兄弟や姉妹間のライバル心と愛情:親への影響を見てみましょう

兄弟や姉妹の関係性は一生を通して本当に大切なものです。ですので、このことについて子どもを教育することが、親としての主な役目の一つでしょう。
兄弟や姉妹間のライバル心と愛情:親への影響を見てみましょう
Natalia Cobos Serrano

によって書かれ、確認されています。 社会教育者 Natalia Cobos Serrano.

最後の更新: 27 12月, 2022

兄弟や姉妹間のライバル心というのは、親にとっては大きな心配事にもなりうる家族の問題です。兄弟や姉妹の関係性が非常に重要なものだということは間違いありません。これは仲が良い場合も悪い場合もそうです。

兄弟や姉妹の関係性が暖かくポジティブだと学習の発達で重要な意味があるだけではありません。それは人が持つことのできる中で最も特別でかけがえのない人間関係の一つにもなるのです。

子どもや若者のライバル心と愛情

兄弟や姉妹間のライバル心

家族の関係は新しい兄弟や姉妹がやってくることで確実に変わります。この変化は年上の子に大きな影響を与えます。

新しい赤ちゃんがやってくると、上の子は親へのアタッチメント行動を変えるかもしれません。一般的に、アタッチメント行動が増え、新しい家族の一員に対して一定のライバル心を抱きます。

授乳期間中、特に最初の数か月は母親にとって疲労がたまり睡眠習慣が乱される期間です。この時期母親が疲労しきってしまって、そのために年上の子との関係に影響が出てしまうのです。

自然と、上の子は以前と同じだけの時間、忍耐、エネルギーを割いてもらえなくなります。その結果上の子は自分が失ったテリトリーを取り戻そうと、要求を増やす傾向にあるのです。

兄弟 姉妹 ライバル心 愛情

新生児の誕生とともに、上の子への親の見方もまた変わるかもしれません。上の子に対する要求が増え、それとともに罰を与えることも増えます。この現実に直面することで、上の子は嫉妬を感じ始めます。

嫉妬は親に対して良くない反応をしたり、反抗したりすることで表に出てくるかもしれません。例えばご飯を食べたくないとか学校に行きたくないと言ったり、嘔吐したり睡眠に問題が出たりします。

しかし、新しい弟や妹に対する行動は相反する傾向にあります。弟や妹を受け入れる(ハグやキス)一方、拒絶する(攻撃性を示す)かもしれないのです。

児童心理学者のタリア・ヴェラスコによれば、この相反する行為は2つの矛盾する感情の反映だそうです。上の子は嫉妬を感じる一方、自分の弟や妹との間に強い愛情の絆も感じるのです。

思春期の兄弟・姉妹間のライバル心

思春期がやってきたときにも、衝突が訪れるかもしれません。これは子ども時代に愛情深く平和な関係を築いてきた場合にも起こりえます。

このように兄弟や姉妹間に距離ができてしまう原因は、家族という関係性の中でどんどん自立性や親密性を求めるようになることと関係があります。また、年上の子が思春期に入って興味関心が異なることで兄弟や姉妹間の力学も変わります。

多くのケースで、思春期に入った子は下の子と関わったり遊んだりしたがらなくなります。しかし、下の子は上の子の注意を引こうとし、それが上の子にとってはイライラの原因となったりするのです。

兄弟や姉妹間の愛情

嫉妬やライバル心が子ども時代に現れることはよくあることです。しかし、少しずつ特別な関係性を築き始めます。この関係性は親との関係性とは大きく違います。

さらに、子ども時代に愛情深い関係性を築いていれば、思春期に出てくるライバル心も徐々に消えていきます。

兄弟や姉妹は一生を通してとても多くの時間を一緒に過ごします。近しい関係性という意味では、この兄弟・姉妹の関係性は最も長続きするものの一つでしょう。その中でたくさんの幸せな瞬間や辛い瞬間を共有します。

メアリー・エインスワースは、兄弟や姉妹の間の絆に関して以下のような観察をしています。

  • 上の子は母親と似ているケアを下の子に与えます。
  • 兄弟や姉妹は親のいない時に互いを助け合い、慰め合います。
  • 兄弟や姉妹は互いを知りあう基礎になります。
  • 兄弟や姉妹がいると、短い間一人になることに関する不安が無くなります。
  • 愛着を感じている人物を失ったとき、兄弟や姉妹がいると哀悼の気持ちを処理しやすくなります。
  • 兄弟や姉妹がいると、学校への入学に対する抵抗が減ります。

「お互いの存在があるというだけで、混とんとした世界の中で姉妹はセーフティーネットの役割を果たしてくれる。」

-キャロル・セイラインー

親の影響は?

『Sibling Relations and Their Impact on Children’s Development(兄弟・姉妹の関係性とその子どもの成長への影響)』という研修の中で、ニナ・ハウとホリー・レッキアは、子どもの年齢に適した発達戦略を講じることの重要性を示しています。

彼らの研究によれば、兄弟や姉妹間のいざこざに対処するために親が使う方法が、他の人と仲良くする方法を子どもに教えることになるのだそうです。

様々な子育て方法の中でも、ハウとレッキアは建設的な方法とネガティブな方法を区別しています。いい方法は衝突を解決するために交渉を取り入れる方法で、悪い方法は力や攻撃性を使用した方法です。

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また、無意識に親が兄弟や姉妹間のライバル心に火を注いでしまうこともよくあります。例えば、子どもたちを常に比較している場合などです。

これは子どもや若者に悪いメッセージを送ってしまうことになります。両親の注意を引くには、ありのままの自分でいるのではなく、特定の基準を満たさなければならないと思うようになってしまうのです。また、子どもの自己概念に傷がつきます。その基準を満たしていると思われる兄弟や姉妹に対して怒りを覚えるようになってしまうのです。

まとめ

兄弟や姉妹の関係性は複雑で、それぞれの関係性が独特なものであるということはみなさんご存知でしょう。強くポジティブな絆を持つ兄弟や姉妹もいれば、関係がひどく壊れてしまっていることもあります。

互いを支え合い愛し合えるように子どもを教育するのは親の役目です。そうすることで、存在する中で最も本物ですばらしい関係を作る手助けをすることができるのです。


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