【職業教育システム】座学と実習を平行する「デュアルシステム」
何を勉強したらいいか迷っている16歳以上のお子さんが、あなたの家にもいませんか?学校を続けるか働くかで迷っているようであれば、デュアルシステムに興味を持つかもしれません。今回は、日本ではまだあまり聞き慣れないデュアルシステムについて詳しく見ていきましょう。
デュアルシステムは、簡単に言うと教育施設にての座学と企業内の実習を平行して行う職業教育システムです。勉強しながら企業でインターンシップをして金銭的な報酬を得ることができるため、将来的に安定した職業に就くことができます。これは若者にとって大きなインセンティブとなり、彼らのモチベーション向上につながります。
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デュアルシステムとは?
デュアルシステムとは特定の職業を行うために最適な訓練を行い資格を与える職業教育システムで、その期間は異なります。
また、デュアルシステムは教育と学習の時間を次のように分けることを特徴とする新しいモダリティです。
- カリキュラムトレーニング:教育センターや学校で理論的なスキルを習得します
- 企業にて勤務と補習:職業の実践的な技能を身に付けます
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このように、デュアルシステムでは授業だけでなく、企業での研修と報酬の出る仕事を組み合わせるため、学びながら給与や報酬を受けと取ることができるのです。
そもそもデュアルシステムは何を目的としているのでしょうか。スペイン教育・職業訓練省では次のように述べています。
“この斬新的で革新的な方法で、企業はVETセンターと企業の関係の卓越性の追求に向けられた職業訓練の新しい組織モデルをサポートし、企業の社会的責任を促進することができます。”
デュアルシステムを受ける条件
以下の条件を満たしている学生がデュアルシステムの対象です。
- 希望する訓練を受けるために必要な学業条件を満たすこと
- 16歳以上であること
- 雇用のための職業訓練システムによって認められている専門的な資格を持っていないこと
- 以前に職業訓練契約を結んでいないこと
これらの条件は、学生が選択するデュアルシステムの規定によって異なる場合があることに注意が必要です。そのため、該当する地域の公式ページを参照するといいでしょう。
デュアルシステムのメリット
他のタイプの教育モダリティと比較して、デュアルシステムには多くのメリットがあります。
- 企業の生産プロセスにかかわりながら専門職の資格を取得することができる
- 訓練期間の開始時から報酬を受け取ることができ、専門的な能力の向上に応じて昇給が期待できる
- 座学と実習を通して、専門職を行うための準備ができる。社会や労働市場の実情やニーズに合わせた訓練を受けることができる。
- 個人的・学問的・専門的なスキルと能力を向上させることができる
- 経済的・文化的・社会的生活に積極的に参加できる
- 雇用につながりやすくなる。インターンシップをしている会社に雇われる可能性がある。
このように、デュアルシステムは学生にとって非常に魅力的な選択肢であります。しかし、残念ながら多くの人がその存在を知らないのが現状です。デュアルシステムについて、さらに読み進めるにはこちらをご覧ください。