STEM分野にもっと女性が必要な理由:根強い男女の格差

STEM分野の職業に就く女性が社会にはもっと必要です。
STEM分野にもっと女性が必要な理由:根強い男女の格差
María Alejandra Castro Arbeláez

によって書かれ、確認されています。 心理学者 María Alejandra Castro Arbeláez.

最後の更新: 21 4月, 2019

STEMという用語は、「科学(Science)」「技術(Technology)」「工学(Engineering)」「数学(Mathematics)」の頭文字を取った言葉です。近年では、これらの分野の専門家に対する需要が高まっており、一種のトレンド担っています。ただ、この件でも言えることは、STEM分野の女性にはまだまだ克服すべき障害が多くあります。

と言うのも、同じSTEM分野でも男女の間にまだ絶大な格差があるのです。

STEM分野の職業に就く女性が社会にはもっと必要です。

STEM分野の女性は本当に少ないの?

近年、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の心理学および行動科学部のマーティン・W・バウアー教授が行った研究では、STEM分野で模範になる女性が欠如していることが、女子が科学に取っ付きにくさを感じる一因である」と結論づけられました。

バウアー教授によると、11〜12歳の女子の間でSTEM分野への関心が高まっています。しかしながら、その関心は15歳以降は下がるのみです。

さらに、高等教育に焦点を当てても、このことが改善されていないとわかります。工学科の卒業生で女性は3人に1人に過ぎず、コンピュータ科学科ともなれば5人に1人です。

OECD(経済協力開発機構)所属諸国が行った分析では、科学または技術の分野でキャリアを求めたとしても、女性はわずか43%だけが数学、物理学、工学の専門家として働いており、男性の場合確率は71%です。

読解力に関しては15歳の女子の方が同年齢の男子よりも全体的に優れている、とデータが示していますが、これが数学になると男子生徒の方が高得点を出します。

数学で一番の高得点を出すのは、女子よりも男子が多く(女子の10.6%に比べ、男子は14.8%)、科学でも同様です(女子の7.7%に比べ、男子は9.3%)。

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要するに結論としては、今こそ女性を動機付ける方法を発展させるときということです。テクノロジー分野でさらに多くの専門家を必要とする現代社会では、女性を参加させる方法に取り組むことがこれまで以上に重要になっています。

インスピレーションの一例

数年前にAd Council(米国広告協議会)が音頭を取った「She Can STEM(女の子だってSTEMに行ける)」運動は、今までの古い枠組みを取り払うことを目的としていました。科学にまつわる、女性に対する偏見や女性の恐れを克服できるよう女生徒を後押しするように設計されたものです。

この運動は、STEM分野で活動する7名の著名人を紹介し、STEM分野がいかに面白いかを示すことで成功を納めました。

その女性たちは以下の通りです。

  • リサ・シーキャット・デルカ(Lisa Seacat DeLuca)、IBMのエンジニア
  • ティエラ・フレッチャー(Tiera Fletcher)、ボーイングの構造解析エンジニア
  • マヤ・グプタ(Maya Gupta)、Googleの科学研究院
  • ダニエル・マーフェルド(Danielle Merfeld)、ゼネラル・エレクトリックの再生可能エネルギー技術責任者
  • ニッキー・パルマー(Nicki Palmeer)、ベライゾンのネットワークエンジニアリング担当ディレクター
  • ボニー・ロス(Bonnie Ross)、Microsoft所有のヘイロー・ゲーム・スタジオのディレクター
  • ルシアン・ウォーコウィッチ(Lucianne Walkowicz)、アドラー・プラネタリウムの天文学者
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「女の子たちがSTEM分野で励まされ、力を与えられているように感じることができないと、悪影響があるのは女の子や大人の女性だけへではなく、将来的な国家の革新にも深刻な影響を及ぼします。」

– リサ・シャーマン、米国広告協議会 社長兼常務取締役

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STEM分野の女性の将来

現在、STEM分野の女性に同分野の専門職についてもらうための、大幅で積極的な取り組みが行われています。しかし、欧州連合によると、2020年までに情報、技術、通信の分野で役75万6000人もの人手不足が生じるとされます。

結論として、このようなデータは、「She Can STEM」運動のような取り組みの重要性を反映し、この分野の著名な女性たちにより光を当てるもの、と解釈することができます。

ギリシャの哲学者ヒュパティアも、宇宙飛行士のサリー・ライドも、霊長類学者のジェーン・グドールも、そして誰もが知っているキュリー夫人だって、素晴らしい例のたった一部です。

女性が果たすことができる役割は決して制限されるべきではなく、今回ご紹介した開発分野はどれも女性を採用したいと切望しています。


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  • López, M. (2018). Mujeres en STEM, Futuras líderes.
  • Oliveros, M. A., Cabrera, E., Valdez, B., & Wienner, M. S. (2016). La motivación de las mujeres por las carreras de ingeniería y tecnología. Entreciencias: Diálogos En La Sociedad Del Conocimiento. https://doi.org/10.1007/s11199-007-9362-6
  • Rossi Cordero, A. E., & Barajas Frutos, M. (2015). Gender imbalances in STEM career choice. Enseñanza de Las Ciencias. Revista de Investigación y Experiencias Didácticas. https://doi.org/10.5565/rev/ensciencias.1481

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