【発達のマイルストーン】うちの子には言語訓練が必要?
成長と発達の目安となる「発達のマイルストーン」。わが子がそのマイルストーンに到達していないと、発達が遅れているのではないかと不安に感じることもあると思います。個人差があるとは分かってはいても、「うちの子はまだおしゃべりができない…」と心配になってしまいますよね。では、どのようなことができないと言語訓練の対象になるのでしょうか。
実際に言語訓練を必要とするお子さんもいますが、まだ話す準備ができていないだけのお子さんもいます。しかし、それをどのように見分けたらいいのでしょうか。そして、もし言語訓練が必要となった場合、どのように進めていったらいいのでしょうか。
これは親御さんにとって気になるポイントです。そのため、言語訓練を必要とするのかを判断するためには、いくつかのことを考慮しておくことが大切です。また、役立つヒントやアイディアもご紹介していきます。
ことばの発達において“普通”とはどういうこと?
ここでは、ことばの発達において専門家が“普通”としているマイルストーンをいくつかご紹介します。しかし、これらはあくまで目安であることを理解しましょう。子どもの発達は個人差が大きく、個々のマイルストーンが達成される平均年齢がお子さんの年齢と異なっていても、将来的に発達上の問題が起きるとは限りません。
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次のポイントを成長の目安としてみてください。
- 生後1歳未満:「あーあー」などと音を出すことで周りとコミュニケーションを取ろうとします。このような音が後に発話につながっていきます。
- 生後1歳~1歳3ヶ月:母語の音を真似て、単語を言い始めます。簡単な指示であれば従うことができるようになります。
- 生後1歳半~2歳:この時期になると語彙が増え、「丸いボール」のように2つの単語を組み合わせた二語文が言えるようになってきます。
- 生後2歳~3歳:この年齢ではおしゃべりができるようになってきます。語彙が増え、理解力が増していきます。3歳になっても三語文が出ない場合は、言語訓練が必要になることもあります。
いろいろな要因
ことばの遅れだけでは、必ずしも心配する必要はありません。しかし、ことばの遅れ以外にも気になることがある場合は注意する必要があります。例えば、ことばの遅れ以外にも特徴的な行動が見られる場合、言語訓練の対象になるかもしれません。
特徴的な行動とは次のようなことを指します。
- アイコンタクト、笑顔、喃語、その他の社会的行動などの非言語的コミュニケーションに乏しい
- 指示に従うことができない、あるいは指示に耳を傾けようとしない
- 記憶力が悪く、特に短期記憶力が弱い
- 発話時に激しく苛立つ
言語訓練が必要?
お子さんのことばの発達に心配がある場合、まずは小児科の先生に相談してみましょう。言語訓練が本当に必要なのか専門的意見が聞けるだけでなく、必要に応じて言語聴覚士を紹介してくれます。
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また、別の小児科からセカンドオピニオン、あるいはサードオピニオンを受けるのもいいでしょう。あるいは、かかりつけの小児科医から他の専門家を紹介してもらうのもいいでしょう。「そんなことをかかりつけの先生には伝えにくい・・・」という気持ちも分かりますが、わが子のことなのでやや粘り強くお願いしても理解してもらえるはずです。
言語聴覚士を選ぶ際には、次のポイントに注意してみてください。
- セラピストの態度で気になる点はありませんか?このセラピストとならうまくやっていけそうですか?
- お子さんとセラピストの相性は良さそうですか?
- セラピストが用いるアプローチ方法はどのようなものですか?
- セラピストにはしっかりした実績がありますか?
- セラピストの経験と知識をもとに、お子さんに寄り添った訓練を行ってくれそうですか?
お子さんの言語聴覚士に気になることがあれば違うセラピストを探しましょう。どんな経歴やスキルを持っていても、気になることや納得がいかないことがある場合はセラピストを変更してください。お子さんを安心して通わせることの出来るセラピストを探しましょう。
お子さんがまだ幼い、あるいはおしゃべりをしていないのであれば次のことを覚えてください。お子さんの学習リズムには個人差があり、きっと思ったよりも早くに驚くべき成長を見せてくれることでしょう。