【赤ちゃんの睡眠パターン】成長と共にどう変化する?
赤ちゃんは成長と共に睡眠パターンが変化します。睡眠が十分に取れていないと赤ちゃんの心身の健康だけでなく、家族にも影響をもたらすことになります。
子育てをした人であれば眠れない夜が続いたことをはっきりと覚えていることでしょう。子育て真っ盛りの人は一晩でいいから熟睡したいと思うかもしれませんが、赤ちゃんと子どもの睡眠は成長するにつれて変わってきます。
乳幼児の睡眠パターンの変化はなぜ起こるのでしょうか。また、赤ちゃんや子どもに適切な睡眠時間とは何時間なのでしょうか。今回はそんな疑問に答えていきます。
赤ちゃんの睡眠は成長と共に変化する
何度もお伝えしていますが、赤ちゃんの睡眠は成長で変化します。生後0~4ヶ月の赤ちゃんはまだ眠ることを覚える必要があるので、例えば生後3ヶ月の赤ちゃんは7歳児のように眠ることはできません。赤ちゃんと子どもではニーズが異なるので睡眠も異なってきます。
睡眠をコントロールしているのはサーカディアンリズム(概日リズム)と呼ばれ、必要とするメラトニンの量を調整するだけでなく、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌量も制御します。サーカディアンリズムは光による明暗(昼と夜)で調整され、細胞の再生や脳の活動などにも重要な役割を果たしています。
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生後4ヶ月未満の赤ちゃんは、まだ昼と夜の区別がつかないので日光の影響を受けるサーカディアンリズムは機能しません。赤ちゃんが眠りにつくために必要な睡眠パターンがまだできていないのです。これはもう少し後になってから発達してきます。
生後数ヶ月の赤ちゃんはどのように眠るの?
生後4ヶ月までの赤ちゃんは、お腹が空いた、のどが渇いた、不快感があるなどの理由で目を覚まし、満たされると眠ります。睡眠サイクルは通常40~50分程度です。
サーカディアンリズムが形成され睡眠パターンができてくるのは生後4ヶ月頃からです。睡眠は、レム睡眠1回とノンレム睡眠4回の計5回から成り、睡眠サイクルは90分~120分です。
この時期に睡眠パターンが確立され、親としてはこれを維持して欲しいものです。この時点から、子どもが1日に必要とする睡眠時間は成長と共に少しずつ減っていきます。
年齢に応じた睡眠時間とは?
大人と同じように、必要な睡眠時間が確保できていないと子どもはイライラしやすくなったり、集中力が低下したり、あらゆる作業をするときの能力が低下したりします。
そこで、親として一番気になるのは子どもが成長していく上で必要な睡眠時間は何時間なのかということです。ここからは米国小児科学会の情報を参考にしながらお答えしていきます。
新生児の睡眠
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだあらゆる面で発達しているため1日に何時間も眠る必要があります。昼も夜も寝ることができ、1日17時間以上眠ることができます。
生後4ヶ月~12ヶ月
この時期の赤ちゃんは、1日に12時間から16時間の睡眠が必要です。
- 生後4ヶ月~5ヶ月は、日中に4時間の睡眠(3回のお昼寝に分ける)
- 生後6ヶ月からは、日中に3時間の睡眠(1日2回のお昼寝)
生後1歳~2歳
お昼寝を含めると、この時期の赤ちゃんは11時間から14時間の睡眠が必要です。この年齢になると、お昼寝の回数は1日1回に減り、1回1.5時間から2時間のお昼寝がいいでしょう。
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3歳~5歳
3歳から5歳までの子どもは10時間から13時間の睡眠が必要で、毎日お昼寝をします。
6歳~12歳
この頃になると、睡眠時間は減り、子どもにもよりますが、1日9時間~12時間の睡眠時間が必要とされています。
思春期
10代の子どもは1日に8時間から10時間の睡眠が必要です。思春期の子どもの睡眠時間をコントロールすることは難しいかもしれませんが、十分な睡眠時間が心身の健康にとってどれほど重要かを説明するようにしましょう。
子どもの睡眠を改善するためのヒント
子どもがぐっすり眠るためには、睡眠習慣をつけることが大切です。すでにお伝えしたように生後4ヶ月以降は睡眠パターンが整い始めるので、この頃から睡眠習慣をつけるようにしましょう。次のことをヒントにしてみてください。
眠る前のベッドタイムルーチンを作る
子どもを寝かせる前に同じルーチンを繰り返すことで子どもはリラックスして寝る準備を始めます。ルーチンの例としては、夕食前にお風呂に入り夕食を食べる。そして、お話を読んでから寝るなどがあります。
規則正しい睡眠生活を維持する
同じ時間に寝て、同じ時間に起きることは重要です。こうすることで、年齢に相応しい睡眠時間を確保することができます。
寝る前はテレビ・タブレット・スマホを使わない
スクリーンデバイスからの光は脳を刺激し、リラックスしにくくします。このようなデバイスを使う代わりに、一緒に話をしたり本を読んだりする時間にしましょう。
睡眠に適した部屋にする
ぐっすりと眠るためには室内の温度・湿度(特にエアコン使用時)、風通し、騒音などに注意し、環境を整えましょう。
お伝えしてきたように、赤ちゃんは成長と共にニーズも変わってくるため睡眠は常に変化します。
今回ご紹介したことはお子さんの睡眠パターンを確立するのに役立つ情報です。お子さんの心身の健康のため、年齢に相応しい睡眠時間をとるようにしましょう。
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