二分脊椎症を持って生まれる赤ちゃん
二分脊椎症は赤ちゃんの脊椎に影響を及ぼした先天性の奇形です。妊娠中に、赤ちゃんの脊柱の形成が脊髄や神経の周りで適切に閉じないことで生じ、それが見た目にも現れます。
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二分脊椎症の症状
脊椎の奇形、二分脊椎症は、身体的、また知的障害を引き起こす可能性があります。二分脊椎症にはいくつか種類があり、症状は様々です。また、以下がその主な違いです。
・開口部のサイズ
・脊柱のどの部分に影響が及んでいるか―位置が高ければ高いほど、深刻です。
・神経や脊髄に影響が及んでいるか
二分脊椎症には3つのタイプがあります:髄膜瘤、脊髄髄膜瘤、潜在性二分脊椎です。
髄膜瘤
髄膜瘤は、脳や骨髄を覆い守る細胞膜、髄膜に影響を与えます。これらが脊椎に形成された開口部をはみ出すと、流体(髄膜)で満たされた嚢が出来ます。
この状態で生まれる赤ちゃんには、脊椎を取り巻く神経にどれだけダメージを与えているかによって、様々な健康障害が現れます。
例えば、筋肉の麻痺、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの学習障害などがあります。
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骨髄髄膜瘤
通常二分脊椎症と言えば、骨髄髄膜瘤を指します。これは最も深刻な奇形で、動けなくなったり、足の感覚が失われるなど、中程度から重度の範囲の障害を引き起こします。
これは骨髄と脊髄の下の部分が脊柱の開口部をはみ出し、流体で満たされた嚢を形成することで起こります。はみ出した嚢は出産中に破裂する可能性があり、脊髄と神経を露出させます。
骨や筋肉にも障害を引き起こします。また、通常この奇形を持つ乳児は、脳内または脳の周りに液体が蓄積した水頭症を患っています。
潜在性二分脊椎
これは二分脊椎症の中でも最も症状の軽いもので、気づかないことすらあります。このタイプの二分脊椎症は名前にも表わされているように、奇形は皮膚の下に隠れていて分かりにくいのです。
ですがたとえ皮膚の下に隠れているとはいえ、あざや皮膚のへこみなどが見られることもあります。体内の骨髄は組織にくっついており、そのため神経には影響がありません。
ほとんどの赤ちゃんの二分脊椎症は、長期にわたって問題になるものではありません。幼少期、または大人になってから見つかるケースすらあります。
「潜在性二分脊椎は通常、障害をもたらしたり長期にわたる問題にはなりません。」
二分脊椎症の原因は?
二分脊椎症の原因は分かっていません。遺伝や環境など、奇形の発生に関する要因を研究する必要があります。
ですが確かなのは、葉酸値の低さが関係しているということです。
二分脊椎症は妊娠の最初の週に現れます。母親が妊娠に気づく前にすでに形成されているのです。
妊娠中に葉酸を摂取(1日400㎎)することで、リスクを低めることが出来ます。ですが、これはこの症状の現れを必ず押さえるというものではありません。
以下のことをおススメします;
・医師と相談をして、最良の治療法を取る:同じ人がこの世に存在しないように、全く同じ妊娠状態の人もいません。母親と赤ちゃんの状態を把握し、個人にあった治療計画を立てる必要があります。
・薬の内容成分について学ぶ:ビタミンやサプリメントなど、何が入っているか確かめてください。妊娠中は、薬に対する反応が変わることもあります。
・体温の管理をする;高熱は二分脊椎症の発現のリスクを高めます。