母親のうつは子どもにどのような影響を与えてしまうのだろう?
妊娠中と産後のうつは私たちが願うよりずっと一般的な問題です。さらにこの状態は何年も続くこともあり、それが子育てにも影響してしまいます。そこで、母親のうつが子どもにどのような影響を与えるのかを知っておけば、適切な手段をとるための最初のステップになります。
うつの多くの症状は妊娠や産後に普通に経験するものと混同しやすいものです。ですので、多くの女性が必要な診断や治療を受けられないリスクを抱えています。そしてそのために状況がさらに悪化してしまうのです。
しかし、うつが影響するのはそれに苦しむ本人だけではありません。うつは周りの人みんなに影響し、子どもには特に大きく作用します。初期の子ども時代はその人の発達のカギとなる時期だとうことを考えると、その子の幼いときの経験が大人になってからも影響を与える可能性があるのです。
母親のうつは子どもにどのような影響を与える?
妊娠中でさえ、うつを抱える母親の子どもは心拍数が高くなります。さらに、早産や低体重で生まれるリスクも高まります。その後、生まれた赤ちゃんはあまり活動的でなかったり表情や言葉の表現があまりないこともあります。しかも他の子に比べてストレスホルモンの値も高いのです。
また、こういった子どもは気分障害になりやすかったり、社会的にも学業的にも適応することに困難が生じやすくなります。母親のうつは子どもの知能レベルや健康の質にも影響する恐れもあるのです。そしてこういった子どもは人生の中でうつになるリスクも高くなってしまいます。
しかし、うつの母親を持つすべての子どもがこういった問題を示すわけではありません。あくまで傾向があるということなので、その関係性は直接的でも明白でもありません。というよりも、関連を持たせるような要素があるということです。
どのような方法で影響するの?
母子の絆の質
親子のアタッチメントを確立することは、子どもの幸福のために欠かすことができません。しかし、うつに苦しむ母親は子どものニーズを正しく把握するのが難しいのです。
また、コミュニケーションの解釈にも苦労します。その結果、母子の間のシンクロ率が低くなり、赤ちゃんにとってはとても混乱する状況になってしまうのです。
場合によっては、母親が子供のニーズを満たしていなかったりニーズへの反応が一定でないこともあるかもしれません。いずれにせよ、その結果はアタッチメントが不安定なものになり、子どもの心に影響が出てしまいます。しかし子どもからのサインや信号を正しく受け取ったり解釈したりできなくさせているのは、うつなのです。
夫婦のいざこざ
子どもに影響のある側面として、両親の関係性もあります。一方の親がうつなどの病気を患っていると、パートナーとの関係に影響が出ることは避けられません。
この場合、両親の間のポジティブな会話はほぼゼロになってしまい、口喧嘩や非難ばかりになってしまいます。さらに一般的には問題を解決しようともしなくなるので、関係は悪化するばかりです。両親のいざこざを目にすることは、さまざまな分野で子どもが上手く機能することに大きく影響を与えてしまいます。
不適切な刺激
最後に、うつに苦しむ母親は子どもの成長にあまり関わろうとしません。自分が無感動で希望を持っていないので、子どもにも学習経験やツールを与えようとしません。また、感覚や知的刺激にも時間をあまり使いません。
さらに、子どもの将来に不適切な行動モデルを設定してしまいます。子どもは母親の悲しく好奇心にかけ、疲れが大半を占めた振る舞いを見て成長します。このような見本が常に目の前にいることで、子どもの性格にもある程度影響が出ることでしょう。
母親のうつの子どもへの影響を少なくするには
こういった状況を避けたいとお思いなら、まずやらなければならないことは母親のうつ状態に取り組むことです。いかなる症状にも注意をして、赤ちゃんが生まれてからは特に気を付けましょう。助けを求めていいんです。実際、そうすることがとても大切なのです。
しかし専門家の助けを得ることだけが解決策ではありません。間にある要素に注目することでも母親のうつの影響を最小化することができます。
子どもに適切な刺激を与え、子どものニーズにきちんと答えてあげることが重要です。さらに、子どもの成長へのうつの影響を減らすためには、ポジティブな家族環境を作る努力をしなければなりません。
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