出かける前に「行ってきます」を言うべきなのはなぜ?
親が外出する前に子供に出かける挨拶をするべきなのはなぜか、何が大切なのか、考えたことはありますか?できるだけ早く出かけるために、別の人に子供の相手をさせてこっそり出ていくということがよくありますが、これは良い選択ではありません。
そうは言っても、と思うかもしれませんが、これには筋の通った理由があります。子供は親が出ていくのを見ると、離れたくなくて大声で泣きだします。「行ってきます」と言ったところでこの事態が変わらないのは確かですが、言い聞かせてから出ていくことがポジティブな側面を生みだすのです。今回はそれを詳しく見ていきましょう。
出かける前に「行ってきます」を言うべきなのはなぜ?
親と子供の別れはいつも難しいものです。お互いをつなぐ愛着が強すぎて、時には数時間離れるだけであっても、子供だけでなく親の方にも淋しさが生まれます。
しかし大人と子供の行動は明らかに異なります。子供は感情を抑えることができず、自分の悲しさや不安をできる限りの方法で表しますが、それが大声で泣き叫ぶことなのです。
確かに親はこのような子供の姿を見たくないものです。そこで子供と離れる時に、たとえそれが数時間のことであっても、自分が出かけるのを見て子供が泣き出さないようさっさと逃げるように出ていくという形をとってしまいます。
この行動をとる多くの親たちが気づいていないことは、黙って出て行かれた子供は出かける時点で泣かずに済んだとしても、親がいないことをもっと辛く感じるということです。なぜなら不在に気付いた時に見放されたと感じるからで、その気持ちが後々親に対するより大きな執着に変化してしまいます。
親が黙って出かけることによる否定的な効果
前にお話したように、小さな子供と親との間の絆は大変強いものです。子供にとって一番大切な道しるべ、保護、愛情を与えてくれるのが親なのです。
子供たちは親と離れるともちろん淋しく感じます。ベビーシッターや祖父母などがしっかり世話をしてくれたとしても、彼らにとって一番である親がいないので守られていないと感じてしまいます。
確かに小さな子供はなぜ突然お父さんやお母さんがいなくなるのかを理解する能力がありません。専門家たちの意見によると子供たちは、見放された気持ちになり、恐れ、不安、怒りを感じます。
これらの否定的な感覚はくり返すにつれて大きくなるだけでなく、親に再会した時により執着を示し、親に依存するようになります。これは、離れ離れになるという情報が記憶に残り、いつまたお父さんやお母さんに見放されるか分からないという不安を持たせるからです。
時には数時間離れるだけであってあっても、子供だけでなく親の方にも淋しさが生まれます。
ではどうすれば良い?
さてそれではどうすれば良いのでしょうか? 親としては子供が泣くのを見たくないのは確かですが、二つの点を考えなくてはなりません。一つ目は、子供が泣くのはそれが一番効果的で唯一のコミュニケーション方法だからです。二つ目は、泣くことでストレスや緊張を解放できるということです。
子供が泣く時、お父さんやお母さんがいなくなるのが淋しいと伝えています。しかし行く時と帰った時の挨拶をくり返すことで、離れるといううれしくない出来事が両親によって知らされるということを少しずつ理解していき、さらに見放されるのではなくて一定の時間離れるだけだということに気付いていきます。
抽象的な考えだと思うかもしれませんが、心理学者たちは子供たちの学習レベルを低く見てはいけないと述べています。ぜひごく小さい頃から「行ってきます」と「ただいま」を教えましょう。
また子供とかくれんぼのような遊びをすることもおススメです。「いない」ということが「見放された」とは違って日々の活動の一つであるということを理解していくために、大変役立ちます。
最後にお伝えしたいことは、親が出かける前に「行ってきます」を言うことは、子供が周囲の人々とよりよい関係を持つことにつながるということです。そのことも精神的にバランスのとれた子供になるための助けとなるでしょう。