子どもの自己中心的な時期に気を付けて!
自己中心的な考えは、幼い頃から表れることもあります。子どもが他の子におもちゃを渡したくないと言ったり、他の子の気持ちを考えようとしないなどといったことは日常茶飯事です。しかし子どもの自己中心的な時期に親はどう反応したらいいのでしょうか?
子どもの自己中心主義とは
大人の誰かを自己中心的だと言うとき、それは自分のことだけを考えている人のことを指します。他の人がどう考え、感じるかはお構いなしという人ですね。
子どもの場合、これは少し違います。子どもが自己中心的だからといって、そんな大人になるという訳ではありません。これは子どもの発達段階の一つでしかないのです。
この段階では、子どもは注目の的でありたいと思っています。いわゆる共感の心がまだ発達していないのです。
実際、全ての子どもがこの段階をある程度経験します。これは普通であり健全なことなので、心配しすぎることはありません。必要なのは忍耐と、お子さんへたくさん注目してあげることです。
子どもの自己中期の段階
「近代の人間の3つの病気とは―コミュニケーションの欠如、技術革新、そして個人的な勝利中心の生活である」
―ジョゼ・サラマーゴ(1922-2010)
サラマーゴが言っていることは、大人でも子供でも、自己中心さを野放しにしてしまうことがどれほど有害であるかを示しています。このため、子どもが自己中期に入っているときに親がどう反応すべきかを知っていることが必要不可欠なのです。それではこの期間の段階を見ていきましょう。
発見段階
この段階では、子どもは周囲のすべてのものから学んでいきます。自己中心的な振る舞いに気づくと、それをまねするようになります。ですので、お手本を見せてしっかり導いてあげましょう。
人間関係の発展段階
これは愛着や友情が子どもの中で発展する時期です。心理学者のポール=アレクサンドル・オストライテによると、子どもは5歳になるまで、他の人とシェアするという必要性を感じないのだそうです。それは、一緒に遊ぶときに共通の目標を持っていないからです。
しかし、6歳から7歳になると、協力することの意味を理解し始めます。これはつまり他の人とシェアができるようになり、人間関係を発展させることになるのです。
受容段階
この段階では、子どもは適切な社会的スキルを学んできたというサインを見せ始めるはずです。こういった能力や振る舞いは、教えられたこと、まね、課題や練習から習得したものです。これが親が子供と達成すべき目標になります。
子どもの自己中期はいつ始まる?
子どもはいつ自己中心的になるのでしょうか? 多くの親御さんがこの疑問を胸に抱いているのではないでしょうか。
多くの研究によれば、子どもの自己中期は2歳~3歳ごろに現れるようです。これは人間の性質として、誰もが自己中心的になる傾向があるからです。
しかし、教育としつけを通して社会的スキルを身に着けることにより、これは変えることができます。
幼いころから、子どもは自分を世界の中心だと思っています。そのため他の人の立場に立って考えるということは、子どもにとっては難しいことなのです。
この年齢の子どもは共感を示すことができません。なぜなら周りの人も人間で、自分自身の意見やニーズがあるのだということを理解していないからです。
子どもの自己中期の出現
子どもの自己中期は、かんしゃくをよく起こすという特徴もあります。これは子どもが理解できないからで、そのために欲求不満になってしまうのです。
かんしゃくを起こしたり、叫んだり、悪い言葉を言ったりするのは、子どもが自分の欲しいものを得ようとするために行うことです。この段階で子どもを助けてあげることがとても重要で、そうしないとありがちな事態になってしまうのです。
子どもの自己中期にどのように対処すればいいか
親はポジティブであるべきです。子どもに常に正しいことをするよう促すことで、子どもの振る舞いを変えることが可能なのだということを考えてみてください。とはいえ、どうすればいいのでしょう?
もしもお子さんが自己中心的な理由でかんしゃくを起こしているならば、落ち着かせるために欲しがっているものを与えてはいけません。また、何か他のもので注意をそらせようとしてもいけません。
理想的には、親は落ち着きを保ち、できるだけ言葉少なに子どもがどうすべきかを伝えることです。
かんしゃくが収まったら、子どもに次回はどうしてほしいかを説明しましょう。これがうまくいくためには、落ち着いていて静かな自宅で行うことが不可欠です。
また、家族の他のメンバーがいつも叫んだりしていると、子どもも叫ぶのをやめるようにはなりません。
言語習得とのつながり
子どもの自己中期は、言語習得とともに消えていきます。これはたいていの場合4歳ごろから始まります。
その理由は、言語によって子どもは他の人と交流できるようになり、そこから他の人の視点も理解できるようになるからです。こうしてより成熟し、理解を深められるようになっていくのです。
強制せず、励ますようにしましょう
子どもにシェアすることを教える際には、強制ではなく励ましをモットーにするべきです。子どもは親の振る舞いや態度をまねします。子どもが学ぶべきことは、他の人も存在しそれぞれニーズを持っているということです。
ですので、他の人とシェアすることは楽しくておもしろいことなんだと理解することがカギになります。これは子どもが小さい時から、あなたを見本にして学ぶことです。
強制しないこと
子どもがそうしたくないと思っているなら、おもちゃや持ち物を手渡すことを強制してはいけません。そうではなく、シェアすることが正しいことなのだということを教えてあげましょう。
何かをするよう教えることは、なにかを強制的にさせるのとは違います。また、自己中心的な振る舞いをからかってもいけません。そうすると子どもがより孤独になり、誤解されてしまうからです。
これらは自己中期の子どもへの対処法のほんの少しにしかすぎません。大切なことは、悪いことも良いことも子どもは見本から学ぶのだということを心にとめておくことです。これは親が軽んじてはいけないことです。
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