【ヴィーガンという選択】思春期の子どもをどうサポートできるか

01 11月, 2020
思春期の子どもがヴィーガンになる選択をするときに、どのようにサポートすればいいのでしょうか。そのヒントを見ていきましょう。

若年成人の間でベジタリアンになる人がどんどん増えていることはご存知でしょうか。ベジタリアン・リソース・グループによると、アメリカ人の若者の0.5%がヴィーガンです。しかし思春期のお子さんがヴィーガンの場合、親としてどのようにサポートできるか難しくなってきます。

完全菜食主義というのは、衣類や靴も含めて動物由来の製品を全て排除して、動物試験が行われる製品も拒否するライフスタイルです。具体的にはヴィーガン食の人は植物由来の食品を食べます。そのため親としてはどうしても疑問を持ってしまうかもしれませんね。

でもご心配なく。2016年の栄養と食事のアカデミー(旧アメリカ栄養士会)では、どの年齢においても菜食主義を維持することを推奨しています。そして次のような結論に至りました。

「ベジタリアンやヴィーガンを含む適切に準備された菜食主義の食事療法は、健康的で栄養面でも十分であり、さらに特定の病気の予防と治療に健康上の利益をもたらす可能性があります。入念に献立された菜食は、妊婦、授乳、乳児期、小児期、青年期を含むライフサイクル全ての段階の人、さらに運動選手にも適しています。」

スペイン小児科医協会は上記の考え方に同意しています。

思春期の子どもがヴィーガン:どうすべきか

まずは、お子さんの話をよく聞いて理解を示すようにしましょう。次に子ども達がヴィーガン主義を選ぶ主な理由は、動物への搾取と虐待、または食製品の生産と消費による環境への影響に基いています。

【 ヴィーガン という選択】思春期の子どもをサポートする

ヴィーガンのティーンがバランスの取れた食事を摂るためには?

お子さんの毎日の食事にたんぱく質を取り入れるための一つの方法は、昼食と夕食で豆類を摂取することです。豆をそのまま食べなくても、豆腐、テンペ、大豆たんぱく製人造肉 (TVP)、グルテンミート(セイタン)など、大豆の派生食品が販売されています。これらは間食としても食事の一部としても使えます。それぞれの推奨摂取量は次のようになります。

  • 200~250gの調理済み豆類(お皿半分または一枚分)
  • 125gの豆腐やテンペ(手のひらサイズ)
  • 80~100gのTVP [ティーブイピー](コップ半分)

それと共に緑黄色野菜を食事に取り入れる必要があります。最低でも400g摂取するよう専門家は勧めています。

穀物に関して言えることは、どれもアミノ酸が不足しているので豆類によって補充されることになります。しかし1回の食事で両方を献立にする必要はありません。食べ物を摂取するときに、体内での蓄えの限度に達するまで栄養が保存されると考えると良いでしょう。

穀物はできるだけ全粒穀物を利用するようにしてください。さらに、ご飯、パスタ、パン、じゃがいもの代わりに、キヌア、ミレット、ブルガー小麦、さつまいも、オーツ麦など、多数の代替食品があります。

最後に、調理する際には身体に良い脂質を取り入れて、バージンオリーブオイル、アボカド、オリーブ、ナッツや種などで下ごしらえや味付けをして料理を仕上げましょう。

乳製品の代替品

乳製品に変わる代用食品として、大豆、穀物(米やオーツ麦)、種子、ナッツを原材料とする多種類の植物由来の代替ミルクやヨーグルトがあります。色々なオプションがある中で、栄養面でも牛乳に近いのが豆乳でしょう。

乳製品の種類を決めるときに、原材料に糖分が加えられてないものを選びましょう。できればカルシウムとビタミンDで強化された製品がお勧めです。それ以外は、様々なフレーバーがあるのでお子さんの好みに合わせて決めてください。

疑似肉などの代替品:本当に身体に良いのか?

