愛情が形作る子供の性格
愛情は、近年小児科学において最も研究されている分野の1つです。専門家によると、これは人間の行動についての研究で、子供の成長または養育過程で受ける愛情は、その内面に非常に大きく影響するということが証明されています。
愛情は子供の性格に影響を及ぼす可能性があると考えられているのです。赤ちゃんにとって愛情とは、大人と子供の間の感情の繋がりをあらわします。ここでの大人とは両親、または養育者を示します。
愛情についてはもう何年にも渡って研究され続けています。この研究は英国精神科医ジョン・ボールビィによって、20世紀半ば頃から始まりました。
彼の混沌とした幼少期が、愛情が子供の性格に関連しているのではないかというヒントを与えたのです。そして、彼は共同研究者であるメアリー・エインスワースと、少し変わった実験を行いました。
これは1歳児を対象にした実験でした。親からほんの短い間離し、その後また再会させるというもので、再会時の行動について観察しました。そして、その結果は驚くべきものでした。
愛情:素晴らしい研究結果
この実験は素晴らしい結果をもたらしました。例えば、子供がある程度ストレスを感じたとしても、親と直接触れ合うことで、あっという間にそのストレスは消えてしまいます。
また一方で、この実験で親子関係における大切なことが分かりました。専門家たちは愛情の重要性を確認することが出来たのです。親と離されている間の子供の行動は、親への強い絆を示しているというものです。
つまり両親が家で行う行動は、こういった状況に子供が置かれた時の態度を決めるのです。父親からの愛情を感じている子供は、離れていてもやはりそれを求めます。怖がって泣いていたとしても、親と会うと即座に泣きやみ、落ち着くのです。
これを研究者は「安全の愛着」と呼びます。児童心理学者スーザン・バーガーは、子供がストレスを感じている時は、親はそれを気にかける必要があると言っています。そうすることで子供は、すべては上手くいく、どうにかなるんだと安心するのです。
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不安の愛着ってなに?
その一方で、慰めの効かない子供もいます。大人が子供が感じているストレスを緩和してあげることが出来ないのです。これを心理学では「不安の愛着」と呼びます。
この場合、親が戻って来ても子供は背を向け逃げてしまうこともあります。専門家によりますと、これは気持ちが冷静なわけでも自立しているわけでもありません。こういった子供は自分自身でその状況を乗り越えたいと感じているのだということが研究で分かっています。このタイプのストレスは、心拍数の速さを通して図ることが出来ます。
また「回避の愛着」と呼ばれるものもあります。これは第3のグループで、落ち着くのが難しい子供のことを言います。怒りや攻撃性を伴う反応を示す子供たちもいます。これを「混乱の愛着」と呼びます。
信じられないことに、世の中には耐え難い苦痛を強いられる子供たちもたくさんいます。性的虐待、幼児虐待、重度のストレスや制度上の問題に押さえつけられるなどは、ほんの一部にすぎません。
このような状況下では「組織化」と呼ばれるものが共通の要因となっています。そこにはその状況を回避したり立ち向かうなどというオプションは存在しないのです。
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愛情は子供にとって重要なもの
専門家によると、幼少期の成長や子育てにおいて、「愛情深い親」であることを必ずしも示す必要はありません。
親子間のありのままの親密さが徐々に絆を深めていくからです。このことから専門家は、親子間が離れることによるストレスを回避する重要性を訴えています。
愛情のある子育ては、親子間に強く健全な感情の絆を作り上げる
-作者不明ー