怒りの箱:負の感情をコントロールするためのツール

怒りの箱のおかげで、子どもは自分で制御できない有害な感情に対峙することができます。
怒りの箱:負の感情をコントロールするためのツール
María Alejandra Castro Arbeláez

によって書かれ、確認されています。 心理学者 María Alejandra Castro Arbeláez.

最後の更新: 13 12月, 2018

信じられないかもしれませんが、怒りは実はプラスなものに変えることができるのです。怒りの箱は、子どものかんしゃくをコントロールするためのツールであり、これを可能にするしかけでもあります。

その結果、素晴らしい良心と自制心を持った子どもを育てることができるでしょう。

まず子どもは2歳から自分の気持ちを認識し始めます。

自分の自立性に気づき、それを楽しもうとします。そして、能力がないためか、あるいは許可されていないためにそれができないと、不満を感じ、爆発してしまいます。親ならみんな経験があるでしょう。

子どもがコントロールを失うと、かんしゃくを起こします。足をばたつかせ、泣きわめき、その結果どうなるかはあなたの対応次第です。

火山の噴火

子どもが幼いときには、自分の感情をまだコントロールすることができません。

感情を制限している前頭前皮質が、いまだ未成熟です。その結果、子どもが火山の噴火のような爆発を起こしてしまうことは普通のことです。

親は、このようなかんしゃくに対し、心の準備をしておかなければなりません。すぐに、子どもは自分で答えが出せるようになります。

かんしゃくを起こせば、自分の欲しいものが手に入ると思ってしまうと、かんしゃくを起こさないようにしようとはしません。

最も良いのは、すぐに行動を起こすことであり、怒りの箱はその役に立つことでしょう。

怒りの箱の使い方

怒りにはより多くの自制心が必要

心理学者のマリア・マーティンが、かんしゃくをコントロールするためのツールとして、怒りの箱を考え出しました。

怒りの箱は、子どもが自制心を最も必要とする感情の一つである怒りの方向を変えるのに役立ちます。

怒りは防御メカニズムだと考えられています。人が身体的あるいは心理的な脅威に直面した時、怒りが表れその脅威を破壊しようとするのです。
子どもの怒りを分析し、子どもがなぜ脅かされているのかを理解し、問題に対峙することが戦略の一部になります。

なんてひどいかんしゃく!

怒りの箱は、ミレイユ・ダランセの「なんてひどいかんしゃく!」という、ロバート少年について描かれた絵本にヒントを得ています。

この絵本は、ロバートの毎日の中の、ついてない日のお話です。夜、学校でも家でも嫌なことが続いたロバートは、怒りが爆発してまいます。

巨大な怪物がロバートをコントロールし、手当たり次第に周りのものを破壊してしまうのです。

怪物が消える時

しかし、ロバートは自分の行動を反省し、壊したものを元に戻そうとします。ベッドを直し、本を整頓し、床に放り投げたランプやおもちゃを拾います。

それをしているときに、怪物が消え始め、怒りも薄れていることに気が付きます。

同時に、自分が起こした全てのダメージに気づき始めます。今や、彼の怒りは箱におさまるくらいの大きさになりました。

ロバートは、怒りをなにかプラスのものに変化させたのです。

まず、自分が怒りと対峙することができるということを学びました。そして、怪物に自分をコントロールさせることは、自分にとってもまわりにとっても良くないことがということがわかりました。

このお話の教訓は、怒りを避けるのではなく、怒りを理解し、それと対峙できるようになるというところにあります。

怒りを理解し対峙すること 負の感情をコントロールする

ツールとしての怒りの箱

怒りの箱は、絵を描くことを通して、子どもが自分の感情を理解するのに役立つリラクゼーション・テクニックです。

また、自分の気持ちが自分や自分の家族へ与える影響についても描き出します。

らくがきをして発散

ロバートの話を読んだ後、お子さんに紙とクレヨン、マーカーなどを渡します。

自分の衝動やインスピレーションのままに、子どもにらくがきを描かせます。リラックスするまで続けます。

子どもが描き終わったら、この作戦をおもしろくするときです。

お子さんが描いた絵に、目、腕、足を書き加えるよう頼んでみましょう。そうすることで、モンスターにアイデンティティが生まれ、子どもが感情を認識することができるようになります。

子どもの絵に最後の仕上げを加えたら、紙をくしゃくしゃにして、箱の中に詰めましょう。箱を固く閉じたら、怪物は出てくることができません。

怪物に勝利

怒りの箱のおかげで、子どもは自分で制御できない有害な感情に対峙することができます。

絵を描けば描くほど、より多くの怪物を服従させることができます。これは子どもにとっては勝利です。なぜなら、子どもは怒りのコントロール方法と、怪物の倒し方を学んだことになるからです。

子どもが不満を感じたり怒りを感じるたりするたびに、新しい怪物の絵を描き、それを箱の中にしまうことができます。少しずつ、子どもはコントロールを取り戻し、否定的な感情を肯定的なものへ変えることができるようになります。

それぞれの絵で、怪物はいろいろな色や形をしていることでしょう。親は子どもの異なるらくがきを子どもと一緒に観察し、毎回子どもがどう感じていたかを話し合いましょう。

怒りの箱は、怒りをコントロールするのに役立つツールです。それは態度を変えようとするものではなく、不愉快な状況を改善し、子どもを落ち着かせるためのものなのです。


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