幹細胞とへその緒を保存しておくことの意味とは?

へその緒の保存はなぜ勧められているのでしょう?今日の記事では、この疑問やその他の幹細胞とへその緒に関する質問にお答えしていきます。
幹細胞とへその緒を保存しておくことの意味とは?
Olga Carbajo

によって書かれ、確認されています。 生物学者 Olga Carbajo.

最後の更新: 27 12月, 2022

この記事でお伝えしたいのは、へその緒を保存しなければなりませんよ、ということではありません。あるいは妊娠中に遺伝子検査をするべきだと説得したいわけでもありません。しかし、これを行わなかったことを後悔させるつもりもありません。

このことを踏まえ、そして良い決断をするにはしっかりと情報を得ることが大切だという考えに同意していただけるのであれば、続きを読んでみてください。この記事では幹細胞とへその緒の保存に関する疑問にお答えしていこうと思います。

幹細胞とへその緒の保存とは?

幹細胞とは生物を形作る最初の細胞です。それぞれに特化した機能を持ったその他の細胞を生成することができるので、この細胞は全能性細胞と言われています。しかもさらに多くの幹細胞を作ることもできます。しかし、この細胞はなぜこんなにも特別なのでしょうか?

幹細胞の特徴

その特徴により、幹細胞は現在様々な研究の最も重要な対象になっています。これは遺伝子療法や人類の発達についての知識などに関する研究では特にそうです。この幹細胞を定義づける特徴には以下のような3つのキーポイントがあります。

幹細胞 へその緒

実は、幹細胞系は前駆細胞の源として使われています。これはオリジナルの幹細胞から作られ、分化することはできません。普通は先天性欠損がなく、一般的に遺伝子療法や調査、研究などで使われています。

前駆細胞の種類は?

生命の奇跡はたった一つの細胞から始まります。以下の受精してからのプロセスと生物全体の発達に必要な情報すべてがこの胚の中に詰まっています。24時間経つと、接合子の細胞は純粋さを保ったままで、完全な胚を作ることができるようになります。このためこの細胞は全能細胞なのです。

しかし、受精から7日後には胚の発達の具合によって幹細胞は分化、成熟していき、この能力を失います。そこからはあらゆる種類の細胞系を生み出すことはできますが、完全な胚を作ることはできなくなります。

この力を司っている遺伝子が抑制されるようになるので、分化した幹細胞は「多能性」または胚の細胞として知られるものになります。

幹細胞はどこからくる?

最近の研究で、前駆細胞の源が2つ明らかになりました。一つ目は初期段階の胚で、胚の幹細胞が採取されるところです。二つ目は大人の生命体からです。その違いはなんでしょうか?

胚の幹細胞

胚の幹細胞は4日目~7日目の間に採取することが可能です。一般的に、体外受精の中で過剰に作られたものから採取されます。これは大きな議論になっていることですが、それは健全で生存可能な胚を傷つけることになるためです。稀なケースではありますが、堕胎された胚や死につながるような腫瘍の一つ、癌腫などから採取されることもあります。

これらの幹細胞は治療にとても役に立ちます。すでにお話したように、これは全能細胞なので、どんな種類の細胞でも作り出すことができるからです。つまり、組織や臓器の再生を含むような治療に有効なのです。

しかし、細胞の違いを望んでいる細胞のタイプに合わせるということは、今日でも難しい課題です。ですので、この治療法はまだ確立されていないのです。

大人の幹細胞

量は少ないですが、大人の体の中にもほとんどすべての組織に関して幹細胞を見つけることができます。ほとんどの研究や治療において、採取がしやすいことから前駆細胞は骨髄からとられます。

このタイプの細胞の問題は、その成熟性にあります。あらゆる細胞を作り出すという能力は失ってしまっているので、今や「多分化能」のある細胞になっているのです。

しかし、ミネソタ大学幹細胞研究所の所長でもあるキャサリン・バーファエル医師によって最近行われた研究によって、新たな情報が明らかになりました。この研究では、この多分化能を持つ細胞は血球を作ることができるだけでなく、脳や心臓の細胞も作ることができるということが示されたのです。

彼女のチームは、研究室で培養された間葉系の幹細胞から脳細胞を作り出すことに成功しました。これは、大人の幹細胞も意外に柔軟なのかもしれないということを示唆しています。

へその緒から幹細胞を保存する意味とは?

バーファエル医師の行ったような研究のおかげで、へその緒の血液中にも特別な前駆細胞があることがわかりました。間葉系の幹細胞は、大人の細胞においても特殊な細胞を生み出す力を保持しているのです。

自分自身の細胞を使うことは、再生医療に新たな扉を開きます。つまり、拒絶反応を起こすリスクを避けつつ、病気になった細胞を新しいものと取り換えることができるかもしれないということです。

これは白血病患者にとっては生死にかかわる重要性を持っています。しかし、将来医療的治療でこのメリットを最大限に生かすには、まだまだ多くの研究を行う必要があるのです。

幹細胞 へその緒

へその緒の保存方法で利用可能なものは?

最近、へその緒の保存方法にはいくつかの選択肢ができてきました。例えば、公共の臍帯血バンクに赤ちゃんのへその緒と胎盤を寄付することができます。これによりそれを研究や遺伝子療法に使用できるため、医療コミュニティはこの方法を勧めています。

私立の臍帯血バンクも存在しており、そこではへその緒の冷凍保存を行うことができます。幹細胞が将来家族を救ってくれるかもしれません。しかし、絶対に使用できるという保証がないにもかかわらず、これには高いコストがかかります。

実際、自分の細胞の保存は制限されるべきだと専門家は警告しています。白血病患者が自分の幹細胞を保存しようとした際にも、その細胞にもがんを引き起こす遺伝子欠損がある高いリスクがあるのです。もちろん、兄弟から適応できる細胞を探すのも一つの方法として存在します。

「私たちの運命は星の下にゆだねられていると考えてきました。しかし、運命の大半は遺伝子にゆだねられているということがわかってきました。」

-J.ワトソン―


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