【思春期の子ども】質問攻めにしない会話を心がける
思春期の子どもを質問攻めにすると、親子の心の距離を広げてしまい、コミュニケーションが難しくなります。その理由は次のようになるでしょう。
あなたが仕事から帰宅したとたんにパートナーがこう聞くとします。「どうだった? プロジェクト提出したの? 会議は延長になった? 仕事帰りに買い物に寄ってくれた?」これを想像するだけで圧倒されてしまいますね。このような質問攻めを私達はなぜ子ども達に向けてしまうのでしょうか?
これは多くの親が犯す間違いであると共に、ついやってしまうのも理解できます。私達は子どもが大丈夫かどうか、勉強や友達関係で困っていないか、子ども達にとって大事な行事について知っておきたいのです。したがって時間や場所を考えずに、大抵の場合それが適切かどうかなどさておいて、子ども達を質問攻めにしてしまいます。
子ども達が幼い頃は、短くてそっけない言葉以外の返事が戻ってくることは滅多にないけれど、まだそれでも大丈夫かもしれません。しかし子ども達が思春期になって、まだこの種の一方的な会話法だけで話しかけていると、中高生は何も言ってくれなくなるでしょう
思春期の子どもを質問攻めにしない理由
時として私達は、我が子が子どもであるだけでなく1人の人間であることを忘れてしまいがちです。職場の人、友人、他の家族と話しているときに、質問をぶつけたり、何か要求したりしませんね。それと同じように、ティーンエイジャーとの会話をスムーズにしたいなら、子ども達を尊重して信頼ある関係を築く努力をしなければなりません。
親が質問攻めにすることで、まず思春期の子ども達を信用していないということを暗黙のうちに示しています。親の権威を掲げて、自分の責任と子どもをコントロールしたいという願望を突き付けてみても、この年齢層の若者はそれを受け入れないことが多いでしょう。
この関係性では、質問して答えを求めて、子どもにその返事を強制しているだけなのです。そこには対話や会話、相互関係が存在しません。実際この人間関係は、どちらかというと上司/部下または警察/容疑者の関係に近いものがあり、愛情を持って助け合いながらお互い寄り添うという2人の人間関係ではありません。
思春期の子ども達はまだ親を必要としている
親の多くは質問攻めにすることがベストではないことを分かっていても、子ども達に何が起こっているのかを探し出す唯一のコミュニケーション法だと思っています。思春期に入ってから子ども達が親との距離を置いたり、1人になりたがったり、友達を優先するようになったと言い張る親がいます。さらに子ども達が親とプライベートな話をしてくれなくなったと言います。
確かに思春期には大きなパラダイムシフトが起きる時期でもあります。家族が子どもの世界の中心であったのが、仲間との友情や社交性が優先されるようになるでしょう。
しかしそれは思春期の子どもが、両親の愛情とアドバイスやサポートを必要としていないという訳ではありません。愛情や信頼に基づいた家族関係はその人のためになり人生を通して必要なものです。思春期という複雑でデリケートな段階においては特に大事になります。
質問攻めにしないで思春期の子どもと近くなるには?
そこで気になるのは、「質問攻めにしないで子ども達と近くなるにはどうしたらいいのか?」ということです。ここでカギとなるのは、愛情をもって和解しながら子どもとの健全な関係を持つことです。子ども達と幼少期からの絆を強めるようにすることもでき、子育ての方法を見直したり変えたりすることが遅すぎることはありません。
まずは、子ども達の話を聞く姿勢を常に持つことが必要です。時には子どもが自発的に体験談を共有してきたり、アドバイスを求めてくることがあるでしょう。そのような瞬間を見逃さずに、自分の五感全てを子どもに向け、必要なときに助けになりたいことを示しましょう。
それと同時に、子ども達を勝手に判断したり、子ども達が心を打ち明けてくれる時に指示したりしないように注意しましょう。子どもが問題や疑問について親に頼ってきたのに、行動が悪いとか判断が間違っているなどと怒られたら、黙りこんでしまい次に何かあっても話してこなくなるでしょう。子ども達にアドバイスはできても、勝手に決めつけてはいけません。サポートしてあげましょう。
最後に子ども達と両方向の自然なコミュニケーションを持つことが重要です。つまり親の方も子ども達に心を開くことです。自分の幼少期について、毎日の生活で何が起こっているかについて会話するようにしましょう。自分の経験や感情を子どもと共有することで、これは相互関係でありお互いを信頼していると子ども達が感じられるようにします。それは親子両方にとって嬉しく、メリットのある経験になることでしょう。
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