【暴力を振るう若者】思春期の子どもの心に何が起きている?
思春期に出現する暴力には様々な要因が考えられます。そして、若者の心に何が起きているのかを理解するには、大人の役割についても見ていく必要もあります。
暴力を振る若者:思春期の子どもの心に何が起きている?
ティーンとの関係における大人の役割は重要な要素であり、大人の存在が、彼らの興味や立ち振る舞いに良い影響を与えることは多いものです。これには子どもとの時間を意識して持つことが必要になってきますが、残念なことに時間が作れない親御さんも多いでしょう。
時間のせいにしていませんか?
多くの人が長時間勤務を強いられている一方で、子どもにとっての親の重要性について誤解されていることもあります。
「うちの子も大きくなったし、そろそろ自立してもらわないと」と言う親御さんは少なくありません。決して間違った考え方ではありませんが、子どもが自分の人生を歩み始めたからといって、完全に子どもから身を引く必要はないのです。
子どもが階段の上り下りを一人でできるようになり、自信を持ち始めたのと同時に、親として距離を置いて見守るようになったことを覚えていますか?これと似たようなことが思春期にも起きます。子どもが自分で色々なことができるようになったと感じたら、そっと見守るようにしましょう。
合わせて読みたい『子供の暴力とどう向き合うか』
思春期の暴力:大人の問題対処法とは?
子どもがどのように問題と向き合うかは、親のそれが決定的な要素でもあります。同様に、幼少期に設定したバウンダリー(自他境界)は、思春期に起こるであろう問題の多くを予測することができます。思春期の暴力はティーンの問題対処法に関連していると言えるでしょう。
したがって、親御さんは定期的に小児科に相談することが非常に大切です。また、子どもが思春期に入ったら思春期の健康問題に詳しい専門家に相談することも重要です。
思春期と仲間集団
このテーマは、あらゆる書物やスピーチによって取り上げられてきました。過激なバイオレンスゲームが幼少期や思春期の暴力に何らかの影響を与えているのでしょうか?常識的に考えれば多少の影響はあるかもしれませんが、それが唯一の要因ではありません。
このことに関して、小児科医であり、アルゼンチン小児科学会の情報通信技術小委員会のメンバーでもあるギレルモ・ゴールドファーブ氏は、著書『Infants, children, adolescents, and screens: what’s new?(和訳:乳児、幼児、青少年、スクリーンメディアの最新情報)』の中で、子育てや育児を担う大人もスクリーンメディアに没頭することが多くなり、そのことが家族内のコミュニケーションに“溝”を作っていると言及しています。
一方で、2歳まではスクリーンメディアに触れない方がいいという合意がなされているようだとも指摘。このトピックは、バレンシア小児科学会の専門家も取り上げています。
アメリカ小児科学会(AAP)が最近発表したものでは、この年齢を1歳半に引き下げることが提案されています。1歳半までは、遠方の家族と通信する場合に限りスカイプやFaceTimeなどのリアルタイムのビデオアプリケーションのみ使用することを許可するべきであるとしています。
思春期の暴力について考えるべきこと
また、忘れてはいけないのは、過剰にゲームで遊ぶことも含むインターネットの問題的な利用が問題視されていること。また、インターネットやゲームは現実世界の人間関係の関心の低下を引き起こしたり、ゴールドファーブ氏が指摘するように、“ネットやゲームを止めようと試みるも失敗し、禁断症状”を引き起こしたりすることもあります。
その他にも覚えておきたいポイント
- ティーンエイジャーだからと子育てから身を引かない
- 思春期になったからと子どもと距離を取りすぎない
- 幼少期から段階的に自律性を促すことが関連している可能性がある
- 思春期の暴力はどこからともなく現れるものではなく、むしろ一定のパターンがあるため、防ぐことが可能である
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Guillermo Goldfarb, Sociedad Argentina de Pediatría.
- Sociedad Valenciana de Pediatría.