食べ物を口に戻してしまう反芻症とは?

一度食べたものを再び胃から口の中に戻し、また噛んで飲み込むことを反芻と呼びます。今回は子どもの反芻症の症状と治療法をご紹介します。
食べ物を口に戻してしまう反芻症とは?
Ana Couñago

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Ana Couñago.

最後の更新: 15 11月, 2018

子どもの反芻症(はんすうしょう)は無意識に起こり、わりと短期間症状が見られ、しかも稀な疾患です。今回は反芻症は何なのか、詳しく見ていきましょう。

反芻症とは、一度食べたものを再び胃から口の中に戻し、また噛んで飲み込むという行為です。これは複数の心理的な原因が関わっています。

反芻症が起こる年齢

子どもの反芻症は3~12か月の間に起こることが多く、症状が見られるのは1ヵ月程です。そして主に女の子より男の子に多く発症し、発達機能障害の大人にも見られます。知的障害の赤ちゃんは特に反芻を行う傾向があります。

反芻症は愛情不足が原因?

両親から拒絶される、面倒を見てもらえない、家庭内のストレス、性的なトラウマ、刺激が足りない、などが、無意識のうちに赤ちゃんが反芻を発症させる要因となっています。

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子どもが頻繁に食べ物を口に戻し、週に数回または毎日のように反芻が起こると、反芻症と診断されます。特に知的障害のある大人の場合には、吐き気や嘔吐がないのに、無意識に反芻が起こります。

これは下部食道括約筋を緩めることによって起こる、腹部の収縮が関係しています。収縮によりのどと胃の間に空洞ができ、そこから食べ物が口に戻されます。

専門家によると、反芻行為がある種の刺激や感覚遊びになり、自分を落ち着かせる行動と考えられています。

反芻症の症状と診断

専門医師が反芻症の診断を下す前に、赤ちゃんの消化器系に何か先天的な異常がないかどうか確認する必要があります。食道裂孔ヘルニアや幽門狭窄症などの危険がないかどうか検査します。

もし深刻な症状が見られる場合は、反芻症の症状と一致するかどうかなど、医師にとって価値ある情報となります。反芻症には次のような症状が見られます。

  • 口臭
  • 吸引
  • 脱水症状
  • 体重減少
  • 過食症
  • 呼吸負担
  • 歯の健康問題
食べ物を口に戻す反芻症

栄養不足

反芻症によって引き起こされる問題の一つに、栄養失調が挙げられ、重症になると致命的になる危険もあります。それ以外にも子どもの免疫システムに影響を与え、病気に対抗する力が弱まる原因になっています。

1歳までの赤ちゃんの平均体重に届くほどの体重増加が見られないこともあります。早くに何か対処しないと、栄養不足により子どもの発達と成長が遅れる心配もあります。

赤ちゃんが反芻症を患う場合、身体の位置がその兆候になることがあります。子どもが身体をこわばらせて、背中を反らせ、あごを上げて舌で吸い込むような動きをしています。

最初は赤ちゃんが反芻で満足したように見えますが、その後にイライラしたり空腹になることもあるでしょう。

愛情が1番の治療法

反芻症は大抵の場合心理的な原因で起こるので、治療方法として認知行動療法が利用されます。

反芻症の症状を確認して、適切な行動を探し出します。操作的調整に基づいた行動を繰り返して、それを色々な状況に実践します。

強制的な見解で言うと、子どもがあまり噛まずに飲み込みたくなるようにして、食べることを強制する方法です。子どもが反芻を始めたらすぐに、美味しくない味を食べ物にのせる、または直接舌に苦い味をつけるなどして、戻す行動を抑えるようにします。

子どもの 反芻症

反芻症の子どもには良い行動を強化する

もう一つの良い対処法は、愛情を込めた言葉、キスやハグなど、行動を通して良い行動を強化する方法です。反芻しないでいるときにはごほうびを与えるのも効果があるかもしれません。

子どもにとって好ましくない環境を改善するのも効果的な方法です。拒絶や虐待ではなく、忍耐強く愛情を持って子どもを理解してあげることが重要です。

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両親が精神療法のセラピーを受けることになります。愛情を込めてしっかりと子どもに注意していれば、子どもが反芻症の典型的な動きをし始める時に、子どもの気をそらして他の事に夢中になるようにさせることができます。

子どもの反芻症は、過食嘔吐、過食症、感情の自主規制とは関係ありません。これは両親の愛情不足や、子どもの方を向いてくれない親が、直接の原因で起こります。

反芻症の防止法は特にありません。単に愛をこめて対処する、または子どもの心の発達に影響する家庭状況を改善することが治療になります。子どもが健全で幸せな生活を送るための、第一歩を踏み出しましょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。