「アライク」:創造性の大切さについてのショートフィルム
「アライク」はスペインのアニメ映像で、全世界の人が観るべきものです。ラガ・カノ・メンデスとダニエル・マルティネス・ララによって製作され、数えきれない賞を受賞しています。その中には2016年のベスト・ショートフィルムに送られるゴヤ賞などがあります。
このような称賛を受けたのは、創造性がいかに重要であるかということと、それが年と共にいかに消えていってしまうかを優れた方法で描かれているためです。創造性が消えてしまうのは単調でつまらない社会のせいだとしています。
この記事では、この素晴らしい映像の簡単なあらすじをご紹介します。この映像の価値を本当に理解するためには、ご自身で観てみることをお勧めします。まだ観たことがなかったら、ぜひチェックしてみてくださいね。
「クリエイティブな大人は生き残った子どもだ。」
―アーシュラ・K・ル=グイン―
創造性とは何か?
創造性の重要性について詳しく話していく前に、その概念を定義づける必要があります。心理学者のジョイ・ポール・ギルフォードによれば、創造性とは以下の3つの適性があることを指すようです。
- 流動性:一つの問題に対して様々な解決法を見つける能力。
- 柔軟性:状況を異なる視点から見て、独創的な解決法を提案する能力。
- 独自性:人と違う、普通ではない方法で考えること。
© Pepe School Land
実際、多重知能理論の提唱者であるハワード・ガードナーは、8つの知性のそれぞれが内部で創造性を表現していると仮定しています。ですので、子どもの適切な認知発達がとても重要なのです。
そこで、以下のようなものを通して、子どもが自分のイマジネーションを表現するのを促してあげることが大切です:
- 音楽
- 絵画やお絵かき
- 遊び
- ダンス
- ものを書くこと
- 工作
- 演劇
「創造性は明らかなもの、安全なもの、予期できるものから遠ざかり、何か新しいものを作り出すということだ。」
―ジョイ・ポール・ギルフォード―
「アライク」:創造性の大切さに関するショートフィルム
「アライク」は、私たちの目に見える形で、憂鬱で退屈な社会を描くことで私たちに悲しい現実を見せてくれます。この社会では、人々は平凡な繰り替えし作業を行うだけの毎日を生きています。この物語に出てくる若い主人公は、この色のない単調な生活の中でうまくやっていこうとしますが、彼の世界についての理解とは相いれないのです。
その結果、彼の創造性は罪として罰せられ、最終的には希望も夢も失ってしまいます。彼は現在の標準状態を受け入れ、群れの中のヒツジの一匹になるのです。幸い、この少年の父親が異変に気が付きます。息子が以前のように生き生きと楽しそうにしなくなったことに。
そこで、父親はこの深刻な問題にある解決法を提案します。そうすることで、色で満ちた人生を送るには、自分は創造的でいる必要があるんだということを息子に気づかせ、幸せな人生への道を示してあげたのです。
© Pepe School Land
「教育は、ほとんどの人にとって社会の典型的な大人に子どもを似せようとするものだ。しかし、私だけにとっては教育とはクリエーターを作ることを意味する…発明家や革新者を作るべきなのであって、むやみな順応者を作るべきではない。」
―ジャン・ピアジェ―
映像から導く結論
このショートフィルムのおかげで、親や教育者は子どもの創造性の重要さについてしっかりと考えることができます。この創造性を後押ししてあげ、それが決して死んでしまわないようにするのは私たちの責任なのです。
特に先生は学校に行くことを、学業的な能力を発達させるため以上のものにできるよう最善を尽くさなければなりません。むしろ、創造的、社会的、感情的な能力の発達を取り入れるべきなのです。
同時に家庭でも、子どもに自分の考えやアイディアをアートやイマジネーションを通して自由に表現させてあげなければなりません。子ども自身の本質や独自の個人的なアイデンティティを子どもが失わないようにしなければならないのです。
人は一人一人みんな違っていて、健全でバランスのとれた社会を作りそれを豊かにするには、そのことが欠かせないのだということを私たちが理解する必要があります。結局、創造性のない世界は退屈で何の意味もないのですから。
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- Curtis, J., Demos, G. y Torrance, E. (1976). Implicaciones educativas de la creatividad. Madrid: Anaya.