子宮口拡張で起きること:出産における段階の一つ
出産の最後の段階として、子宮口が拡張します。子宮口拡張は出産における3つの段階の1つ目であり、これに続いて分娩と胎盤の排出が起こります。
大事な役割を果たすのが子宮口です。陣痛が起きることで子宮口が開き、子どもが出られるようになります 。
予定日前に陣痛が生じると、子宮頚管が短くなったり顕著に開いたりすることがあります。このような場合、陣痛を止めて母子の健康状態を確認するために病院へ行くのが望ましいでしょう。
これと対照的に、妊娠期間中は成長中の胎児を暖かく安全に保つために子宮口は閉じられたままです。
出産前、子宮口の拡張よりも前の段階では、次のような症状が生じることがあります 。粘液栓の放出、陣痛の開始、破水、胎児が骨盤まで下がるなどが挙げられるでしょう。子宮口が完全に拡張したら赤ちゃんを産み出す準備が整ったということです。
子宮口拡張はどのようにして起きるか
- 自然に:医療的介入なしに自然に拡張します。
- 薬物投与により:母子の健康のため必要とみなされた時に薬物を投与します。
子宮口拡張の各段階
陣痛の開始から出産の瞬間までの期間を「子宮口拡大期」といいます。
これは分娩の各段階の中で一番長く、通常、一人目の出産においては8時間から12時間かかると言われます。二人目の出産では5時間から7時間程度です。
平均すると子宮口は1時間に1cmずつ拡大していきますが、この値は均一ではありません。通常、最初の1cm の拡大に最も長い時間がかかります。もっとも、出産も女性の身体もそれぞれですから、これらの値は単なる平均にすぎません。
以下、子宮口拡大の各段階を説明します。
1. 潜伏期
陣痛間隔は5分から30分程度であり平均30秒から45秒程度続きます。
もし陣痛強度が弱ければ、背中や鼠径部に痛みを感じることがあります。 このような場合でも陣痛は効き目があります。この段階で子宮口は3cm まで拡大し得ます。
2. 活発期
陣痛は5分間隔で30秒から40秒程度続きます。子宮口は5cm まで開きます。
さらに陣痛は2分から3分間隔になり50秒持続することもあります。子宮口は6cmまで開きます。
3.急速促進期
子宮口拡大の最終段階であり、10cm まで開きます。全ての身体機能が分娩に向けて促進されます。陣痛は2分から3分間隔となり、持続期間も長くなるため、女性が休める時間は非常に短くなります。
この段階では吐気、嘔吐、発疹、寒気が生じることがあります。母体にとって最も厳しいステージです。
子宮口拡張のタイプ
二つのタイプがあります。
受動的拡張
子宮口は0cmから3cmまで拡張し、陣痛は不規則かつ平均的な強度で起きます。
この段階では自宅や静かな環境にいることが望ましいでしょう。陣痛が1時間にわたって5分間隔で生じるまでは病院に行かなくてよいでしょう。
積極的拡張
子宮口は3cmから10cmまで拡張し、陣痛は頻度を増し、より強い痛みになります。このような陣痛が生じると出産へと至りますから、この段階では病院にいることが一番です。
子宮口拡張が進まない場合はどうすればいいか
子宮口拡張が十分に速く進まなかったり停滞する場合があります。
例としては、子宮頸部の異常、子宮頚部の手術経験、 母体の骨盤に対して胎児が大きすぎる、陣痛が弱いなどでしょう。
しかし、以上のようなケースで絶対に帝王切開が必要だというわけではありません。医療チームによるそれ以外の技術的な介入が考えられます。
- 破水。破水させることにより、陣痛は強く、骨盤に対する胎児頭部の圧力はより高くなるでしょう。
- 合成オキシトシン注射。オキシトシンホルモンの投与により子宮の陣痛を強め、頻度を高くすることができます。