知っておきたい女性の病気:「膣腺症」ってなに?

膣腺症と診断された場合は、長期にわたる不快感を防ぐために、たとえ良性であってもすぐにに治療すべきです。
知っておきたい女性の病気:「膣腺症」ってなに?

最後の更新: 18 6月, 2019

膣腺症の発生率は、女性100,000人あたり0.3人とされています。 膣腺症患者は膣内の粘膜が膣腺組織で覆われます。この組織は、上皮と呼ばれ、円筒形をしています。

なぜ膣の粘膜が上皮に覆われるとよくないのでしょうか?以下に説明します。膣は独自の筋肉膜でできた器官であり、円筒形で、約9センチメートル(3.5インチ)の長さがあります。

膣は直腸と、膀胱に挟まれた位置にあり、子宮から、外陰部までつながっています。膣壁の状態は女性ホルモンに依存し、弾力のあるいくつかの層からできています。

また、膣の内側部分は、一見しわのように見える特徴的な粘膜に覆われています。

通常上皮や上皮組織は、膣内の奥にある膣壁の表面に現れます。しかし、治療せずに放っておくと、外陰部にまで広がってしまうことがあります。膣腺腫自体は良性ですが、治療しないと癌化する恐れがあります。

膣腺症-種類

膣腺症の種類

膣腺症には2つのタイプがあります。自然発症するものと、ホルモン治療が原因となって発症するものです。

膣腺症の症状

1.膣の痛み

月経直前に起こる腹部の痙攣に似た不快感が現れる場合があります。これは膣壁に強い圧力が加わるためです。膣腺症の症状で最も患者さんを苦しめるのがこの症状です。

2.ムコレア

これは粘液、膣分泌物が過剰に生成されてしまう症状です。この粘液、ゼラチンのような粘度で、色が薄いのが特徴です。

また、臭いは無く不快感が伴います。カンジダ感染時に見られる、分泌液に似ています。

3.性交中の痛み

性交中に痛みを感じる可能性もあります。この場合は、性行為を無理にしないことが懸命です。膣腺症は性感染症ではないことを覚えておいてください。

4.不正出血

月経では無い時に出血することは、正常とは言えません。

膣腺症-治療

膣腺症の治療

通常では、50%トリクロロ酢酸による治療を勧められる筈です。この治療法は、冷凍凝固療法や外科的手術よりも痛みがすくないですが、膣内、奥まった膣壁に使用することはできません。

もう一つのよく使用される治療法は、「Diathermic loop」による切除です。これは医療器具の名前で、自動車のハンドルのような形をした細いワイヤーに高周波の電気を流して使用します。この器具を使用すると、非常に正確に切除することができます。

これも、痛みのそれほど強く無い治療法です。切除した異常組織は専門機関で検査されます。

炭酸ガスレーザーを使用して組織を除去することも可能です。炭酸ガスレーザーの波長は、水や生体組織に吸収されやすいという特徴を持っています。

膣腺種は長期的な不快感を防ぐために、良性であっても早めに治療する必要があります。

予防策としては、婦人科医の健康診断をこまめに受けること、経口避妊薬を服用する場合に、前もって医師に相談することが挙げられます。


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