誰にもあなたを傷つけさせない
もしできるなら、おでこに手を当てて一瞬で熱を下げてあげたい。
悲しいことに、私には愛する力と、あなたを守り、恐怖を軽くしてあげる力しか持っていません。
親としてこんなことを考えたことは一度や二度ではないでしょう。私たちは皆子どもの痛みや問題、どんなに些細な不自由さえもすべて取り除いてあげる力が欲しいと思っています。
子どもたちはときに転ぶ経験をし、そこから起き上がり方を学ぶべきだとよく言われます。しかし、すべての親がそう考える訳ではありません。
もし可能なら、転ぶのを防ぐために、道を舗装してあげたいと考えます。自分の間違いから学ばなければならない日はそのうち来るだろうと。
自分の子どもが苦しむのを見ることより辛く厳しいことはほぼないですよね。
歯が生えるときや風邪などの辛いときを思い出すだけで、子どもの不快感や痛みをすべて和らげてあげたいと思ってしまいます。
しかし、私たちが好むと好まざるに関わらず、それが子育ての全てです。こういった大変な場面にどう対面するかを知り、全てが手に負える訳ではないのだということを理解することです。
私たちは、痛みやつまづき、ウイルスや感染が取り抜けられないバリアのようなものの中に子どもたちを入れておくことはできません。しかし、ここで本当の魔法が生まれます。お母さんとお父さんはそのほかのたくさんの方法で、「治す」ことができるのす。
私の力の中では、何も痛くないよ
私たちが圧倒されてしまうくらい、子どもは小さく壊れやすいものに思えます。子どもの顔を見たとたん、私たちの中に子どもを守らなければという気持ちが芽生えます。
子どもが泣くのを聞くと胸が苦しくなります。子どもの一瞬一瞬が気が気でなりません。
子どもが呼吸するのを聞くのが嬉しく、子どもが大丈夫かどうか常に確認します。寒すぎるのではないか、おなかが空ているかも、それとも怖がっているのではないか?と。
こういった感情はとても自然であり必要なものです。こうやって子どもの生存を保証していくのですから。そしてこれにより「スーパーパワー」が私たちの中に目覚めるのです。
眠れない夜が続いているのにも関わらず、起きていられるようになります。危険を察知する力も授かります。私たちの、母親としてのあるいは父親としての本能の力に驚かされることもよくあります。
ママのキスには特別な力があります
ピッツバーグ大学で行われた興味深い実験によると、248人の5歳くらいの子どもたちにとって、例えば転ぶなど小さな怪我をしたとき、薬よりもお母さんからのキスがずっと効果的だとわかったのです。
これをどう説明したらよいのでしょう。答えはとてもシンプルです。キスや、優しく触ってあげること、ハグは子どもにとって落ち着ける効果があるのです。
愛情たっぷりの触れ合いにより、脳がオキシトシンとエンドルフィンを分泌します。それは健康状態を刺激するものです。また免疫も強めてくれます。
ママのキスが病気を治してくれるわけではもちろんありません。しかし、それにより回復が早くなるのは確かです。
多くの病院において、子どもが許可されたときはいつでも親と一緒にいやすいようにしているのはこのためです。子どもがストレスや恐怖で苦しむことが少なくなるため、治療により耐えやすくなるのです。
親は安心感を与え、私たちを守ってくれます
ジークムント・フロイトがかつて言ったように、例えば親によって与えられる安心感のような、子ども時代に得られるものほど価値のなるものはほとんどありません。
子どもたちは密接で、親しみやすく、心地よい抱擁を大人の腕の中で感じることができるべきです。そこで子供は成長し、世界の見方を学ぶのです。そこは悪いことなど何も起こらないかのように思える場所なのです。
子どもが熱を出したとき、怖がっているとき、転んで膝を痛めたときはいつも、腕の中で高い高いをしてあげ、しばらくくっついていてあげましょう。子どもはすぐに具合がよくなります。なぜなら、ママもパパも癒しのスーパーパワーを持っているのですから。