子どもが恐怖心を克服できるようにするには?
今回の記事では、子どもが恐怖心を克服するために、親にできることについてお話します。
幼少期の恐怖心はある程度の年齢になるまではごく普通のことです。度合に違いはありますが、大多数の子どもが何かしら怖い気持ちを経験します。しかし子どもが怖がる事と恐怖症や不安感などは同じではありません。
子どもの恐怖心について理解する重要性
子どもの様々な発達過程で、恐怖を感じるのはよくあることです。それは子どもの成長の一部で、大きくなっていく進化の一段階なのです。この変化していく恐怖には、暗闇や見知らぬ人に対して、また一人でいることを怖がるなどがあります。
生き物にとって恐怖はごく自然な反応で、自分を危険から守る自己防衛の目的があります。それは即座に起こる危険もあれば、生き残りにかかわるような危険の可能性がある場合もあります。
子どもが体験する恐怖はわりと一般的なものが多いです。怖がるのは一時的なもので、子どもの成長過程によってその恐怖の激しさも違ってきます。
年齢別にみる子どもの恐怖
年齢によって子どもが感じる恐怖も様々です。生後1年目に感じる恐怖感は、大きな音、見知らぬ人、両親から離れることなどがあります。
幼稚園児の年齢になると、これらの恐怖心はもっと明らかになってきます。この年代の子どもは想像力が豊かですが、恐怖心はもっと抽象的です。例えば子どもは、おばけ、かいじゅう、魔女などを怖がり始めます。
小学生になって7~11歳位になると、もう少し現実的な恐怖心を感じるようになるでしょう。子どもは怪我や病気、医師による検診などを怖がるかもしれません。子どもは両親が離婚するかもしれないことを不安に感じたり、友達に馴染めないことを心配することもあるでしょう。
思春期への過渡期に入ると、それまでの恐怖は段々なくなります。この新しい段階では、学校に関する恐怖が顕著になってくるでしょう。10代初期の子どもは友達から拒否されること、大人に認めてもらえないこと、成績が悪く勉強ができないことなどに対して恐怖感を覚えます。
子どもの恐怖心が恐怖症に変わる時
子どもの恐怖心と恐怖症は違います。そこで両親が充分気を付けてあげることが重要です。子どもが恐怖症になってしまう場合の症状があります。そのような時は、子どもが必要とするサポートを受けられるように手伝ってあげましょう。
恐怖症というのは、理にかなわない過度な恐怖をいつも感じていることです。その人が置かれた状況に対する恐怖であったり、また何か特定なものに対する恐怖を経験することもあります。
単なる恐怖の場合、子どもは危険から自分を守ろうとします。それが恐怖症だと、理不尽な恐怖はコントロールできない程になります。恐怖症によって身体が麻痺して、子どもが動けなくなってしまうこともあります。
恐怖心と恐怖症の違いを見極めるのは難しいかもしれません。恐怖症は、不安な状態から怖い気持ちが沸き上がるような感じであることが多いです。このような感覚は何か特定の物に対する恐怖症の場合に見られます。
恐怖症には3種類あることを覚えておいて下さい。これらは恐怖症になるきっかけに違いがあります。
- 一般恐怖症:子どもが様々な状況に対して恐怖や不安を感じます。
- 特定恐怖症:これは動物や昆虫など、特定の物に対する恐怖症を表します。これには天候などの自然環境や、医療関係に対する恐怖も含まれます。
- 社会恐怖症:社会的状況において、子どもが不安になったり嫌がる特徴があります。例として、込み合った場所や見知らぬ人とのやり取りに不安を感じます。
子どもが体験する恐怖はわりと一般的なものが多いです。怖がるのは一時的なもので、子どもの成長過程によってその恐怖の激しさも違ってきます。
子どもが恐怖心を克服できるようにする方法
子どもが怖がっている時は親がそばにいて、不安を取り除くようにしてあげることが大事です。幼少期にそれをしないと、大人になっても影響が出ることもあるでしょう。将来色々大変な状況に直面した時に、不安になることがあるかもしれません。
万が一のため、問題解決にプロの助けを求める方法もあります。子どもが恐怖を克服できるよう適切な治療策を勧めてくれるに違いありません。
家庭で子どものサポートをする際、以下のような注意事項を参考にして下さい。
- 子どもが怖がっているのは状況なのか物なのかを見極める。
- 子どもとのコミュニケーションを保ち、話を聞いてサポートする。
- 子どもが信頼と安心を持てるように、不安をもたらすような状況を乗り越えるように手助けしてあげる。
- 不安をコントロールして、心配な状況を克服する方法を教えてあげる。例えば暗い場所を怖がる時は、子どもを安心させるようなぬいぐるみを渡すと良いでしょう。
- 子どものお手本となって、問題に対してポジティブな物の見方を示す。解決策を探していくのは、生きていく中で当然のことだと教えてあげましょう。
結論として、子どもの恐怖を克服するのはけして不可能ではなく、むしろ子どものためになることです。
それでも深刻な状態にならない限り、子どもの恐怖に対して心配し過ぎなくても大丈夫でしょう。
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