未熟児の健康上の問題について
未熟児の健康上の問題は妊娠期間いっぱいまでお腹の中にいる赤ちゃんに比べて、頻繁に起こりやすくなります。妊娠37週目よりも早く生まれると、まだ外に出てくる準備ができていないのです。
未熟児は体の器官がまだ発達しきっていないため、特別なケアが必要になります。そのため、短期・中期・長期的に健康に影響があるような問題が起こることがあるかもしれません。
早産はさまざまな要因で起こります。感染症やストレス、事故、大きな衝撃やアルコールの摂取などがその例として挙げられるでしょう。
では、未熟児に最も起こりやすい健康上の問題をリストアップしていきます。
未熟児の健康上の問題
未熟児の場合、主に脳や肺に影響が出ます。
1.呼吸器系の問題
- ヒアリン膜症
ヒアリン膜症は、新生児、特に未熟児に影響のあるものです。主に呼吸器系疾患(呼吸困難)や皮膚及び粘膜の青い変色(チアノーゼ)として現れます。
これは気管支肺異形成症という、慢性的な肺の病気に発展する恐れもあります。さらに、子どもの肺に線維症という呼吸器系疾患を引き起こします。
- 動脈管の強度
これは心臓の異常で、未熟児の赤ちゃんに呼吸困難を引き起こします。動脈管は肺動脈と大動脈の間に位置する管です。これはすべての新生児にあるのですが、すぐになくなる傾向にあります。
一般的に、この管は生まれて最初の数時間のうちに自然に閉じます。しかし未熟児の中にはこの管が長い間開いたままで、呼吸するのが難しくなってしまうことがあるのです。
- 中枢性無呼吸症
この言葉は、最低でも20秒間赤ちゃんが無呼吸状態になることを表しています。すべての赤ちゃんがこの問題を経験する可能性がありますが、未熟児の場合より起こりやすくなります。
無呼吸になった後は心拍数が下がるかもしれません。呼吸速度が遅くなると心拍数も下がるのです。
赤ちゃんは人類をリフレッシュするための花のように花開く準備のできたつぼみである。
-デバシシュ・ムリダ
2.消化器系の問題
未熟児の赤ちゃんは、おっぱいを飲んだり飲み込んだりすることに問題があったり、時にはそれが全くできないということもあります。こういったケースでは、消化器官が赤ちゃんの体に必要不可欠な栄養を吸収することができません。
すかし、赤ちゃんが健康的に育ち、自分の体を十分に強くするためには、適切な栄養が欠かせません。
未熟児の新生児には消化器系の病気があることがあります。壊死性腸炎は、新生児に最も起こりやすい消化器官の緊急事態です。これは身体の未成熟さと弱さに関係する消化器系の病気です。
3.神経系の問題
脳が最も発達するのは、妊娠後期です。赤ちゃんが早く生まれると、脳室内出血や新生児脳室周囲白質軟化症などの問題になる恐れがあります。
脳室内出血については、未熟児の赤ちゃんの健康上の問題の中で最も心配なものの一つです。この出血は、脳がとても未熟で、その結果繊細な血管が簡単に破れてしまうことで起こります。
程度が激しい場合、深刻な問題が起きたり、死に至ることもあり、それは出血のあった未熟児の3分の1の割合で起こります。
新生児脳室周囲白質軟化症は、脳損傷に目立ったタイプのものです。この場合、脳の細胞が傷つき、赤ちゃんの動きを制御する神経細胞に影響を与えることがあります。これは、脳性小児まひなどの運動障害につながる恐れがあります。
4.肝臓に関する問題
赤ちゃんが生まれたとき、それがちょうどいいタイミングであったとしても、肝臓は赤血球を破壊し、その破壊によりビリルビンと呼ばれる黄色い色素が放出されます。 問題は、赤ちゃんの肝臓がそれを容易に変化させられず、それが溜まってしまうことです。これは生理的黄疸と呼ばれています。
しかし、その症状の程度は赤ちゃんにより異なるということを覚えておいてください。ビリルビンの残りは便や肌に黄色い色が出ることで、排出されることがほとんどです。
このような問題が起こる可能性があるため、未熟児のお母さんは心配になり、ストレスを感じてしまいます。
しかし、医療の発達により、未熟児の健康上の問題は深刻でなくなってきていますし、未熟児として生まれた赤ちゃんの多くが健康に何の問題もなく育っているということも心に留めておきましょう。