注意欠陥・多動性症候群(ADHD)への理解:真実それとも作り話?

注意欠陥・多動性症候群(ADHD)に関する複雑な情報によって、多くの親御さんは自分の子は間違って診断されたのではないかと思っているかもしれません。ADHDは過剰診断されているのでしょうか?
注意欠陥・多動性症候群(ADHD)への理解:真実それとも作り話?
Olga Carbajo

によって書かれ、確認されています。 生物学者 Olga Carbajo.

最後の更新: 27 12月, 2022

注意欠陥障害は、今最も議論を呼ぶ障害と言えるでしょう。この障害は異種性という特徴から、問題児すべての診断がひとくくりにされています。

さらに明確な診断をするための標準規定が科学界で確率されていません。さらに、疾患の原因そのものが不明なので現行の薬物療法が効果を上げる保証もありません。

治療として、アンフェタミン系またはリタリンのような刺激剤として知られる薬が使われていますが、それは症状を隠すための一時的な対処でしかないのです。このような事実全てを合わせて考えてみると、ADHDというのは真実なのか、それとも作り話なのかという疑問に行き着くのです。

注意欠陥障害の歴史的進化:真実から作り話まで

注意欠陥・多動性症候群と多動性

この疾患の研究の始まりは20世紀前半にさかのぼります。この時期様々な科学団体によって、症状を説明し、分類しようという試みがなされました。

子どものグループ分けは、集中できない、そわそわする、怒りやすい、衝動的であるというように分けられ、脳障害を一度も経験していないのにも関わらず、微細脳障害や脳炎後行動障害などと分類されていたのです。

ADHDが初めてDSMに挙げられる

1968年精神障害の診断と統計マニュアルに初めて注意欠陥・多動性症候群が加えられた時、それは別の名称でした。

後にアメリカの医師で小児青年精神科の専門家である、レオン・アイゼンバーグ博士により、 幼少期の運動過剰反応が加えられました。そして彼は説明されている症状は遺伝性の原因があることを科学団体と世の中に訴えかけたのです。

ADHD 注意欠陥   多動性症候群

しかし、2009年ドイツのデア・シュピーゲル誌とのインタビューでは、アイゼンバーグ博士は先の主張の誤りを認めています。そしてADHD発症例の急増から、疾患が過剰診断されていることを指摘しています。

疾患における変化

1980年代には多動性を含む/含まない場合の注意欠陥障害は、精神障害の診断と統計マニュアルDSM-IIに挙げられました。そして1990年代以降になり現在の3種類のサブタイプ、注意欠如、多動性障害、注意欠如・多動症へと分類されたのです。

約一世紀にも渡る期間、ADHDの概念は幾度もの変動を遂げ、それは同じ方向への変化ではありませんでした。多動性の症状が必ずしも注意欠如障害とは関連している訳ではなかったのです。

そこでADHDの概念は、様々な幼児、思春期または成人の精神的疾患も含むようになりました。医師の専門知識によって、適切な診断をする必要がある複雑な障害なのです。

ADHDが存在を証明する科学的証拠

スペイン、オビエド大学にて心理療法と介入技術の専門家であるマリノ・ペレス・アルバレス教授共著の 「ゴーイングバックトゥノーマル」(Going back to Normal: The invention of ADHD and Infant Bipolar Disorder) という興味深い文献が出版されました。

この本は科学的な参考例や証拠を基に注意欠如障害を詳しく説明しています。その証拠の一部として、この疾患には脳のバイオマーカーが全く存在しないことを証明しています。

著者によると、「ADHDの父」と呼ばれるアイゼンバーグ自身さえも、彼の死の直前のインタビューでそれに言及しています。幼児の行動を病気扱いし、過剰な診断がなされていることを彼は認識していました。ADHDの症状の組み合わせは、臨床的概要というより行動面における問題点との関連が多いと本に書かれています。

さらにマリノ・ペレス・アルバレス教授は、否定しがたい真実について注目しています。製薬会社が診断を受けた家族の必要性を利用して、非常に収益性の高いビジネスを作り出したというのです。2017年だけでもADHDの主要製薬会社は約12憶ドルの収益を上げています。

では、ADHDは本当なの?

それに対する決定的な答えを出すことは不可能です。しかし、米国の4~17歳の子ども人口において、640万人という高い発症率とその数値が増大していることを考えると、親としてADHDの存在に関しては疑ってみるべきです。

ADHD 注意欠陥   多動性症候群

ADHDの世界連盟によると、「ADHDは非常に遺伝性の高い小児期発症の精神病であり、主に注意欠如・多動性・衝動性という、年齢に適応したレベルの症状がみられます。

さらに、「最近のADHD科学的研究では、複数の遺伝性要素、ADHDに関する脳構成と脳機能の特徴、神経伝達物質成分の変化など、生物学的基盤を明らかにしてる。」と述べれており、おそらく科学的団体にはADHDが真実か作り話なのかを証明するのにもっと時間が必要なのでしょう。そして世の中がそれに対して忍耐力が足りないのかもしれません。私達の生活リズムはストレスが多く、仕事と個人とをうまく和解させるのがどんどん難しくなってきています。

ということは、私達大人が子ども達に専念する時間もどんどん少なくなっているのです。それを踏まえて、子どもが苦労しているかどうか気になるのであれば、迷わずに信頼できる専門家に相談してみましょう。


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  • Guerrero Tomás, Rafael. (2016). Trastorno por Déficit de Atención: entre la patología y la normalidad. Barcelona: Timun mas.
  • Pérez Álvarez, Mariano. (2014). Volviendo a la normalidad: la invención del TDAH y el trastorno bipolar infantil. Alianza Editorial.

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