愛にまつわる迷信について子どもと話そう:大切な親子の時間

愛やロマンスにまつわる迷信は非常に危険なものになる可能性があります。お子さんが自尊心持ち、批判的思考ができるように促し、健全な恋愛ができるように手助けしてあげましょう。
愛にまつわる迷信について子どもと話そう:大切な親子の時間
Natalia Cobos Serrano

によって書かれ、確認されています。 社会教育者 Natalia Cobos Serrano.

最後の更新: 27 12月, 2022

恋愛にまつわるありがちな通説について子どもと話し合うことはとっても大切です。例えば、「愛を見つけ出すことこそ人生で最も尊いこと」なんていうよく聞く考えがあります。

私たちは無意識のうちに、映画、本、音楽などから影響を多大に受けています。メディアが発信するメッセージは、私たちの人選感や考え方を大きく左右するのです。

しかし、私たちの子どもの世代は、フィクションはその名の通り「作り物」だということを理解しなければいけません。残念なことに、映画業界はわかりやすく、そして誤解を招くようなメッセージを送っています。つまり、「愛は全てに打ち勝つ」なんて内容です。

この思い込みは、若い世代にとって非常に危険です批判的思考を十分に確立していない子どもは、現実を謝って認識する可能性があります。言い換えれば、間違った愛についての概念を信じ込んでしまうかもしれないのです。

愛にまつわる迷信とは?

人類学的には、迷信とは「社会が真実とみなす一連の考え」とされていますが、実際はそうではありません。人類学者のレヴィ=ストロースは、迷信とは「内容が変化し、構造がその時の社会の生き方に適応する、歴史的趣旨」と考えました。

レヴィ=ストロースのその考え方に沿うと、迷信は不変のものではありません。それどころか、迷信は様々な状態や環境に適応する、動的で多用途なプロセスなのです。レヴィ=ストロースにとっては、迷信こそ真実と考えられていたので、この通念が社会が従うべき模範行動を確立します。

会話する親子 愛にまつわる迷信   子ども

この意味では、迷信は、そのメッセージに沿った行動や態度を正当化してしまいます。同じことが愛やロマンスにまつわるありふれた迷信にも言えるでしょう。

「真の愛」という名の下で、社会が有害で暴力的な行動を正当化することになるのです。

愛やロマンスにまつわる迷信

愛やロマンスの理想像に関連する一連の誤解をまとめた、「プロジェクト・ディテクタ・アンダルシア」(スペイン語原題:Proyecto Detecta Andalucia)というものが発表されました。ここで紹介される迷信は、恋愛関係における男女間の不平等を生み出してしまうようなリスクを伴います。

このプロジェクトは、4つのグループに分けられた19の分野の迷信を確立しました。

  • 「愛は全てに打ち勝つ」この最初のグループには、「真の愛は全てを許す」というった信念を説く迷信も含まれます。恋愛関係内の対立や、愛と虐待の両立を正常なものとみなすことにつながります。
  • 「運命の真実の愛」2つ目のグループは、「運命の片割れ」を見つけるという考えに関するものです。別の言葉で言うと、自分の人生を完成させてくれる誰かを見つけるための探求です。繰り返しになりますが、このような思い込みは、有害な関係を我慢しなければいけないことを正当化してしまいます。
  • 「愛は何よりも重要であり、完全に身を委ねないといけない」このグループは、恋愛は全ての中心で、人間の存在理由だと考える迷信です。離人症や、親密な触れ合いの放棄につながります。
  • 「愛は所有と独占である」この最後のグループは、独占欲がはびこる恋愛関係を正当化するような、嫉妬に関連する迷信でできています。「嫉妬しないなら、愛していない」というような考え方です。

子どもにこれらの迷信を教えるのがなぜ重要か

批判的思考は、迷信を目の前にした時に最大の武器になります。親が子どもにしっかりとした考え方を植え付けることが非常に重要です。そうしないと、子どもはこれらの迷信からどうやって距離を置くかがわからず、虐待的で不快な行動を容認したり、普通だと思ったり、正当化しようとしてしまうのです。

子どもたちに、自分を愛することについて教えましょう。それが健全な恋愛関係を築き、有害な恋愛を避けることにつながる鍵になるのです。

「自分自身を愛することは、生涯をかけたロマンスの始まりである」

– オスカー・ワイルド –

親として、健全な恋愛関係は信頼の上に基づくのだ、と子どもに教えてあげないといけません。嫉妬は、恋愛相手をコントールすることへの正当化につながることがあります。これは決して許されるべきではありません。

「運命の片割れ」を探す、というような迷信は、恋愛していないと本当に幸せには慣れない、というメッセージを送ってしまいます。他人に頼らないように幼い頃から子どもに教えることが重要です。一人でだって完璧だ、と教え、完璧でいるために他人が必要というわけではない、と教えましょう。

完璧な愛という考えを擁護する映画は、現実逃避には確かに役立ちます。でも、ある程度の距離感と客観性を維持しながら観ることが大切です。

健全な恋愛関係を築くことについて子どもに教えるために、このようなタイプのコンテンツから絶対に子どもを隔離しなきゃ、という意味ではありません。むしろ、正しい考え方を養うための教材にしましょう。

愛やロマンスにまつわる迷信に気づき、そこから自由になることで、批判的思考を養うことができるでしょう。


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