ロタウイルスとは?その症状と治療法について見てみよう!
「ロタウイルスって何ですか?」とは、腸に問題を抱える生後6ヶ月〜5歳までの子どもを持つ母親がよく尋ねる質問です。
この非常に感染力の高い疾患は、下痢、脱水症状、嘔吐、および発熱を引き起こす胃腸炎として知られる感染症と関連しています。
ロタウイルスとは?
ロタウイルスは、新生児や哺乳類の授乳中の赤ちゃんの胃腸系に影響を及ぼす、レオウイルス科のRNAウイルスに分類されます。
伝染力が非常に強いこのウイルスは、VP6(構造タンパク質群)をアルファベットによって6つのグループに分類され、グループA、B、およびCはヒトで発症します。タイプAは、子どもに最も激しい症状を引き起こします。
このウイルスは、糞口経路で感染し、5歳になるまでに1度は感染すると推定されています。
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ロタウイルスの感染経路
ロタウイルスは、糞口経路で感染します。空気中の感染性粒子が呼吸で気道に吸い込まれたり、何かの表面についたウイルスに触れることで口に入ることもあります。 おもちゃのようなものも感染経路になり得ます。
ロタウイルスは安定性を保ったままあらゆるところにいるので、洗浄によって根絶することは無理に近いです。非常に衛生的な空間でさえ生き残ることのできるウイルスです。
ウイルスが体内に侵入すると、約2日間の潜伏期間を経て 胃腸炎(乳幼児下痢症)が3〜8日間続きます。
ロタウイルスの症状
症状は患者によってそれぞれで深刻度も変わります。しかし、ウイルスに感染したほとんどの子どもが、以下の症状を訴えます。
- 水のような下痢
- 発熱
- 嘔吐
- 胃痛
- 呼吸系に問題が出ることも有り
- 子どもの熱が極端に高い場合、痙攣が起こることも有り。
- 脱水症状。この症状が出る子どもは、まるで緊張していたり、興奮している様子を見せたり、喉が渇き目がうつろになり、尿があまり出ずに粘膜が渇きます。
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ご留意いただきたいのが、ロタウイルスとはしばしばノロウイルスと混同される、という点です。ノロウイルスは似たような腸感染症ですが、それほど重症ではありません。いずれにせよ、確実な診断を下す唯一の方法は、検便によるものです。
ロタウイルスの治療法
治療法は、小児科医の判断と子どもの重症度によって変わります。主な推奨事項は、電解質レベルを維持するために、塩分と糖分を含む飲み物で水分補給することです。
症状が極端な場合、特に患者が子どもの場合、点滴や経鼻胃管を通して投薬することがあります。これが必要なのは、体が口からは液体を受け付けない場合です。
また、授乳中の赤ちゃんでも、食事ができるような子どもでも、数時間の水分補給の後は食事をすることが勧められます。状況に応じて、スライスしたフルーツ、ヨーグルト、シリアルなどを試してください。
ワクチン
ワクチン接種は、ロタウイルスと戦うためにもう1つの方法です。主に乳児を対象とする2種類のワクチンがあり、低用量の経口投薬なので非常に簡単に接種できます。
他の子から移ることが多いので、保育園に通う2歳未満の子どもに接種が推奨されます。子どもたちがおもちゃなどを共有しながらお互いに常に接触するために、移りやすいのです。
最後に、今回ご紹介した症状が1つでもあれば、すぐにかかりつけの医師に相談してください。それから、医師の判断で検便してもらえることでしょう。
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