授業に「ゲーミフィケーション」を取り入れる方法とは?
授業にゲーミフィケーションを取り入れることが教育現場で増々重要になってきました。大事なのは遊びが学習となり、ゲームが生徒の学校体験を大きく変える可能性を持っているということです。
以前にも、ゲームでの学習や子どもの発達の重要性について言及したことがありますが、今回は遊びを利用して、教育環境で子どもを教えることについてご紹介します。
これを実践するには多種の教育法や様々な意見があると思います。そこで、ゲーミフィケーションを取り入れるために、いくつか具体的な手順を見ていきましょう。
授業でのゲーミフィケーション:生徒の評価
問題や弱点を認識する
生徒が分からない所や苦手な部分を見つけると、授業でのゲーミフィケーションの手順を決めるのに役立ちます。その例として、生徒がボーっとしていたり、パワーポイントのプレゼンに注目していない時など、インタラクティブな要素を取り入れることができます。
「オープンワールド」構成のような設定をして、子ども達が自分の道順を選べるようにしてみましょう。そのためには、各スライドの下に線を追加して、生徒が次のスライドを選択できるようにします。
生徒用のアンケートを作る
生徒達が勉強を始める前に、教師や教授は各授業を分析する必要があります。そして生徒達がやる気を出すようにするためのベストな方法を決めましょう。
これは生徒達が遊ぶゲームを理解する、または理解するよう努力することを意図とするべきです。そうして学生のスキルや興味に合わせたゲーミフィケーションを取り入れることができます。
ゲーミフィケーションを利用した学習の目標
教育において遊ぶには、まず明確に定義された学習目標を確定することが必要です。さらに学習の目標には、生徒が教育概念を理解して能力を伸ばすための、行動的目標や行動規範も入っていなければなりません。
一つの例として、特定の日に生徒が特定の能力を習得できるように目標を定めて、具体的な学習内容を設定することができます。行動的目標は、授業中生徒の気が散らないようにして、生徒が集中できるよう励ますことです。
生徒がこれらの目標を意識する必要はなく、教師が目標を明確にしておくと、ゲーミフィケーション体験に役立ちます。
学習におけるゲーム体験の構成
異なるポイントシステムを作成する
生徒の多くにとって、学校生活の中で成績は一番の悩みの種です。その理由から、授業でのゲーミフィケーションでは、利用するポイントシステムを少し変更するべきでしょう。ここでは生徒の間違いではなく、できるようになる子ども達の進歩に注目します。
そこでテストや宿題に関しては、従来の成績のつけ方、または経験値(XP採点方式)を利用することもできます。さらにオプション課題、授業への参加、他にも生徒が学ぶための努力などに対して、それを評価することもできるでしょう。
例:成績でB⁺を取った生徒は7500XPを保持する。このポイントは、それまでのコースや学期に累積されたポイントに追加されます。この方法だと、生徒にはっきりとした基準点がわかり、これまでにどの位学習して達成したか知ることができます。
ゲーミフィケーションの要素によって、生徒と先生が成績を理解するのに役立ちます。100%の満点からどんどん減点するのではなく、生徒はゼロXPから始めてそこから上がっていきます。つまり、ポイントを失う代わりに、子ども達は経験を得るのです。
設定する段階
教育的課題や教科書の各章があることで、教師や教授には教育内容が明確に区分されます。しかし生徒は、ゲームのように段階やレベルをクリアする、というように理解した方が明確になるでしょう。一つのレベルを制覇して次のレベルへ進むためには、生徒は一定のチャレンジをこなさなければいけません。
そのためにも、必須項目のように具体的な課題を決めて、生徒がレベルアップのために満たす条件を設定します。宿題を忘れたり授業や試験に参加していないと、次の課題をこなす準備ができていないので、次の段階には進むことができません。
授業でのゲーミフィケーション:適切な教育資源
マニュアルを作成してチーム指導
ゲーミフィケーション学習を生徒に紹介するには、使用マニュアルを作成して渡すと良いでしょう。デジタル形式でも紙の説明書でも、使用マニュアルというのは事実上どのゲームにも欠かせません。マニュアルはゲームのルールや進歩方法を説明し、またゲームのコツや極秘情報が載っていることもあります。
教育版のマニュアルには、例として次のような情報を載せると良いでしょう。
- 学習段階の仕組み
- 生徒の課題の種類
- 新たな経験値採点法(XPポイントを獲得する方法を含む。)
- ポイントを貯める方法と報酬の種類
これで生徒もはっきりとした基準を理解できます。さらに、この楽しい学習環境で成功するには何をすべきなのか、きちんと伝わります。
一目でわかる進捗状況
生徒がどのように進歩したか、視覚的に分かるようにしましょう。学期の始まりからこれまでの達成を確認できると、教室でゲーミフィケーションを利用する際の社会的要素という意味でも重要です。生徒達の間でコミュニティーという感覚が生まれるようになるでしょう。
これを達成するには棒グラフを作り、各生徒が取得したスキルの進捗状況を表示します。生徒がテストや宿題などのポイントを獲得する度に、棒グラフに新しいXPポイントを更新することができます。
報酬を与える
遊びと学習を組み合わせて、生徒を動機づけるには、報酬について考えなければなりません。ゲーミフィケーション教育の研究によると、報酬システムによって生徒は自分の達成を認識して、もっと頑張ろうと思うものです。
現代のビデオゲームのほとんどに、この共通のシステムが導入されています。プレイヤーは一定のゲームを完了するとトロフィーなどを受け取ります。難しいゲーム内容をこなすと、それだけ価値ある報酬がもらえるのです。
学校での報酬の場合、生徒がきちんと宿題を終えたら、小さな勲章やバッジを与えるのも良いでしょう。
コース全般において学習内容を達成し、積極的に参加した生徒には、大きな勲章を与えて表彰します。これで生徒が努力するよう励まして、動機づけることになり、その先の学業成就や進学につながっていくでしょう。
授業でのゲーミフィケーションの結論
最近ではゲーム要素を授業に導入すると、生徒がそれを喜んで、より積極的に参加するという成功例が見られます。ごく自然に手元にあるゲームに興味を持ち、自動的にルールや仕組みを理解し尊重できるようになるのです。
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- Karl Kapp (2012). The Gamification of Learning and Instruction. ASTD. San Francisco.
- T. W. Malone (1981). What makes things fun to learn? A study of intrinsically motivating computer games. Pipeline.