強制的な愛情:子どもにキスやハグを無理強いしてはいけない訳

強制的な愛情:子どもにキスやハグを無理強いしてはいけない訳
María Alejandra Castro Arbeláez

によってレビューと承認されています。 心理学者 María Alejandra Castro Arbeláez.

によって書かれた Macarena Esperanza Marina

最後の更新: 27 12月, 2022

「叔母さんにキスしてあげて」「おばあちゃんにハグしてあげて」などなど…家族の集まりではこのようなフレーズをよく耳にしますよね。しかし、こうすることで両親にキスやハグを要求されるとひるんでしまう子どもに不快感を与えてしまいます。これが強制的愛情として知られているものです。

しかし、子どもがやりたくないのに、身体的ふれあいや愛情を強制してもよいものなのでしょうか?身体的な限度について、どんなメッセージを送ることになるのでしょうか?強制的愛情?賛成ですか、反対ですか?

強制的愛情:子どもに間違ったメッセージを送っている?

多くの人は強制的愛情に反対です。なぜなら、子どもに本当の気持ちを隠すことを教えてしまうと思われるからです。他にも、強制的愛情は操作的だという意見もあります。しかしそれだけではないのです。

子どもの意思に反して愛情を示すように強いるということは、子どもの身体が子ども自身のものではないと伝えていることになってしまいます。大人は子どもがそうしたくなくても強制的にこどもになにかをさせることができるものなんだと、子どもに教えてしまうのです。

作家のカティア・ヘッターはこの問題をCNNの記事、「子どもの身体を支配しないで」で取り上げています。彼女が言うには、強制的愛情ー子どもの意思に反して誰かに触れさせることーは、児童虐待に陥りやすくなるそうです。

子どもの身体を支配しないで

これはありえない誇大表現だと思われるかもしれませんが、子ども心理学からもヘッターの理論を支持する声があがっています。ニコール・Mは、子どもに愛情表現をするよう強制してしまうと、「子どもの安全地帯に土足であがりこむことになり、子どもは誰にでも不快な空間に入ることを許してしまうようになる」と主張しています。

「子どもは不快に感じるのであれば、決して触れられるべきではありません。それが家族の一員だとしてもです。誰かに強制的にキスをさせられるべきでもありません。子どものキスやハグは自分自身のもので、義務ではありません。子供がいつ誰に愛情を示すかは自分で選ぶことができ、私たち大人はそれを尊重しなければなりません。子どもの身体は子ども自身のもので、決断も自分のものなのです。」-カティア・ヘッター-

CNNの専門家は、子どもに自分の意思に反して愛情表現を強いると、子どもが青少年になってからも影響があるとしています。「子どもが触れたくない大人に対してキスやハグをするよう命令されることは、あなたや権力を持っている人や、実のところ誰に対しても、自分の身体をその人たちを喜ばせるために使うよう教えてしまっているのです。」とヘッターは書いています。

この状況に対処するには

子どもの見本になることよりいいことなどあるでしょうか。大人に対して、子どもに近寄ったりなにかを無理強いさせたりしないよう頼むことを恥ずかしがらないでください。これに関連して、こういった大人たちよりも子どもの気持ちを常に尊重、優先するようにしましょう。

大人が健康的なリミットを設定してあげられるかがキーになります。もちろん、そのリミットは子どもの他人との関係に合わせて設定します。しかし、子どもには慣れる時間が必要だということを忘れてはいけません。子どもを決して嫌な気持ちにさせたり、からかったりしてはいけません。他の人にもそのようなことをさせないようにしましょう。

子どもに自分の身体を尊重するよう教えましょう

子どもに自分の身体を尊重するよう教えることは何よりも重要です。そうするためには、他人がパーソナルスペースに入ってくる際のリミットを学ぶ必要があります。

子どもたちは、それが不快に感じるならば誰かに自分を触れさせるべきではないということを理解することが必要です。さらに、子どもたちは自分の身体について自分で決断する権利があるのだということも理解するべきです。子ども自身が、誰がパーソナルスペースに入ることが許されるのかを決定するのです。

子どもが自由に決定していいのだと感じることが重要です。子どもたちが、誰かにキスやハグをしたいかどうかを決める力を持っているのだということを説明してあげなければなりません。

こういった行動が強制的だと感じることはあってはなりません。むしろ、子どもたちに自分自身の感情や直感に耳を傾けるよう教える必要があります。これはとても重要なスタート地点です。

自分の身体を尊重させましょう

傷ついてしまった親戚に対処するには

愛情表現を拒否することを、無作法のカテゴリーに入れてはいけません。それを尊敬やマナーの欠如ととらえてはならないのです。

カティア・ヘッターは子どもは良いマナーを示し敬意を払いつつ、パーソナルリミットを維持することが可能なのだと明確に言っています。「マナー(ほかの人に尊敬と思いやりをもって接すること)は、愛情表現を身体ですることを要求することとは違うのです。」

最初のステップは、周りの人に自分たちのポリシーを説明しておくことです。そうすれば、この立場を受け入れようとしてくれるでしょう。この意思決定には努力が必要になるでしょう。しかし、お子さんが本当に愛情を表現してくれた時は、みんなそのありがたさがわかることになります。

もうおわかりのように、他の人に子どもが愛情を表現しないからといって、不満を感じたりイライラする理由は全くありません。疑問を持つ人には話をし、お子さんには他のより快適に感じる挨拶の仕方を教えてあげさえすればよいのです。子どもにプレッシャーを与えるのではなく、むしろポジティブな解決法に向かって一緒に頑張るということなのです。

あなたはどうでしょう。強制的愛情について今どのようなスタンスでしょうか。この記事の情報に対してどんな意見を持ちましたか。日常の不快な出来事に対しなにか解決法を見出すことができたでしょうか。


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