子どものためにやってみよう:協力ゲームをすることのメリット

協力ゲームは子どもに楽しみながら良い価値観を教えてくれるので、非常に良いゲームだと考えられています。
子どものためにやってみよう:協力ゲームをすることのメリット
Azucena Fernández

によって書かれ、確認されています。 教師 Azucena Fernández.

最後の更新: 27 12月, 2022

協力ゲームは、競争ではなく協力を目的としたゲームです。その基本的な目的は、チームワークを育て、共通の目標を達成するために互いに助け合うことです。こういったゲームにはさまざまな使い方がありますが、主な利点の一つは参加者の人間関係の構築に役立つということです。

ですので、協力ゲームの利用はできたばかりのグループにおいてよく行われます。または、すでに形成されたグループの結束力を高めたいときにも使えます。これらのゲームはシェアする能力や人に優しくする能力など、社会性のある能力を高めることにもなります。

協力ゲームは互いに支えあい協力しあうことを通して信頼を築きます。共通の目標を楽しい遊びの中で達成するのに役立つのです。さらに、個人主義や競争を行わないことで教えたいことが伝わりやすくなっています。以下で、これらのアクティビティについてより詳しく見ていきます。

協力ゲームは小さい子どもの暴力を減らす

これらのゲームは小さい子の暴力を減らすのにもってこいのツールです。これはネバダ大学リノ校で1994年にエイプリル・ベイ・ヒニッツによって行われた「Cooperative Games in Young Children: A Way to Modify Aggression(子どもの協力ゲーム:攻撃性を変化させる方法)」の中で明らかにされています(リンク先は英語)。

協力ゲーム

協力的学習

協力ゲームは協力的学習の形であると同時に、もちろんゲームでもあります。最近では協力的学習のメリットについて記録を行っている多くの研究が出てきています。

協力的学習のメリットには、教育内容が習得されやすくなる可能性などが含まれます。また、教室内でコントロールを失ったり統制が取れなくなる問題を減らすのにも役立ちます。さらに、遊ぶことは子どものメンタルヘルスと知的発達に欠かせない部分であることも、研究により示されてきています。

ですので、協力的な遊びには協力的学習のメリットと遊び自体のメリットすべてが含まれているのです。

自閉症の子供

研究によると、協力ゲームは自閉症の子供や社会的に除外された子どものコミュニケーション能力を高めるためのセラピーにもとても有効だそうです。自閉症スペクトラム障害のある子どもは社会的なまねっこゲームやクリエイティブなアクティビティを、神経学的機能が正常な子どもと同じようにはできないのです。

協力ゲームを通して所属意識を高める

協力ゲームはみんなを仲間に入れるので、自分がそのグループに属しているという気持ちを高める力も持っています。学業達成においての所属意識の重要性は、さまざまな研究で広く証明されています。これにはスタンフォード大学のジョフリー・コーヘンが行った研究などが含まれます。

協力ゲームを通して楽しむこと

これらのゲームがもたらす楽しさや幸せは、教育的背景の中でどんどん価値があり重要だとされてきている感情です。例えば、国連の子どもの権利に関する宣言でも、遊ぶことの権利について述べられていることを考えてみてください。ポジティブ心理学においても人の健康における幸せの価値について証明され始めています。

子ども 協力ゲーム

思いやり

協力ゲームは思いやりの気持ちも高めます。その根底には互いにケアし、思いあう倫理があるからです。これは私たちの社会を特徴づける個人主義とは正反対のものです。

競争にサヨナラを

これらのゲームは、競争することを一時やめたいという大きなニーズにこたえるものです。研究により、競争は子どもにたくさんのデメリットがあるということが示されています。競争は不安を高め心の平穏を減らしてしまうというのです。

教育システムの大部分は構築された競争に基づいています。だからこそ協力ゲームがとても重要なのです。これにより過度の競争から逃れ、息をつくことができます。

大人が協力的な遊びを子どもに提案するということは、協力が価値があり重要な社会規範であるというメッセージを伝えるということです。ですので、こういったゲームはポジティブな社会的雰囲気を促し、それは子どもにとってより安全で快適なものになるでしょう。


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  • Gregory M. Walton, Geoffrey Lawrence Cohen. (2011). A Brief Social-Belonging Intervention Improves Academic and Health Outcomes of Minority Students. Science.
  • April Bay Hinitz. (1994). Cooperative Games in Young Children: A Way to Modify Aggression.  Universidad de Nevada, Reno.

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