子宮内胎児発育遅延について:その種類と診断方法
妊娠というのは、女性の人生の中でも嬉しい時期と言えるでしょう。しかし妊娠にまつわる心配や危険もあります。発生する可能性のある状態の一つが、子宮内胎児発育遅延です。
発症率は少ないものの、これについて知っておくことは重要です。この症状によって胎児は平均以下の体重にしか達しません。
以下、この問題を引き起こす要因と、子宮内胎児発育遅延の赤ちゃんの様子についてお話します。
子宮内胎児発育遅延について
この問題はIUGRとも呼ばれていて、赤ちゃんの成長が正常な基準以下になってしまう病状です。この状態の赤ちゃんは小さいだけでなく、子宮内での成長速度も遅くなっていることを付け加えておきます。
発育遅延の結果として、出産体重が低い事と出産時の合併症などがあります。低出産体重とは、2500g未満のことを意味します。
子宮内胎児発育遅延の種類
子宮内胎児発育遅延の分類は、基本的に遅延を引き起こした原因に依ります。そこで赤ちゃんの染色体異常などが原因である、早発型子宮内胎児発育遅延(均衡型)となります。
その場合、胎児の身体全体、手足、お腹、頭も含めたすべての成長が遅くなります。
遅発型子宮内胎児発育遅延(不均衡型)は、通常胎盤での異常が原因で起こります。このケースでは、頭部は正常に発達し、腹部と手足が小さいままになります。
同様に、混合型の子宮内胎児発育遅延もあります。この場合、原因不明の病態となります。ここで重要なのは、小さい胎児がすべて例外なくIUGRという訳ではないということです。
そこで遺伝的な要因は、ここでは外して考えていきましょう。例えば、両親が小さい場合は、もちろん赤ちゃんも小さい可能性があります。それから赤ちゃんが小さいのは、他の病気のせいかもしれません。
子宮内胎児発育遅延の原因
この疾患の原因には様々なものがあります。一般的には、胎盤の機能不良に関係あります。この母親と胎児を結び付ける臓器は、赤ちゃんが必要とする栄養を送る役割があります。
しかし胎盤がしっかり機能しないと、子宮内胎児発育遅延を引き起こします。その他の要因によってこの状態を引き起こすこともあるので、以下詳しく見ていきましょう。
環境的な条件
妊婦が住む場所の標高が高いと、小さな赤ちゃんが生まれる傾向があると専門家は見ています。
これは高所では空気中の酸素量が少ないためという可能性があります。同様に環境汚染のひどい都市に住む母親にも、同じようなことが起こります。
「子宮内胎児発育遅延とは、赤ちゃんの成長が正常な基準以下になってしまう病状です。」
危険な習慣が原因
子宮内胎児発育遅延のもう一つの原因は、妊娠中の喫煙、薬物やアルコールの乱用など、母親の有害な習慣です。これらの中毒は、赤ちゃんの低出産体重のような深刻な結果をもたらします。
病気が原因
動脈高血圧症、心臓病、代謝異常などの病気が原因の場合もあります。これらはどの疾患も、胎盤に送られる酸素やビタミン/ミネラルの量が減少してしまいます。その結果胎児は正常に発達することができなくなり、IUGRを患うことになります。
そして母親が服薬治療をしているとなると、さらにIUGRの危険が高まります。同様に、栄養不足、過労、情報不足によっても、低出産体重を引き起こします。
その他の原因
子宮内胎児発育遅延のその他の原因として、ダウン症やターナー症候群などの遺伝子の異常も挙げられます。胎児の器官奇形、子宮内の感染、さらに多胎妊娠によりIUGRになることもあります。
子宮内胎児発育遅延の診断方法
この疾患が診断されると、妊婦は出産前の管理とエコー検査が必要です。これで胎盤に血液が正しく行きわたっているかどうか、そして胎盤の機能具合も確認することができます。
これらの診察はごく簡単で、特に危険もないので大丈夫です。後の合併症などを防止するための基本的な検査となります。
子宮内胎児発育遅延の完治
大抵の場合、この状態の赤ちゃんは出産後早いうちに治ります。胎児の体重によっては、自力で栄養摂取して充分な体重になるまで、保育器に入るよう医師に勧められるかもしれません。
最後に結論として、子宮内胎児発育遅延は妊娠中どの段階でも起こり得る状態です。
その原因は様々ですが、この先の見通しが良くなることも可能です。できるだけ医師の指示に従って、母親がしっかりと妊娠管理を行うことが求められます。