新生児スクリーニングとは?
新生児スクリーニングとは、新生児に行われるとても重要な検査です。この検査によって、症状が出る前に特定の病気を発見することができます。今回は、この検査について詳しく見ていきましょう。
子どもが生まれると、病院でいくつかの検査が行われます。そのテストの一つが新生児スクリーニングで、生まれて48時間~72時間の間に実施されます。
この検査の目的は、子どもの成長に影響する可能性のある先天性代謝異常を発見することです。このタイミングでテストを行うことで、この異常をその症状が出る前に診断することができるのです。
新生児スクリーニングは、血液を数滴採取して行います。この血液サンプルを早い段階で分析することで、内分泌系や代謝の先天性の病気を発見することができます。
採血するときは、子どものかかとの表面から取ります。トレーニングを受けたプロが子どものかかとから血を採り、採取した血を特別なカードの上に乗せ、その血液を分析するために研究室に送るのです。
新生児スクリーニングで何をするの?
上でお話したように、この検査では赤ちゃんのかかとから少し血を採って行います。看護師が素早く行い、表面をちくっと刺すだけなので痛みは最小限です。
そして看護師がその血をガスリーカードと呼ばれる採血用のろ紙の上に垂らします。最後に、看護師がその血液サンプルを分析の為研究室に送ります。
3週間後、新生児スクリーニングの結果が返ってきます。最初の血液サンプルが足りないと、再検査のためにもう一度血液を採ることになります。
医療の専門家が慎重に行いますが、赤ちゃんはおそらく痛みに反応して泣いてしまうでしょう。ですので、可能ならすぐになぐさめてあげられるように、お母さんが傍にいてあげることをお勧めします。
検査が陽性だった場合
結果は6~8週間経たないと返ってきません。その結果はお子さんの病歴にずっと残り、病院に行くときは常に持っていなければなりません。
検査が陽性で返ってきた場合、その結果を確かめるためにさらなる検査が行われます。採血と検査を再度行うために、病院やクリニックを再び訪れることになるでしょう。
さらなる検査の結果も陽性だった場合、代謝障害の専門の施設に連絡を取ります。そこで医療の専門家ができる限り最善の方法で家族を助け、導いてくれるでしょう。
治療は検査によって明らかになった病気によって異なります。例えば、甲状腺機能亢進症や先天性副腎過形成の場合、赤ちゃんは一生ホルモン置換が必要になります。
しかし、ヘモグロビン異常症と診断された場合は、特定の感染症に対する予防治療のみで大丈夫です。
「赤ちゃんはあなたが9カ月間お腹の中に宿し、腕の中に3年抱き、死ぬまで心の中に存在し続けるものだ。」
-メアリー・メイソン
新生児スクリーニングでわかる病気は?
新生児スクリーニングで発見できる主な病気は、先天性代謝異常です。この異常は特定の症状を現すものではありませんが、赤ちゃんの正常な発達を変えたり、邪魔してしまう可能性があります。
もちろん、新生児については、発見されるほとんどの病気はとても稀なものです。ですので、症状が表れる前に対処するためには早い段階で発見することがとても大切なのです。
これらの病気を早期発見したからといって、お子さんが普通の人生を送れるとは限らないということも覚えておきましょう。新生児スクリーニングで発見できる病気のリストもご覧ください。
- 鎌状赤血球貧血などのヘモグロビン異常症
- 嚢胞性繊維症
- 脂肪酸、炭水化物、アミノ酸の代謝に関する、ガラクトース血症やフェニルケトン尿症などの先天性代謝異常
- 先天性腎皮質過形成症
- 先天性甲状腺機能亢進症
- ヒト免疫不全ウイルス(HIV)やトキソプラズマ症などの感染症
結論として、新生児スクリーニングは先天性の病気を早期発見することができる必要不可欠な検査です。この検査により、症状が出る前にあらゆる合併症を発見することが可能になります。
一人目を生んだばかりのお母さんは、看護師さんが検査をするとき、赤ちゃんをなぐさめられるように近くにいてあげてくださいね。この検査は子どもの健康を保障するのに役立つので、とても意味のあるものだということを覚えておいてください。
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- National Institute for Public Health and the Environment.