両親のケンカは子供のいない所で
両親の意見が食い違い口論になるのは普通のことです。意見が合わないことはもちろん発生しますが、それでも落ち着いて話をすることができるはずです。もしそうでない場合は、ケンカは子供たちと離れたところで、と覚えておきましょう。
理想的なのは、どちらも意見を言う機会を持つことと、別の考え方の意見を聞く機会のある話し合いをすることです。しかし、二人の意見が合わず口論になってしまうこともよくあります。
確かなことは、大多数の子供は両親がケンカをしていると心配になり、おびえたり悲しくなったりイヤな気持ちになったりする、ということです。さらには口論の果てに二人が沈黙した時でさえ、子供たちはひそかに責任感を感じることもあります。
また両親の間の争いごとは、学業成績や将来の人間関係の形成能力に悪影響を与えるだけでなく、子供の精神的健康や、社会的・感情的な能力の発達に影を落とすこともあります。
実際、イギリスのある調査によると、両親の争いごとが解決しないことが子供の早期発達、精神的健康、将来の可能性に大きな弊害を与えるということが明らかにされています。
子供たちの前でケンカをしない方が良いのはなぜ?
子供たちの前でケンカをしない方が良い主な理由は次の通りです。
1. 子供たちは感情的に不安定なもの
ケンカは、子供たちに家族の安定についての不安を抱かせます。多くの口論を目にしている子供たちは、両親の離婚の心配をすることもあります。
また自分の家族が普通だ、という感覚を持つことが難しくなります。これはケンカの理由が予測できず、いつでも起こりうるからです。
2. 親子の関係にも影響が
争いごとは子供たちにとってストレスになるもので、間違いなく両親にとっても同様です。 ストレスを抱えた親は子供たちと質のいい時間を共有することが難しくなります。大人の態度に不快感を感じ怒っている子供たちに、温かい愛情を示すのは親にとっても困難でしょう。
3. ケンカはストレスになる環境を生み出す
頻繁に、または激しいケンカを耳にすることは子供たちにとって楽しいことではなく、ストレスとなります。そのような環境は、子供の通常の健康的な発達に支障をきたすだけでなく、身体的・心理的健康に影響をあたえかねません。
また、ある研究によると家庭環境によるストレスが子供の認知能力にも影響を及ぼすということが分かりました。
研究者たちが明らかにしたのは、両親が頻繁にケンカをしていると子供たちは集中や感情をコントロールすることに、より困難を抱えるということです。また効果的に問題を解決する能力にもマイナスに作用します。
“論争の目的は勝利ではなく、進歩であるべきだ”
-ジョゼフ・アントワン・レネ・ジュベール-
両親のケンカは子供のいない所で
子供たちは両親のケンカが持つ意味とそれによって起こる結果を心配することが多いものです。それが早合点での結論につながり、両親はケンカばかりだからもうお互いが嫌いなんだと考えるようになります。
しかしケンカをするからといって愛し合っていないとか、別れたいということではありません。幸いなことに大半のケンカは、物事がうまくいかない日のはけ口であったり、意見が合わない時に起こるだけです。
しかし実際は、あらゆる年代の子供が両親のケンカによって影響を受けます。一般にその結果は攻撃性、敵意、暴力となって表れます。内面的には、不安やうつ症状の他、自己評価の低さなどに表れます。
両親のケンカを前に子供はどう感じるか
大抵の場合、子供は両親がケンカするのを見たり聞いたりすると嫌な気持ちになります。子供にとって怒鳴り声や不愉快な言葉を聞くのは辛いものです。同様に、両輪が取り乱しているところを見ると子供はおびえたりこわがったりします。
子供たちはケンカの最中に両親のうちのどちらか一方を心配することもあります。特に一方が他方に傷つけられていると感じて不安になるのです。
また両親のケンカは子供たちを泣かせたり、いろいろな身体的不都合を引き起こすこともあります。例えば神経質になって胃が痛くなったり、寝つきにくくなったり、学校で集中できなかったりということもあります。
最後に覚えておいていただきたいことは、状況によってはケンカをして気持ちを表現することは、不満を内にためておくよりも健康的な関係を持つために良いということです。
分かってはいてもなかなか難しいことですが、子供たちの前でケンカをすることはできるだけ避けるようにしなければなりません。いつも子どもに目撃されることはないと思いますが、全てのケンカは子供の感情面に影響を与えてしまいます。
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