眠りにつく時の理想的な体勢
子どもができるだけ早く、そしてよく眠れるようにと、寝るときの姿勢を試行錯誤する親は少なくないでしょう。そこで今回は、赤ちゃんに合った「眠りにつく時の理想的な体勢」をご紹介します。
快適さと安心感のコンビネーション
子どもができると、たくさんある寝る体勢の中にも、赤ちゃんたちが特に気に入る姿勢があるということにすぐに気付くと思います。
キーとなるのは快適さと安心感のコンビネーションで、快適に感じていればいるほど、寝ながら動くことは少なくなるのです。
赤ちゃんのボディランゲージを注意して観察してみましょう。
暴れたり泣き出してしまう場合は、必要な快適さや安心感を感じられていないということです。そんなときは慌てることなく落ち着いて、違う体勢にしてあげることが重要です。安心して大丈夫だよ、何を言いたいのか理解しているよ、ということを伝えてあげるのです。
これは、母親として子どもを寝かしつけるのに余計な体力を使わないためにも重要なことです。
では、赤ちゃんにとって最も良い、眠りにつくための体勢とは一体どのようなものなのでしょう。
仰向け
最近ではほとんどの小児科医が、理想的であるとして、仰向けで寝させることを推奨しています。
子どもが夜中に唾をはきだしてしまっても、水平の状態にあるおかげで口が全く塞がれず、液体を完全に吐き出すことができるからです。
背中を下にして眠ることは、SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクを下げる働きもあります。
仰向きに寝ると、他のどの状態にあるときよりも視界が広くなります。その結果親を観察することも、刺激に対して動き回ったりキックをするなどの反応を示すこともできるようになるのです。
身体を自由に伸縮させられますし、何でも好きなものに触れることだってできます。ただ、同じ体勢を長時間維持させることは、後頭部扁平などの頭蓋変形を引き起こしかねないため気を付けることが必要です。
仰向け以外の体勢
横向き
横に寝させることも可能です。快適ですし、吐瀉物を飲み込んだり喉に詰まらせてしまうことを防ぐことができます。
起き上がれば自由に動き回れるという利点もあります。また、暑い時期に息苦しくなることもありません。
母親の子宮の中にいたときの姿勢と似ているため、快適に感じるのです。
腕の中
やや仰向けにされ、ゆりかごのように静かに揺れる、母親の腕の中ででないと眠れない赤ちゃんは、案外多いです。お腹の中にいたときのように、大好きな母親のすぐ近くにいると感じられるためよく眠れるのです。
頬を子の頭に沿わせて、眠るまで何か囁いてあげるのも良いでしょう。しかし、暖かく居心地も良く、愛情も感じられるこの体勢ですが、慣れすぎてしまうとあまりよくないので注意してください。
赤ちゃんはひとりで寝られるようにさせることが大切です。これは親子どちらのためでもあるのです。
腕の中で子どもを寝させることがいけないわけではありませんが、長い目で見ると、良いことでもありません。実際のゆりかごやハンモックを使うのも眠らせるのにはとても効果的なのですが、節度を持って利用しましょう。
その他の寝方
- 腕に抱きかかえたらキスをして、眠るのを見守ってあげましょう。
- 胸の上は基本的に安定するポジションです。
- 体を支えてあげながら頭を肩に乗せさせるのも、とても眠りやすい姿勢になります。
- 背中を腿に、頭を膝の位置に置かせ、体にブランケットをかけてあげるのも効果的です。
うつ伏せはどうなの?
中には親がどんなに防ごうとしても寝ているうちにこの体勢になってしまう子どもは存在しますがそれでも、 1歳にも満たない赤ちゃんをうつ伏せにさせることは推奨されていません。
顔を下向きにして眠ることは、SIDS発生の危険性を高めてしまうのです。
そのため米国小児科学会は、うつ伏せで寝る時はしっかり監視下にある場合のみ、述べています。
頭を持ち上げるための筋肉及び精神運動の発達に役立つうつ伏せですが、親が見ていないときにこの体勢にならないよう、慣れさせるのを防ぐようにしてください。
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- Sleep position: why back is best. Healthy Children [Online] Avaiable at: https://www.healthychildren.org/English/ages-stages/baby/sleep/Pages/Sleep-Position-Why-Back-is-Best.aspx
- Infant sleep position following new AAP guidelines. American Academy of Pediatrics. Pediatrics. 1995 Jul; 96 (1 Pt 1): 69-72.