【感覚体験の重要性】ヒューリスティックプレイってなに?

18 11月, 2020
今回は、ヒューリスティックプレイについて、特徴、必要な物や準備、利点、そして教育者の役割についてお話していきます。

皆さんご存じの通り、「遊び」は幼少期の子どもにとって生まれながら備わっているアクティビティです。子どもは遊びを通して自分自身だけでなく、周りの世界を理解し、物事を学んでいきます。今回は、ヒューリスティックプレイについて詳しく見ていきましょう。

 

ヒューリスティックプレイ

遊び方は子どもの発達段階に応じて異なります。感覚運動期と呼ばれる生後12~24ヶ月には、行動に自律性を持ち始め、少しずつ調整が行われ始めます。そのため、遊びや学習の可能性が広がります。

感覚運動期の赤ちゃんは、周りの物がどのような動きや反応を見せるか自分自身で発見し体験し始めます。そのため、遊びながら“実験”するために、物を多く必要とします。保育園ではヒューリスティックプレイを通してこのようなことを経験できます。そして、ヒューリスティックプレイでは操作、体験、発見の3つが重視されています。

ヒューリスティックプレイの対象は生後12~24ヶ月の子どもです。イギリスの教育学者エリノア・ゴールドシュミードによって考案され、イギリス、スコットランド、イタリア、スペインの教育者と共同で実践されてきました。

ヒューリスティックプレイ2

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ヒューリスティックプレイでは、大人の介入なしに、一定時間、管理された環境下で子どもが自由に遊び、実験できるように、さまざまな種類や素材のおもちゃが用意されます。学びの“主人公”は子ども自身であり、自分自身で発見することを体験するのです。

ヒューリスティックプレイの特徴

ヒューリスティックプレイでは、多くの異なる物や素材を触り、観察し、探索することを大切にしているだけでなく、視覚、触覚、口の感覚を通して発見することが重要です。

自ら発見することで、子どもは自然の法則(重力、バランス、速度など)や物の性質(大きさ、体積、主さ、色、質感など)に気が付くようになります。

“間違い”は存在しません。一人の子どもがある物を対象にとった行動や示した反応は、他の子どものそれと違っても何の問題もありません。すべてが正しく、適切なのです。間違えることは絶対にありません。

子どもひとり一人に十分な物が与えられているため、取り合いにはなりません。また、この時期には早すぎますが、他の子どもとおもちゃを「シェア」することも求められることはありません。

ヒューリスティックプレイのメリット

ヒューリスティックプレイでは、次のような目標を達成できることだけでなく、何よりも子どもが物や行動に喜びを見出すことができます。

  • 集中力を高める
  • 運動神経(視覚と手の協調)を鍛える
  • 重ねる、はめる、かぶせる、剥がすなどの両手を使った動きを覚える
  • 中/外、空っぽ/たくさんといった因果関係を学ぶ
  • 物の種類を分別し区別する
  • 語彙を学ぶ
  • 物の感覚的な知覚を得る

必要なもの

  • あらゆる物:木材・段ボール・金属・コルク・革など、天然素材がベストです。しかし、リサイクル素材も使用可能です。最低でも15種類、それぞれ50個ぐらい揃えるといいでしょう。
  • 巾着袋:同じ特徴を持つ物(“コレクション”と呼びます)を入れる布の袋。袋にはその中に入っている物の絵や名前を書きます。
  • 容器:物を入れる容器。通常はバスケット、ビン、箱など、異なる大きさの物を使用します。一人3~4個用意しましょう。
ヒューリスティックプレイ3

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ヒューリスティックプレイのやり方

ゲーム1回は50分間です。これには準備、実際の遊び、お片付けが含まれていて、1回のセッションには最大8~10人までが参加可能です。

  • 準備:教育者がプレイスペースを準備します。子どもが自由に動けるように、広々としている必要があるのと同時に、集中力を高める環境作りが必要です。そのため、気が散る原因となるゲームや物をしまったり隠したりしましょう。そして、8つのゲームステーションを作ります。各ステーションには、3~4個の容器と、コレクションから7~8個の物を置いておきます。
  • プレイ:子どもたちは自由に物を探索し、遊ぶことができます。入れる、重ねる、転がす、抱きしめるなど、遊び方は無限です。
  • お片付け:お片付けには15分間割り当てましょう。ただ片付けるのはなく、教育者のサポートのもと、物を集めて分類します。これは遊びの一部であると同時に、大人が物の名前・数量・場所を示すので、新しい単語を覚えるチャンスでもあります。

教育者の役割

教育者の役割は、ファシリテーター兼オブザーバーです。つまり、子どもがどのように対象物と接しているかを見守りながら注意深く観察し、何に興味を示したかを書き留めます。決して励ます、勧める、褒める、指示するようなことはしません。

プレイスペースが散らかりすぎてきたら、子どもたちの集中を乱さないよう静かに適切な場所に置きましょう。介入する唯一の状況とは、一人の子どもが物を投げて他の子どもの邪魔をしてしまったときだけです。その場合、その子に容器を渡し、その中に物を入れるように促しましょう。