会陰裂傷について知っておきたいこと
出産の最中とその後に、ほとんどの女性が痛みを感じるものです。中には会陰裂傷を経験する人もいるでしょう。
出産中に会陰は伸びるというのは真実です。それでも赤ちゃんが産道を通り抜けるための圧力で、皮膚とその皮下にある筋肉が緊迫してしまうことがあります。それで会陰裂傷が起こり、修復が必要になってしまいます。
会陰裂傷は分娩の際よくあることです。特に初めて出産する妊婦や、大きい赤ちゃんを出産する際に会陰裂傷が起こります。
そして分娩にかかる時間が長く続く場合も、妊婦が会陰裂傷になることがあります。
裂傷の大きさにもよりますが、女性は縫合や特別なクリームが必要となるでしょう。次に説明するようないくつかの会陰裂傷があり、その防止法もご紹介します。
出産中に起こる会陰裂傷の種類
会陰裂傷にもいくつか違う種類があります。
- 1度裂傷:皮膚のみに起こる会陰の裂傷。たいていの場合縫う必要はなし。
- 2度裂傷:会陰と膣壁の筋肉まで裂傷が及び、多少の縫合が必要。
- 3度裂傷:膣壁の筋肉からさらに、肛門括約筋にまで傷が達している。
- 4度裂傷:膣から直腸まで損傷が及び、会陰全体の裂傷のため手術室での縫合が必要。
分娩時に会陰裂傷を避ける方法
完全に裂傷を避ける保証はありませんが、このような損傷を防止するための方法はいくつかあります。会陰裂傷の可能性を抑えるための方法を次にご紹介します。
1.身体の準備をする
出産前の9か月の間、女性は出産に向けて身体づくりの準備が必要です。例えば、出産期間を通して毎日の運動をすることはとても重要です。
色々な利点がある中でも、運動は血液の循環を良くするので、皮膚の伸びも向上します。会陰や膣の辺りにもしっかり血液が送られるようになるのもプラスです。
そして栄養をしっかり摂って、水分補給も忘れないようにすると、身体の皮膚や筋肉に役立ちます。オメガ3が豊富で低脂肪のたんぱく質と、色々な種類の野菜を含む食事など、健康な食生活がお勧めです。
最後にビタミンE、ビタミンC、亜鉛を充分摂取すると、身体の伸縮性を向上させ、産後の回復にも効果的です。
2.会陰マッサージ
妊娠中に会陰の準備をすると、初産婦の会陰裂傷のリスクが下がります。マッサージによって妊婦が自分の身体をもっと知るようになり、出産に対する自信も持てるようになります。
しかり会陰マッサージそのものに対して抵抗がある場合は、絶対に必要なことではないので大丈夫です。
3.出産の姿勢
分娩でいきむ時の姿勢は、間違いなく会陰裂傷が起こる可能性に大きく影響します。例えば横向きの体勢で足が上を向いている、または尾てい骨と会陰に圧力をかけるような運動をするなどです。これで骨盤底部分の筋肉が引き締まり、会陰裂傷が起こるの抑えます。
「出産前の9か月の間、女性は出産に向けて身体づくりの準備が必要です。」
出産の姿勢に関しては、自分の直観に従うようにしましょう。どの姿勢でも心地良いと感じれば、それが自分にとって正しい姿勢なのです。そこで陣痛を乗り越えるのに、丁度いい姿勢を見つけるまで自由に動き回ることが必要です。
いずれにしても、四つん這い(手とひざをつける姿勢)になることが会陰に最も圧力をかけずに済む体勢です。
4.骨盤底筋運動
骨盤底筋運動は骨盤の筋肉を強化します。出産後に基の体型に戻り、尿漏れの予防のためにも、この運動は理想的です。
骨盤底筋をリラックスさせることがとても重要で、赤ちゃんが下がってくる時に最大限の通り道を作ってあげられます。一日に数分の運動だけでも、後々かなり有利になるでしょう。
5.会陰切開を避ける
会陰切開とは、膣口を広げるために会陰部の皮膚と筋肉に切開を加える手術のことです。皮肉なことに、会陰切開術を行っても分娩中に会陰を保護しません。どちらかと言えば、手術によって傷の痛みが増すでしょう。
切開が施されると、赤ちゃんの頭によって筋肉の裂傷がもっと起きやすくなるのです。
そして分娩中の会陰裂傷は、残念ながらかなり多くの女性が経験することです。
術後の回復と、痛みを和らげるために、無理な行動を避けるようにすることが一番です。温かいお風呂に入って痛みを抑え、腫れているようであればアイスパックを当てると良いでしょう。