子どもの筆記を上達させるための5つの方法を見てみよう
子どもの筆記を上達させるためには、微細運動機能を上達させ、手の動きと視覚を連携させる力も必要です。
鉛筆を使うのはとても簡単な作業に見えますが、実は手先の運動機能と感覚を同時に使う筆記というのは、けして自動的にできるものではないのです。筆記が可能になるには、手の筋肉が充分発達していないといけません。
「精神運動の発達は、全体から一部へ、そして中央部から抹消部へという2つの原則で成り立っています。筋系と運動能力の発達は、まず胴体から始まって肩へと進み、その後手や指の発達に行き着きます。」
– トレーシー・レルー
前述のような正確な運動能力がまだ発達していないと、お子さんの筆記を上達させることができないのは明らかです。そして子どもが適切な方法で鉛筆を持つためには、3本の指で鉛筆を支える力がないといけません。
さらに子どもの筆記を上達させる要素として、なめらかなストロークが書けるようにする必要があります。
大まかな目安として、6歳位になると幼稚園児の5本の指を使って鉛筆をつかむのを卒業して、3本の指で持てるようになってきます。この三脚型の鉛筆の持ち方で以下のような練習をすると、さらに効果的になるでしょう。
子どもの筆記を上達させる要点
1.鉛筆を正しく持つ
まずは、子どもが親指、人差し指、中指の3本の指で鉛筆を持つようにしましょう。
それから子どもの手に合った長さや太さの鉛筆を使うことも重要なポイントです。同時に、鉛筆を持つ指に子どもが力を入れ過ぎない程度に、しっかり持つようにしてください。
2.バランス良く書く
子どもの筆記が雑に見えたり理解しにくい理由は、筆記のバランスが取れていないからです。
きちんと線の入ったノートを使って練習することが大事です。子どもが左右上下の位置を意識しながら書く方が書きやすいでしょう。
3.楽しい方法でやる気が出る練習
子どもの筆記を上達させるには、昔ながらのゲームが役立ちます。点をつなげるゲーム、ABCの練習にはアルファベットスープや単語当てゲームのハングマンなども、楽しみながら鉛筆をうまく使う練習になります。
4.筋群を鍛える
上記のように、子どもの細かい運動機能は筋肉発達に関係しています。そこで指や腕の運動を毎日することがとても重要になります。
簡単な方法として、砂遊びをする、ブロックで遊ぶ、食べる時の箸使い、ぬり絵、はさみで紙を切る、粘土で何か作る、などが練習になります。
5.読書の時間を増やす
読書は想像力や認識力の発達を促すばかりでなく、子どもの筆記にも役立つのです。文字が明確な筆跡で、きれいに並んでいる状態に見慣れることで筆記も分かりやすくなります。
まだ子どもが読めないとしても、文字はどのように見えるか頭にイメージとして残るでしょう。
つまり読書が好きな子どもは、より簡単に文字をまねることができるのです。
その他の子どもの筆記を上達させるための注意
- 何か深刻な問題がないかどうか認識する。筆記に問題がある子どもは、他の学習障害の場合もあります。筆記が雑なのは、文字が覚えられないまたは集中できないことを暗示している可能性もあるでしょう。読解不明の筆記は、勉強に興味がないことを表しているかもしれません。
- 親しいやすくポジティブな環境作り。筆記練習はお仕置きだと子どもに思わせてはいけません。適切な照明がある場所を選び、子どもが正しい姿勢で座って筆記の練習をして、より効果的にこの技術を磨けるようにしましょう。
- あまり子どもにプレッシャーをかけない。忍耐強く落ち着くことで、子どもは安心して力を発揮できます。急がせたり、早くきれいに書くように強制するのは、むしろ逆効果で子どもがいらいらしてしまうでしょう。
- 初歩入門やステンシルを利用する。筆記練習をするための専用ノートやなぞるワークブックが販売されています。プラスティックのステンシルを利用すると、筆記練習をしながら一文字ずつ形を整えるのに役立ちます。さらにこれらの練習にはぬり絵、切り抜き、お絵描きなど、他の細かい運動機能を刺激する作業も含まれます。
- 芸術的能力を刺激する。絵を描いたり彫刻を創ったりするのは創造性を刺激するばかりでなく、手先の調整作業の向上にも役立ちます。何と言っても、各文字を正しい場所に書いていくには、うまく調整する力が根本となっています。
最後に、たくさん練習すれば子どもの筆記を上達させるのは不可能ではありません。子どもに合った方法を利用すれば、筆記練習が面倒なことにならずに、むしろ喜んで見せてくれるようになるはずです。
筆記練習を楽しい時間にして、この大切なスキルを強化し素晴らしい結果を出せるようにしましょう。
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