女性の妊娠と多発外傷:妊婦さん特有の怪我について

14 3月, 2020
妊娠と多発外傷のつながりは、女性の働き方や行動の変化によってますます一般的になってきています。この記事では、そのつながりについてお話します。

多発外傷と妊娠の間のつながりはどんどん一般的になってきています。これは妊娠の終わりまで働く女性が増えてきたからです。さらに車の中で多くの時間を過ごすことも関係しています。

これらの要素が組み合わさることで産科外傷が増え、母親と赤ちゃんの健康に影響が及んでいるのです。

妊婦さんは普通の女性と比べて身体的・精神的に異なる特徴があります。ですので、妊娠の関わる多発外傷のベストな治療法を知っておくことが大切なのです。

多発外傷と妊娠

外傷が、非産科的死因の主な原因になってきています。母親も胎児も、外傷自体や妊娠から怪我に苦しむことがあります。

妊娠中に女性の身体に起こる解剖学的・生理学的変化は、同じ外傷に対しても身体の反応を変えてしまいます。ですので、以下のような要素が妊娠中の多発外傷の効果に影響します。

  • 妊娠何週目か
  • 外傷の種類と深刻さ
  • 胎児や胎盤の変化

母親のケアをまずすることが大切です。そして母親が安定状態になれば赤ちゃんのケアができるようになります。

妊娠 多発外傷

循環器系

妊娠中に起こる変化のため、妊婦さんは体内の血液量が増えます。ですので、外傷から起こりえる内出血に気を付けることが重要になります。

血液量が増えるということは、ショック状態になるまで時間がかかるということです。そして赤ちゃんは酸素をずっと失いやすくなります。ですので、失血はお母さんにとっては大したことが無いように思えても、すばやく治療する必要があるのです。

会陰などの器官

外傷を受けた際には、膣や会陰、直腸などに怪我がないか気を付けることが重要です。お産に関わる部分に問題がある可能性があるからです。

心肺蘇生(CPR)

妊婦さんへの心肺蘇生に関しては、CPRが機能しない際に帝王切開をいつ行うかについて議論があります。一定の時間CPRをした後帝王切開を行うべきだという人もいれば、CPRを行いながら帝王切開すべきだという人もいます。

意志決定をするには、他にも考慮に入れるべき要素があります。例えば妊娠週数が24週以上かどうかや、母体の状態などです。

貫通損傷

胎児が子宮の中で成長すると、体内の臓器が移動します。ですので、子宮へのダメージが起こるリスクが高まり、他の臓器へのダメージが起こる可能性は減るのです。

子宮の筋肉、羊水、そして胎児が貫通する物体の多くの衝撃を受け、他の臓器への損傷は最小限になるでしょう。

多発外傷と妊娠:妊婦さん特有の怪我

妊娠中の多発外傷にのみ見られる特殊な怪我が存在します。

子宮の外傷

子宮への衝撃によって、子宮の筋肉が裂けてしまうことがあります。この筋肉の壁は子宮筋層と呼ばれています。そして他の層も母親と赤ちゃん両方にとって良くない状態になってしまいます。

子宮破裂には完全なものと不完全なものがありますが、たいていは以下のような兆候や症状があります。

  • 赤ちゃんの心拍が減ること
  • お腹の痛み
  • 陣痛が少なくなったりなくなったりすること(以前はあった場合)
  • 母体が頻脈になったり、失血から血圧が下がること
  • 膣からの出血
  • 血尿
  • 胎児が腹腔に出ている場合には胎児の位置が上昇します

子宮破裂が起きた場合の治療は、母親を安定させ麻酔を入れます。さらに開腹手術を行って胎児を取り出す必要がある場合もあります。

妊娠 多発外傷

子宮の収縮

子宮の収縮は分娩前に起こることがあります。これは外傷やストレスのかかる状況、脱水症状になっているときなどに起こる可能性があります。これは外傷から起こる最もよくある産科的問題なのです。

母親と赤ちゃんの状態により、さまざまなアプローチを行います。これは状況によって違うのです。例えば、羊膜に損傷があるかないか、妊娠何週目か、胎児や母親の状態などです。そして以下のような手段がとられます。

  • 母親と胎児の観察
  • 収縮を抑えるための子宮収縮抑制薬の投薬
  • 出産のプロセスを進めること

胎盤剥離

妊娠中の多発外傷のため、胎盤剥離が起こることもあります。これは赤ちゃんが20週目になる前に胎盤が部分的または完全にはがれてしまうことです。

これは緊急を要する状況です。胎盤とは赤ちゃんに栄養や酸素を送る臓器だからです。これが完全に剥離してしまうと、血液を得ることもできなくなります。

現れる可能性のある兆候や症状には以下のようなものがあります。

  • 胎児の低酸素症
  • 膣の出血または内出血
  • お腹の痛み
  • 体全体に血栓ができること
  • ショックやその他の合併症

この状態を治療する際には、母親を安定させることに集中します。また、経腟出産または帝王切開によって赤ちゃんを産むことにも焦点が当てられます。

胎児-母体の出血

外傷を受けた場合、胎児の血液が母親に送られることはよくあります。その影響は以下のようなものです。

Rh同種免疫を防ぐために、Rh-の女性は全てRh免疫グロブリンを受けます。さらに母親と赤ちゃんの状態を見て次に何をするかが決定されます。

羊膜の早期破裂

これは分娩の前に羊膜が自然に裂けてしまうことです。何をすべきかは、以下のようなことは考慮に入れられて決定されます。

  • 妊娠週数と胎児の成熟度
  • 失われた用水量
  • 感染症のリスク
  • 羊水の特徴
妊娠 多発外傷

妊娠と多発外傷:胎児の怪我

妊娠中に起こる外傷では、胎児の健康も危うくなります。胎児に起こる可能性のある問題の一つには、上で述べたものに加えて、赤ちゃんがストレスを感じてしまうリスクもあります。

胎児への外傷の影響は赤ちゃんの酸素レベルが変化することにもよります。お医者さんが赤ちゃんを観察することでストレス状態を判断します。サインとしては以下のようなものがあります。

  • 赤ちゃんの心拍の変化
  • 子宮の収縮のあと胎児の動く速度が遅くなること

まとめ

状況は毎回異なりますので、それぞれのケースについてお医者さんが判断を下します。さらに、赤ちゃんの状態によってその他の手段が取られることもあります。

  • Domínguez Picón F.M. Traumatismo en el embarazo. (2000). En: Rodríguez Rodríguez J.C. El traumatizado en urgencias: protocolos. 2ª edición. Madrid: Díaz de Santos; 2000. p. 157-168.
  • Mejías Paneque C., Duarte González L., García González S. (2012). Consideraciones generales en la atención de urgencia a la paciente obstétrica politraumatizada. Enferm. glob.   11( 25 ): 464-469. Disponible en: http://scielo.isciii.es/scielo.php?script=sci_arttext&pid=S1695-61412012000100026&lng=es.  http://dx.doi.org/10.4321/S1695-61412012000100026.
  • Serra Serra V., Perales Marín A., Remohí Giménez J., Morillas Ariño C., Pellicer Martínez A. (2017). Urgencias en obstetricia. 1ª edición. Madrid: Editorial Médica Panamericana.