カギっこ:子どもをひとりぼっちで家に残すことの問題
カギっことは、家の鍵を首にかけたりポケットに入れたりしている子どもを指すのに使われることのある言葉です。
そういう子どもは、家で誰も待っていないので、学校が終わったら自分で鍵を開けて家に帰らなければなりません。
こういったことはどんどん普通になってきているので、カギっことして育った若い世代ができてきています。
カギっこについての懸念が、子どもにとってとても大切なことを啓発しています。それは、親と一緒に時間を過ごすことです。これは子どもの心理的、身体的発達の中心的役割を果たしているのです。
カギっこ世代
家族の時間と自分の時間のバランスをとろうとすると、時に思うように子どもと一緒にいてあげられないことがあります。これは特に大都市ではどんどん普通になってきています。
一日のほとんどを家に一人でいると、さまざまな問題が起こります。例えば行動障害、肥満、うつ病につながったり、感情を表現することが苦手になったりします。
カギっこは、身体的な症状に悩まされることもあります。例えば睡眠パターンの変化、食欲の喪失、体重の減少や胃腸疾患などです。
結果として、学校の成績や態度にも影響が出てしまうことが多いのです。
カギっこ症候群の原因
どんどん多くの子どもがカギっこになっている原因のいくつかがこちらです:
- 核家族の増加。昔は、おじいちゃんおばあちゃんや他の家族が近くにいて、ケアとしつけを助けてくれていました。
- 女性の社会進出で、共働きの家庭がとても多くなったこと。
- 生活にかかる費用が増えたため、長時間働くことが最優先に必要なこととなったこと。子どもがいれば食費や教育費がかかるのでなおさらです。
- 競争率の高い仕事市場も親が職場に遅くまでいなければならない要因の一つです。
- より高度な教育が職場で競争するためには必要になり、親は子どもの将来のためにお金をためなくてはならなくなったこと。
カギっこ症候群の招く結果
次は、夜遅くまでひとりぼっちでいる子どもに起こる結果について見ていきましょう。
以下のものが、12歳未満の子どもにおいて深刻なものになります。しかもこれは子どもの成長においてはとても重要なステージです。
1.不安
カギっこは孤立し、人と関わる状況を避け、ストレスを抱えいざこざがおこりやすくなります。
2.パニック発作
軽い幻覚や物が変形して見えるなど、視覚に変化が起こる症状が出るかもしれません。
3.適応障害
子どもが自分の年齢には適さないような振る舞いを強制されるということにもなります。そうすると、子どもはいわゆる適応障害を引き起こすかもしれません。
4.自立
カギっこは親との接触が少ないため、日中自分のことは自分でできるようになります。つまり、子どもはより自由で自立するようになるということです。
5.疲れ切った親
カギっこの親は、たいてい1日の仕事を終え疲れ切って家に帰ってきます。そうすると子どもと話をするためのエネルギーが残っていません。
子どもがすでに寝てしまっているくらい、夜遅くに帰ってくるお父さんお母さんもいます。
子どもは自分がされたことを、社会に返します。
ーカール・A・メニンジャーー
6.威厳の喪失
親と子どもの関係性については、一緒に充実した時間を過ごしていないため、子どもが親の威厳に敬意を払うことがなくなる可能性があります。
7.攻撃性
カギっこは、親に対して攻撃的になったり、傲慢になったりすることがあります。また、毎日のしつけがないために反抗的な態度を示すこともあるかもしれません。
8.友達関係
カギっこにとっては、友達が家族の役目を果たしてくれることもあります。家に一人でいる子どもは友達から多くのサポートを得られたりします。
しかしお手本になるとはいえない友達に囲まれてしまうと、問題が出てきます。
9.食習慣
家にひとりぼっちの子どもは、自分で食事を摂ることが多くなります。つまり家族の食卓という習慣がないので、質の悪い食生活に陥ってしまうかもしれないのです。
放置されて自分のしたいようにできるので、カギっこはジャンクフードをより食べるようになります。
10.愛情の欠如
最後になりましたが、重要なこととして、カギっこは親から愛されている、ケアされていると感じないかもしれません。そのため他の人を愛したり信用したりすることが難しくなるのです。
最近は長時間の共働きは必要なものかもしれません。しかし、親として、カギっこ症候群に象徴されるような、距離のある関係を避けられる手段があるはずです。
お子さんと強い絆を築くために、コミュニケーションをとり、意見を交換しましょう。お子さんの毎日にしっかりと興味を持ち、お子さんが無視されていると感じさせないようにしましょう。
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