他人との比較が人に与える影響:どれくらい害のあるもの?

他人と比べられることは、大きなストレスや不安となる可能性があります。そのため、社会的比較をうまく利用する方法を知っておくことが大切なのです。
他人との比較が人に与える影響:どれくらい害のあるもの?
Natalia Cobos Serrano

によって書かれ、確認されています。 社会教育者 Natalia Cobos Serrano.

最後の更新: 27 12月, 2022

私たちは常にSNSや有名人、そして時には架空の人物など周りの人と自分を比べています。一般的な意見としては、こういった比較は良くないもので、なんとしても避けるべきものだと考えられています。

しかしこの社会的比較は私たちの人間としての性質の一つだと言ったらどうでしょう?

私たちは他人と自分を比較する必要がある?

レオン・フェスティンガーは社会的比較論や認知的不協和理論の提唱者です。人は自分の意見や能力を評価する必要があると彼は仮定しています。つまり、自分には一貫性があり、自分の選択や思考は妥当であると知る必要があるのです。

心理学者のジョエル・フェリウによれば、人は確信を得るために他人と自分を比較するようになるそうです。それは、自分自身の意見やスキルの妥当性を確かめる方法がそれ以外にないからです。

社会的比較

ものごとが比較的明確な時でさえも、私たちは他人の意見に信頼を置く傾向があります。言い換えれば、何をすべきか、または言ったり考えたりすべきかについて、自分の意見より他人の意見をより信頼するということです。

しかし、フェリウが指摘しているのは、こういった比較は無作為に行われるものではないということです。そうではなく、私たちは自分と似ていると思う人を参考にするのです。ですので、その人と似ている点があると一度認識すると、私たちは自分の意見や能力を評価するのにその人に頼るようになるのです。

こうした投影は集団の均一という概念につながります。自分と似ていると感じる人からの意見に頼る必要があるという事実が、集団の均一を望むことになるのです。そのため、私たちは他の人に自分のようになって欲しいと思うより、自分が他の人のようになりたいと思うのです。

認知的不協和

しかし、自分と似ていると思っている人と、自分の行動や意見が一致しないとどうなるのでしょう?フェスティンガーによれば、社会的比較が不一致につながると、認知的不協和が発生します。

この不協和が心理的ストレスを作り出し、自分の意志決定や意見、行動、そして究極的には認知システムを変えることにつながる可能性があるのです。

社会的比較:どれくらい害のあるもの?

社会的比較が人間の性質の一部であることがわかったかと思いますが、まだ重要な疑問がまだ残っています。他人と比較することは私たちにどのような影響を与えるのでしょうか?

自分と他人と比較することはその比較にどのような良いを与えるかによって、その影響が異なります。他の人との関わりの中で自分自身の状況を評価する方法が、自分の自尊心に深刻な影響を与えたり、自立心に悪影響となる可能性があるのです。

一方で、さまざまな経験をすることで、私たちの人生の状況はそれぞれ独特になっているということを理解しておかなければなりません。つまり、自分の現在の状況につながっている出来事は、他の人の物とはとても異なるということを覚えておかなければならないということです。自分と他人の人生を関連付けようとすることは、自身の自尊心を大きく損ねることになりかねないのです。

また、「人は見かけによらない」ということも覚えておく必要があります。見た目に騙されてはいけないということを心にとめておきましょう。医者で健康の専門家であるスーザン・ビアーリは、他人の「外装」と自分の「内装」を比較することはできないという重要な事実を指摘しています。

SNSの出現により、他の人のフェイスブックやインスタグラムの投稿を見て、自分と他人の人生を比較することがとても一般的になりました。ここで見られるのは写真だけなのにです。

インスピレーションとして社会的比較を利用する

私たちはみなユニークな存在で、自分独特の状況にいます。他人と自分を常に比較し続けていると、自分は自分の経験のことをよくわかっていないという感覚を持ってしまいます。しかし、この社会的比較を健全に利用する方法があるのです。それが、インスピレーションとしての利用です。

社会的比較

他の人がどのように歩みを進め夢を叶えていくのかを横目に見ながら、自分にはまだまだやることがたくさんあるのを感じるのは本当に苛立たしいことかもしれません。それにより多くの不安を抱えることになる可能性もあります。自分と他人を比較する際には、他の人が持っているものを自分が持っていないことから来るイライラや嫉妬を、モチベーションに変えるのです。

言い換えれば、他人との比較は常に自己改善に焦点を当てたものにすべきだということです。自分の目標を達成するためのお手本や目標という視点から他人を観察してみましょう。今その人が持っているものを得るためにその人が何をしたのかを分析し、「あの人にできるなら自分にもできる」と自分に言い聞かせてモチベーションを高めるのです。


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