うちの子がベジタリアンになった? 子どもの菜食主義の安全性

子どもがベジタリアンになっても本当に安全なのでしょうか?健康面で問題はないのか心配ですよね。
うちの子がベジタリアンになった? 子どもの菜食主義の安全性

最後の更新: 02 4月, 2020

もしお子さんがベジタリアンになりたいと言い出したら、それが本当に安全なのか心配になりますね。

ベジタリアンの食事法とは?

この新たな状況に対処していくために、まずはベジタリアンの食事法がどんなものなのか知っておく必要があります。菜食主義にもいくつか種類があるので、お子さんがどの種類のベジタリアン食事法を目指しているのか見極めましょう。この記事では主に、最も一般的なベジタリアンとヴィーガンの2つに注目していきます。

ベジタリアンの食事法では、肉類と魚類を摂取しません。しかし乳製品や卵など、その他の動物成分を由来とする食品を食べても問題ありません。ところが、ヴィーガン食事法の場合は、厳しい「完全菜食主義」として知られていて、動物由来の食品は一切摂取しません。

どうしてベジタリアンになるの?

これらの食事法を選ぶには、いくつかの理由があります。最もよく聞かれるものは、動物への尊厳、環境意識、そして健康的のためという理由です。

うちの子が ベジタリアン ? 子どもの菜食主義

何が理由であれ、あなたのお子さんが食事法を変えると決めたら、過度に心配しないようにしましょう。以下の情報を参考にして、必要であれば栄養士など専門家にご相談ください。菜食主義の子どもに何が必要なのか、詳しい情報を提供してくれるはずです。

菜食主義は子どもに適しているか?

米国栄養・食事療法学会によると、菜食主義は妊娠中、授乳中、子ども、青年、成人など、人生のどの段階においても適切であるとされています。

しかし、一般の雑食主義の食事法と同じように、食事準備をしっかりとする必要があります。各子どもの必要性に合わせて適応しなければならないのです。次に挙げるシンプルなガイドラインを基にして、ベジタリアンまたはヴィーガンの食事法が栄養を満たしているだけでなく、一部の病気の防止や療法にもなり得る健康効果が見られることもあります。

ベジタリアンになると栄養不足になる?

前述のように、様々な食品を取り入れた食事を計画的に準備することで、菜食から得られる栄養で充分な栄養素を摂取することができます。しかし、鉄分、オメガ3脂肪酸、特にビタミンB12などの微量栄養素には、気を付けておいた方が良いでしょう。

ビタミンB12

ビタミンB12はシアノコバラミンとしても知られ、肉類、魚類、卵、乳製品などの動物性食品にのみ含まれます。そのため、ヴィーガン食事法の場合はサプリメントとして摂取することが欠かせません。

ベジタリアン食事法では、牛乳や卵を取り入れることでビタミンB12を摂取できます。それでも推奨レベルの容量を摂取するのはなかなか難しいというのが現実です。そこで予防処置としてサプリメントで補うことが勧められます。

鉄分

鉄分に関しては、同じような問題にはならず、動物性食品以外にも鉄分が含まれます。豆類、種子類、ナッツなど、野菜や他の食品にも、ミネラルである鉄が含まれます。

ここで考慮しておきたいのは、食品に含まれる鉄分の種類とその生理活性機能(栄養素が体内で必要な生理的作用を引き起こすこと)です。

うちの子が ベジタリアン ? 子どもの菜食主義は安全?

子どもが菜食主義でも安全なの?

動物性食品のヘム鉄の内20~25%は身体に吸収されますが、植物性食品に含まれる非ヘム鉄は1~20%とかなり吸収率に変化が見られ、その生理活性機能は食事の他の要素にも影響されます。

しかし心配そこまで必要ありません!野菜から鉄分が摂取できるようなアドバイスがあります。

  • 鉄分豊富な食材、レンズ豆、ほうれん草、スイスチャード(フダン草)、ピスタチオ、ひまわりの種を摂取し、ピーマン、ブロッコリー、キーウィフルーツ、柿、かんきつ類など、ビタミンCの多い食べ物も摂りましょう。
  • 食事の後1~2時間は、コーヒーや紅茶を飲んだり、チョコレート食べないようにしましょう。
  • 食後2時間の間はカルシウムのサプリメントを摂取しないようにしましょう。

オメガ3

これは必須脂肪酸であり、毎日の食事に必要な栄養素です。雑食の食事法では青魚が主な栄養源なので、魚を食べないとオメガ3が不足すると思いがちでしょう。しかしそうではなく、オメガ3脂肪酸はナッツ、種子、フラックスオイル、チアシードからも取り入れることができます。

お子さんがベジタリアンになると言ったら、まずは調べて理解を深めてみてください。きちんと栄養を摂るように気を付けていれば、菜食主義でも健康な生活を送ることが可能なのです。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Martínez Biarge, M. Niños vegetarianos, ¿niños sanos? En: AEPap (ed.). Curso de Actualización Pediatría 2017. Madrid: Lúa Ediciones 3.0; 2017. p. 253-68
  • Melina V, Craig W, Levin S. Position of the Academy of Nutrition and Dietetics: Vegetarian Diets. J Acad Nutr Diet. 2016 Dec;116(12):1970-1980. doi 10.1016/j.jand.2016.09.025.

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。