもが恐怖心を持つのはごく正常なことです。そんな時の親の役割は、子どもを落ち着かせてサポートすることなのです。
そしてここでの目標は、不安を完全に取り除くことではないと理解しておきましょう。むしろ非現実的な恐怖を少しでもコントロールして、あまり強いインパクトを与えないようにする方法を学ぶようにします。
恐怖心をコントロールするのはとても重要です。以下のような手順に従ってみてください。
関連の研究によると、両親が子どもの恐怖心を認識し、子どもにとってはそれがとても現実的な恐怖だと理解するよう勧めています。できるだけ落ち着いて、子どもに同感するようにすることが大事です。そして子どもが怖がるような状況を強制するようなことが、けしてないように気を付けてください。ではもっと詳しく見ていきましょう。
子どもの非現実的な恐怖をどう乗り越えるか?
1.子どもの意見を尊重する
子どもが非現実的な恐怖を乗り越えるのに、まず最初に心がけることは子どもの意見を尊重することです。子どもの恐怖が全く根拠のないものだとしても、子どもはそう感じてしまう理由があるはずです。親として子どもの気持ちを聞いてあげて、それを尊重しなければいけません。
子どもには恐怖心を表す権利があるのです。それを過小評価したり、簡単に片づけてしまうのは間違っていて、無理やり強がるように強制してはいけないのです。 お子さんを理解して、相手を尊重するようなアドバイスを与えて、子どもが少しずつ安心できるようにしましょう。
2.必要な情報をすべて提供する
当たり前のようですが、子どもが必要とする情報をすべて与えるようにしてください。子どもはまだこの世がどう動き、どう関連しているかを発見する過程にあるのです。この時点では物事の原因と結果についてまだ理解しきれていません。
子どもに色々な情報を提供することで、子どもは自分の周りの世界をより良く理解できるようになり、あまり心配しなくても済むようになるでしょう。
例えば嵐を怖がるとしたら、雷や稲妻はどうして起こるのかを教えてあげましょう。知識を持つことで落ち着いて、安心できるようになります。
3.メディアからの情報をコントロールする
3つ目に考慮すべきことは、映画、ビデオゲーム、ミュージックビデオ、テレビのニュースさえも動画があふれていて、それが子どもに悪影響を与えて、恐怖心を助長することもあります。そこで、子どもがどの程度メディアからの情報内容を見ているかを監視した方が良いでしょう。
子どもにリモコンの使い方を教えて、何か怖い画像が出てきたら、すぐテレビを消すように教えてあげましょう。親として子どもの年齢に適した内容を見せるよう指導することが必要です。
できるだけ落ち着いて、子どもに同感するようにすることが大事です。そして子どもが怖がるような状況を強制するようなことが、けしてないように気を付けてください。
4.子どもに自信をつけさせる
子どもが非現実的な恐怖を乗り越えるのに、自分は怖くないということを示すのも一つの方法です。単純に怖がってはダメ、と言うだけでは状況を悪化させることもあります。
しかし子どもが自信を持てるようになれば、怖がる必要はないと信じられるようになるでしょう。子どもが勇気を持って、この非現実的な恐怖を乗り越えるようにするのは良い方法です。
5.恐怖心についての本を読んであげる
最後にお勧めしたいのは、怖い状況の設定で、主人公がそれを乗り越えるような本を読んであげましょう。これは子どもが同じような恐怖心を持つ主人公と同化できるので、とても有効的な方法です。
これで子どもは他の人も自分と同じように感じるのだと思えるようになり、恐怖心に対してもっと開放的に考えられるようになります。恐怖心を言葉で表すのも、心配事を和らげるのに役立ちます。
最後に大事なのは、子どもは誰でも非現実的な恐怖を乗り越えるのに、手助けが必要だということを覚えておいて下さい。子どもにとっては発見の時期なので、子どもの気持ちをぜひ尊重してあげて下さい。
すぐに恐怖を乗り越えられないかもしれませんが、前よりもそれを対処できるようになることでしょう。ぜひここでご紹介したことを参考にして、お子さんのサポートをしてください。
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