子どものてんかんの原因とは?その症状と治療法
てんかんのある子どもでも普通の生活を送ることはできます。ほとんどの場合薬が必要ですが、必要でない場合もあります。
また、大人になるまでにてんかんがなくなるということもありえますし、この病気に関する可能性のある原因、症状、治療法を知っておくことで、子どものてんかんを管理することができます。
そうすることで、危険な状況や不要な心配を避けることができるでしょう。最も大切なことは、お子さんの生活の質が目に見えて改善することです。
こどものてんかん:原因は?
てんかんの発作は神経伝達物質のバランスの崩れにより、コントロールできなくなるということです。これは神経の間に信号を送る役割をしている化学物質が多すぎる時に起こります。
その他の原因としては、これらの神経伝達物質の数が減ることの可能性もあります。しかし、てんかんのある子どものほとんどのケースは特発性のもので、その発生原因が不明なのです。
確率が低いケースでは、症候性てんかんというものがあり、特定の原因のために起こります。髄膜炎や脳腫瘍、出産中の問題、トラウマ、奇形や発作などのために起こります。
また、家族にてんかんがある人がいたというケースもあります。さらに、遺伝子や染色体に異常があるという場合もあります。
子どものてんかんの症状
2回以上発作があった場合、その子にはてんかんがあると言われます。発作の前には、さまざまな症状が現れます。頭痛であったり、行動の変化や消化の問題が起こることもあります。これらのサインが気づかれなかったり、サインが全くないということさえあります。
てんかんの発作は他の発作とは違います。てんかんの発作はほんの数秒か数分しか続かないのです。てんかんの発作の中には「緊張性」のものもあり、体全体がこわばるというタイプものもあります。
また、低緊張性の発作や卒倒することもあり、数秒間気絶したり動けなくなります。一方、欠神発作というものもあり、数秒間ぼーっとすることもあります。
発作は体全体にショックを与えます。これはコントロールすることができず、繰り返し起こり、意識が完全になくなります。
他にも部分的な発作や意識を失わない発作もあります。これは体の一部にのみ影響します。発作の後、子どもはしばらくぼんやりしたり約1時間ほど外部刺激に対して反応しなくなるかもしれません。
子どもにてんかんがあるかどうかはどうやったらわかるの?
まず専門家が診断するには、お子さんが最低でも1回発作を経験していなければなりません。子どもの体を検査し、発作がどれくらい続いたかなどの質問を受けます。
また、発作の間に起こった動きがどのようなものだったか、意識を失ったかどうか、体の特定の部分だけに影響が出たかなども聞かれるでしょう。
最後に必ず脳波を測ります。それにより脳の中の電子活動を測り、どんなタイプの発作がその子に起こり、原因の可能性があるものを決定します。
血液検査も重要です。てんかんを引き起こしているかもしれない症状を診断するのに役立つからです。神経科医が適切だと思えば、コンピュータX線体軸断層撮影法(CAT)で急性の神経の損傷やその他の病気があるかチェックすることを提案することもあります。
最後に、脳のMRIをとると新たな発作が明らかになったり、脳のどこでそれが起こっているのかがわかります。
「てんかんは髄膜炎や脳腫瘍、出産中の問題、トラウマ、奇形や発作などのために起こります。」
てんかんの治療
一般的に、てんかんのある子どもには薬が必要です。しかし、これは複雑な病気であり、子どもによって異なる影響があるということを心に留めておきましょう。
ですので、全ての子どもが一つの薬に対して同じ反応をするとは限らず、全てのケースに効く一つの治療も存在しません。
幸い、さまざまな種類の抗けいれん薬、抗てんかん薬があり、発作の頻度を抑えてくれます。
治療を効果的にするには、医者の説明に正しく従うことが必要不可欠です。また、治療がうまくいくのには一定の量の薬を体に入れることが必要です。
薬に反応を示さない子どもには、他の選択肢があります。発作を治療することのできる医療機器や、 ケトン食療法などの食事セラピーもあります。この食事は炭水化物をとらず、子どもの血糖指数を下げることが目的です。
深刻なてんかんの場合は、脳の手術をすることもでき、申し分ない結果が出ています。
てんかんは治るの?
たいていの場合てんかんは薬で治ったりコントロールすることができます。しかし、それはてんかんの種類や抗けいれん薬への反応、発作が起こった年齢などの要素によって異なります。また、この病気を引き起こしているかもしれない神経系にダメージがあるかどうかも一つの要素になります。
症候性てんかんは治すのが難しく、コントロールすることさえ困難です。これは脳の以上の一種によるものだからです。さらに、こういったケースでは発作が神経系にだんだんとダメージを与える恐れもあるので十分な注意が必要です。
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