母乳育児をすることで予防できる20の病気を見てみよう
昨今では、赤ちゃんに与えることができる最高の食事は母乳だと誰も疑わないでしょう。母乳育児は母親にも子どもにも利点がたくさんあります。しかし、母乳が予防できる病気もたくさんあるとご存知でしょうか?
母乳育児をするかどうかは各自の自由で罪悪感など感じるべきではありませんので、あえてここで議論はしませんが、様々な科学的研究が母乳育児の利点を証明しています。
世界保健機関(WHO)は、生後6ヶ月間は母乳で育てるべきだと述べています。可能であれば、他の食事と組み合わせながら母乳は2歳まで延長するべきでしょう。
母乳は何でできてるの?
母乳は生きた体液であり、赤ちゃんが成長する間に必要な栄養や免疫を与えることができるものだ、ということはびっくりすることかもしれません。
出産後3〜4日間に、母親は「初乳」を作り出します。これは、栄養分が豊富で濃い黄色の液体です。そして赤ちゃんの生後15〜30日の間、「成乳」が出ます。
びっくりするように思えるかもしれませんが、母乳の全成分はまだ解明されていません。女性ごとに変わるだけでなく、左右の乳房の間にも違いがあり、母乳育児の段階でも変わってくるのです。
ただ、わかっているのは下記の特徴です。
- 赤ちゃんが必要とする炭水化物、タンパク質、脂肪を含む。
- 赤ちゃんが必要とし消化を促進するタンパク質、ミネラル(鉄分、カルシウム、亜鉛、ナトリウム)、ビタミン(E、A、D、K)、そしてホルモンを含む。
- 母乳には、赤ちゃんが病気になるのを防ぐのに役立つ抗体があります。例えば、粘膜を保護する免疫グロブリン。そしてリンパ球とマクロファージは、周囲環境に対してバリアとして機能します。ラクトフェリンは、細菌やバクテリアからの保護だけでなく、鉄分の吸収も助けます。
これらすべてを考慮すると、母乳育児が病気を予防できる、というのに驚きはしませんよね。でも、具体的にどんな疾患から守ってくれるのでしょうか?
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母乳育児が予防できる病気とは
母乳育児で赤ちゃんが摂取する栄養素は、いくつかの疾患と戦うのに役立ちます。
- 初乳に含まれる抗酸化物質とキノンは出血性疾患を予防します。
- 免疫グロブリンは赤ちゃんの消化管のような発達しきっていないものでも覆ってくれることで、ウイルスやバクテリアの付着だけでなく、大腸菌、ロタウイルス、サルモネラ菌、肺炎球菌、ブドウ球菌などの寄生虫の付着も防ぎます。
- はいの発達を助けることで、気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症のリスクを低減します。
- 乳児突然死症候群の可能性を下げます。
- アレルギーを予防します。
- 肌の疾患から守ります。
- 結膜炎のリスクを低減します。
- 耳の感染症を防ぎます。
- 下痢と便秘の両方に対して有効的です。
- 神経伝達と脳の発達を向上します。
- 視覚能力を向上します。
上記の全てに加え、母乳育児の利点は赤ちゃんの生後数年間を保護するだけに留まりません。喘息、糖尿病、動脈硬化症、心臓発作などの成人期の病気に対しても予防の効果があります。
「出産後3〜4日間に、母親は「初乳」を作り出します。これは、栄養分が豊富で濃い黄色の液体です。そして赤ちゃんの生後15〜30日の間、「成乳」が出ます」
母親への利点
母乳育児が赤ちゃんの疾患を予防する、というのに加え、母親にとっても多くの利点があります。
母乳育児によって生まれる親子間の絆は、私たちの想像をはるかに超えるものです。他では再現不可能で、全く説明不能な関係なのです。
また、物理的な接触から、母乳育児の間脳がオキシトシンの分泌量を増加させます。このため産後うつのリスクが低減し、つまり母親にとってメリットになります。
オキシトシンの増加により、母親が自信を感じるようになります。加えてコルチゾール(ストレスホルモン)の量も減少し、それが不安感と痛みの感覚を和らげ、母乳の出を良くします。
母乳で育てている間、オキシトシンによって母親の消化に必要な全てのホルモンが活性化されます。母親が食事からより良く栄養素を摂取できるように、胃や腸の機能が向上します。
また、分娩後に子宮を収縮させより早く元の大きさに戻すのに母乳育児が役立ちます。
他にも、乳がん、卵巣がん、子宮頚がんのリスクも軽減します。最後に、母乳育児を支持するポイントは、母親がより早く元の体型に戻れる、ということもあります。
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健康だけではなく
もうおわかりのように、母乳育児は様々な疾患の予防に役立ちます。そして、母親と子供の両方に多大な利点があり、その利点は健康だけではありません。例えば、絶え間なく用意できるという側面もあります。
同様に、いつだって用意できますし、同じ温度に保たれています。輸送のための特別な機器も不要です。
まだあるの?という感じですが、加えて100%衛生的です。疑いなく、母乳は赤ちゃんにとって理想的な食事と言えるでしょう。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Office of the Surgeon General (US); Centers for Disease Control and Prevention (US); Office on Women’s Health (US). The Surgeon General’s Call to Action to Support Breastfeeding. Rockville (MD): Office of the Surgeon General (US); 2011. The Importance of Breastfeeding. [Online] Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK52687/
- UNICEF. Breastfeeding: major factor in preventing chronic diseases. (2011). [Online] Avaiable at: http://www.unicef.cn/en/press-release/international/116.html