赤ちゃんの吐き戻しを防ぐには?
赤ちゃんの吐き戻しは、新生児のうちは大変一般的なものです。健康な赤ちゃんの約40%に授乳後に起こります。吐き戻しで出てくる液体には母乳やミルクは少量しか含まれず、ほとんどが唾液と胃液です。
大半の赤ちゃんは、12か月になった頃かその前にこの問題から解放されます。また吐き戻しは、赤ちゃんの成長や発達に悪影響を及ぼすことはありません。
しかし中には、成長に影響があるほど吐き戻す赤ちゃんも少ないですがあります。ですから頻繁に吐き戻す場合は定期的に体重を測る必要があります。
また吐き戻しは、食物アレルギーや食物不耐性によるものではありません。赤ちゃんにはごく普通に起こることで、量が多く思えても特に治療などは必要ありません。
けれどもできるだけ吐き戻しを少なくするアドバイスはあるので、今回はそれを見ていきましょう。
吐き戻しの原因
赤ちゃんの吐き戻しには特に二つの原因があります。赤ちゃんの消化系の未熟さと食料が液体のみであることです。しかし別の理由もあり、実際赤ちゃんなら誰でもほとんどこの症状を経験します。
吐き戻しの主な原因は、食物を胃に届ける器官である食道の条件が整っていないことです。胃の役割は食物をためて殺菌し、その後少しずつ小腸に送ることです。
通常この活動は、食道と胃の間の通り道にある噴門という環状の筋肉によって完全にコントロールされています。噴門は収縮することで食物が口に戻るのを防ぐのです。
ところが赤ちゃんの場合は、この筋肉がまだうまく機能しません。そのため食道が部分的に開いている状態になり、飲み込んだ母乳やミルクが口に戻ってしまいます。
つまり吐き戻しの問題は、噴門が完全に収縮し飲み込んだものを胃に送って通り道をふさぐことができるようになれば自然に解決します。
赤ちゃんの吐き戻しを防ぐ方法
赤ちゃんが通常よりも多く吐き戻しをする場合があります。特に哺乳瓶を使っている場合です。吐き戻しを防ぐために以下の点に気を付けましょう。
- 授乳後、赤ちゃんには飲み込んでしまった空気を吐き出すためにげっぷをさせる必要があります。
- 一度に大量のミルクを飲ませて、胃をいっぱいにしないようにしましょう。
- 授乳中にげっぷができるように小休止を入れましょう。
- ミルクが正しく流れるように、赤ちゃんにあった哺乳瓶の乳首を使いましょう。
- 赤ちゃんのお腹がすき過ぎないうちに母乳をあげるようにすると、大量の空気を飲み込むことを防げるでしょう。
- 哺乳瓶で育てている場合は、胃食道逆流症用のARミルクを試すか、またはいつものミルクに片栗粉などを加えてとろみをつけて飲ませると、吐き戻しが少なくなります。
- 一般に、離乳食を始めると吐き戻しが少なくなります。
- 授乳後消化が始まる時に、赤ちゃんの身体を動かしすぎたり遊んだりしないようにしましょう。
- 果汁を与えるのを控えましょう。果汁の酸が逆流の原因となることがあります。
大半の赤ちゃんは、12か月になった頃かその前にこの問題から解放されます。
吐き戻しで注意すべき場合
大抵の場合は、過剰に心配する必要はありません。しかし受診するべき症状もあります。
- 成長に問題が見られる時
- 食間に激しく泣く時
- 十分な睡眠がとれていない時
- 感染症がある時
- 頻繁に吐き戻し、下痢が伴う時
- 熱がある時
- 吐き戻しに血が混ざっている時
吐き戻しと嘔吐の見分け方
吐き戻しとはちがい、嘔吐の場合は胃の中のものが激しく噴き出すという特徴があります。嘔吐はより重大な病気の症状かもしれませんし、くり返すと脱水症状を起こすので、吐き戻しと嘔吐を見分けることが重要です。
一般にたまに起こす嘔吐で他の症状が見られない場合は、大きな心配が必要なものではありません。
以上、あなたの赤ちゃんがよく吐き戻すなら、今回のアドバイスがきっと役に立つでしょう。母親として覚えておいていただきたいことは、赤ちゃんが大量の母乳やミルクを吐き戻す時や、吐き戻す時に液体が噴き出すような時は、小児科を受診するべきだということです。