議論を呼ぶ制服:そのメリットとデメリットについて
保護者や教育関係者の間で制服に関する論議が色々と続いてきました。子どもが学校へ行く時に決められた服を着ていくのは良いことなのでしょうか。
その結論にまだ達していないのであれば、せひこの記事を参考にしてください。制服のメリットとデメリットについて説明していきます。
制服のメリット
まずは学校が制服を規定する際のメリットについて見ていきましょう。制服は伝統ある学校に所属する感覚をもたらし、また社会的地位や名門校を意味することもあります。
子どもが制服を着るメリットには、次のようなことが挙げられます。
1.平等
これは制服賛成派が最も言いそうな意見です。それは制服だと生徒みんなが同じ服を着ることになるからです。
これで「流行らないデザイン」だとからかわれたり、昨シーズンの服などとバカにされたり、いじめの原因にはならないでしょう。
2.所属感
学校が制服着用を決める理由の一つとして、生徒が所属している意識を高めるというのが挙げられます。これは特に新しいことではありませんが、何世紀にも渡って奨励されてきました。
服、勲章、色などによって、ある種の「家」や教育機関に所属するということは、誇りや威厳を与え、一個人を超えて大きなグループの一部であると感じることができます。
3.実用性
制服を着る子どもの親は、実用的な生活ができることでしょう。それはいちいち出かけて、学校に行くための服を買う必要がないからです。
さらに多くの場合、兄弟姉妹の間で制服のお下がりを着回せるという利点もあります。これで両親にとってお金と時間の節約になります。
その他の制服のメリットは、一年を通して同じものを着るので、季節が変わるごとに新しい服を買う必要がありません。
4.校則
教室内で子ども達が集中できない話はよく聞かれますが、衣服のせいで気が散ってしまうこともあります。子ども同士で見た目を比べたりしなければ、もっと授業に集中できるようになるでしょう。
校則として制服の着用が決まっているのは、利点の一つとなります。制服を着ている生徒たちは、より規律正しいと言われています。少なくとも悪いことをする前に、一度立ち止まって考えてみるようです。
おそろいの服というのは、規範に合っているという意味合いもあります。警察官の制服や、スポーツチームのユニフォームにも同じことが言えます。
「制服は伝統ある学校に所属する感覚をもたらし、また社会的地位や名門校を意味することもあります。」
制服のデメリット
もちろん学校を決める前に、制服のデメリットについても見ておくことが大事です。制服反対の意見には、次のような理由が挙げられます。
1.値段
学校の制服を購入するのは、自宅や外で着る私服に比べてより高価になります。これは子どもが成長して、学年の途中で制服を更新しなければいけなくなる場合、特にそうなります。多くの家庭で、制服を買うためのお金の余裕があまりないかもしれません。
2.自由がない
制服を強制する学校は、子どもの自主性を奪ってしまうことになるので、子どもをそこに通わせないようにする親もいるでしょう。学校全体を「均一化」しようとするのは、子ども達が個人的な考え方を持ちにくくなります。子どもは自分の洋服を決める機会も与えられず、それぞれの個人差を楽しむこともできません。
3.性差別
両親によっては、学校で制服を強制するのは性差別であり、古い考え方だと指摘する人もいるでしょう。女の子はスカートをはいて、男の子はズボンを着用するよう強制するのは、前向きの社会とは言えず、過去のやり方です。
同時に制服が変えられない学校もあるので、特に冬は不公平になることもあるでしょう。寒い冬の季節でも、女の子はずっとスカートをはかなければいけないのです。同じように、暖かい季節になっても、男の子は長ズボンをはき続けるのです。
4.危険性
最後に付け加えておきたいのは、制服が危険な場合もあります。制服の一部としてネクタイがある場合は、休み時間やそれ以外のいつでも子どもに危険なこともあるでしょう。
また制服のせいで、お子さんが通う学校がどこにあるか明確になってしまいます。通行人の誰でも、お子さんの学校が分かってしまいます。制服を着た子どもの写真がインターネットに投稿されると、同じような危険があるでしょう。今の時代、誰もがその情報をアクセスできるという危険もあります。
これで制服のメリットとデメリットについて分かったので、どの学校に通うか家族で決めることができますね。
子どもが何を着るかによって、聞き分けが良くなるか決まるものではない事も覚えておいてください。制服によってもっと勉強するとか、クラスメートと仲良くするかどうかなど関係ありません。
結局のところ価値観というのは、子どもが学校、家庭、体育の時間、出かけ先で着用するものとは無関係です。価値観は家庭で親から子どもにしっかり伝えるものであって、学校にその責任はないのです。
子どもが通う学校を決めるには、じっくり考えてください。何よりも、学校の校風や学習内容など、教育の質に基いて、学校を決めるべきです。