障害を抱える兄弟姉妹を持つこと:同じ家族としてできることは?
障害を抱える兄弟姉妹を持つことで、必ずしも日常生活を完全に変えなければいけないということはありませんが、日々のルーチンを調整し、新たなルーチンを組み込む必要は出てきます。理解しにくい感情が取り巻いているかもしれませんが、その理由はこのためです。
どう感じるか
障害を抱える兄弟姉妹がいる場合、あなたが感じることになるかもしれない懸念と欲求不満は多くあります。下記のような感情を経験するかもしれません。
恐怖と不安
あなたの兄弟姉妹がなぜ他の子たちと違うのか、理解するのは難しいかもしれません。これは普通の反応です。違うことは悪いことではない、と理解することが鍵です。十人十色でみんなそれぞれ特別なのです。
その一方で、将来、自分の兄弟姉妹に何が起こるのかを恐れているかもしれません。入院を余儀なくされるような健康上の問題があるのかどうか、毎日心配しているかもしれませんね。
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罪悪感
兄弟姉妹の状態に、自分が責任を感じているかもしれません。このような感情は、幼少期から成人期にかけて現れる可能性があります。特に、自立して家を出て、両親は兄弟姉妹の世話をするために家に残される時です。
自分の人生を生きて、より自立するのは普通のことです。家を出るから兄弟姉妹のことを愛していないというわけではありませんし、あなたが悪い兄弟であると意味するものでもありません。自分ができる範囲で、兄弟姉妹を支えて手助けしてあげましょう。
孤立感、喪失感、孤独感
これらの感情は、障害を抱える兄弟姉妹に親がつきっきりで、親からの注目が自分にも欲しいという欲求によって生まれます。
たまには自分だけで親を独り占めできるような、バランスを見つけることが重要です。どんな子だってそれぞれ特別で、両親との時間が必要なのですから。
恥ずかしさ
自分の家族が他の家族と違って見えるかもしれません。しかし、全く同じな家族なんて存在しません。自分の家庭を恥じないでください。家族は自分が持てるものの中で最も価値ある存在です。
クラスメイトや先生からの兄弟姉妹についての質問に答えないといけない時に、面倒だなぁ、と感じるなら、それも当然のことです。ただ当たり前のように話せば大丈夫です。
早熟
家庭内で目にすることで、周りより早く大人びることを強いられるかもしれません。両親のどちらかはいつも家を空けているかもしれません。頻繁な通院や、緊張感や心配は、あなたがもっと広い視野で将来を見据えることを助け、何かに躓いてもすぐに立ち上がる方法を身につけることも可能にするはずです。
兄弟姉妹に障害がある時、私は何ができる?
この問題にポジティブに取り組むことができるいくつかの提案がこちらです。
両親の役割
一般的に、親は障害を抱える子どもの世話にかかりっきりなので、他の子どもは放ったらかしにしているように見えるかもしれません。
たとえ短い時間でも、両親と一緒に過ごす機会を精一杯楽しみましょう。これはただ障害を抱える兄弟姉妹の状況によるもので、あなたのせいではないと理解していただきたいのですが、両親は意図的にあなたを無視しているわけではありません。
コミュニケーションの良い側面
あなたの家庭環境がどう自分に影響しているかについて、両親や他の信頼できる親に相談してみましょう。あなたが持つ疑問、恐れ、兄弟姉妹に対する感情を認めましょう。そうすることで気分が晴れるはずです。さらに、話すことであなたにもサポートが必要だ、と大人が理解でき、一緒に解決策を練ることができます。
病気について学ぶ
兄弟姉妹が抱える障害についてよく知ることで、兄弟姉妹が置かれた状況をよりよく理解し、彼らの立場に身を置くことでできるようになります。自分が成長するにつれ、できる手助けは多くなることでしょう。
兄弟姉妹と充実した時間を過ごす
これは家族と絆を深める絶好の機会だ、と気づくと思います。兄弟姉妹と直接繋がることはできずとも、ただ側にいるというだけでも、兄弟姉妹の気分は晴れるはずです。
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兄弟姉妹に影響を与えるような決定事項に注意を払う
兄弟姉妹についての家族の決断に関与した場合、責任感が生まれ忙しくなるでしょう。そして役に立っているという価値観が生まれます。自分が兄弟姉妹の幸福に貢献しているんだ、という実感が生まれます。
障害を抱える兄弟姉妹を持つことの良い側面
セラピストたちが行なったある研究によると、障害を抱える兄弟姉妹を持つ子どもは悪影響に晒されているわけではない、という結果が出ています。それどころか、全くの反対で、障害を抱える兄弟姉妹と一緒に成長することから貴重な経験をたくさん得ることができます。
このような家庭環境は、家族同士がより親密になり、共感、傾聴、そして成熟といった、特別な素質や美徳を習得することでしょう。
なので、障害を抱える兄弟姉妹がいる場合、直面する困難にも拘わらず前向きな態度を保って、必ずしも問題だらけではないと理解してください。みんなそれぞれ違うのです!
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