代替製品は概して、ひまわり油、片栗粉、小麦粉など、低品質の食材が使われることが多いので、あまり健康に良いとは言えません。ヴィーガン肉やソーセージにも同じようなことが言えます。

しかし一部の会社では研究を重ね、質の高い製品を開発しています。一方、植物性の食品としてデザートや菓子パンなども販売されていますが、摂取量は適度に抑えるようにしましょう。

思春期の子どもがビーガンの場合の問題点

【 ヴィーガン という選択】思春期の子どもをどうサポートできる

ビーガン・ティーンに必要な栄養素:ビタミンB12

まずビタミンB12は水溶性で、バクテリア合成によって得られるにも関わらず、動物由来の食品にだけ含まれます。B12には赤血球の合成を促進する機能があり、これが欠乏すると巨赤芽球性貧血が引き起こされます。これは神経衝撃伝達を促すミエリン形成にも関係しています。B12は酵素補因子として作用するので、ホモシステインの代謝にも関与しています。

このビタミン不足は神経にダメージを引き起こし、記憶喪失、バランス感覚の欠如や知覚異常などの原因となることがあります。そこでヴィーガン食の人は、週1回シアノコバラミン2000㎍のサプリメントを摂取するようにしましょう。これは健康食専門店やオンラインで購入できます。

さらに最低1年に一度は血液検査を受けて、健康状態を確認するようにしましょう。ただし、これらの検査でのビタミンB12 のレベルは、類似体と活性型との区別がつかないのであまり検査結果を信頼できない可能性もあります。この類似体は構造的には似ていますが、同じ機能を果たしません。

このビタミンB12はキノコ類やスピルリナ藻などの植物にも含まれますが、摂取した場合に検査結果をゆがめることもあります。また、これは輸送たんぱく質の貯蔵を示しているわけではありません。

それでは、どの要素に注目すればいいのでしょうか?ビタミンB12が不足すると、ホモシステインとメチルマロン酸が体内に蓄積するので、この2つを調べるのがベストと言えるでしょう。

思春期の子どもがヴィーガンの場合、乳製品以外でカルシウムを摂るには?

ヴィーガン食に関してカルシウムが最も懸念されるのは、乳製品がカルシウムの唯一の供給源と信じている人が多いからです。しかし多くの植物性食品は、カルシウム含有量が同等またはそれ以上です。

キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、芽キャベツなど、アブラナ科の野菜にはカルシウムが豊富です。他にも、白豆、アーモンド、ゴマ、カルシウム塩で作られた豆腐にも含まれます。前述のように、カルシウム強化された植物性の飲み物もあります。

【 ヴィーガン という選択】思春期の子どもをサポートする方法

もう一つ考慮しておくべきことは、フィチン酸塩とシュウ酸塩が多いとカルシウムの吸収を損なうため、これらを下げる必要があります。その方法として、水に漬ける、焼く、発芽、発酵、スロークッキングなどの調理法が適しています。

ヴィーガンの子どもの鉄不足や貧血を防止するには?

さらによく心配される点は、植物由来の鉄分は肉類に比べて吸収されにくいので貧血の危険があることです。しかし貧血が多いのは、雑食性の食事法の人にも同じように見られます。その理由は、鉄分摂取が減少すると、その吸収性が上がるからです。

さらに、かんきつ類、ピーマン、パセリなど、ビタミンCが豊富な食品と組み合わせることによって、鉄分が吸収されやすくなります。

子どもがヴィーガンでも楽に健康を維持できる

ご紹介した通り、正しい情報を知っていればお子さんがヴィーガンの食事法でも大丈夫です。最初は心配になってしまい、子どもの決断に反対する親御さんもいるかもしれません。そこでお子さんと一緒に栄養士と話し合い、問題を解決して食事の献立について助言してもらいましょう。

そうすれば、健全な成長と病気予防のために、子ども達が必要な栄養を摂取できるように確認することができますね。

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