母の愛:無条件で不滅の愛
愛の形は数あれど、母の愛よりも強いものはありません。親と子の間に生まれる愛情は、2人を繋ぐ絆の如く、まさに無条件かつ不滅なのです。
母親の本能は、子孫を守ることを一番に考えます。お腹の中に子どもが宿った時点で、まだ姿を見たことがなくても、母親の中ではその子が世界で最も大切な存在になるのです。
赤ん坊は、周りの大人に守ってもらえる、世話をしてもらえるように、生理的微笑のような、いくつかの「トリック」を本能的に持っています。
しかし母と子の間にそんなものは必要ありません。自分の子どものためなら何だってするし何だってできると感じる、それが母の愛なのです。
幸せな子供は幸せな大人に
人間が成長し、誰か他人と関わることになったとき、自分の母親との関係によって、コミュニケーション能力や人格が左右されます。ですので、母親がその子どもとの間に良い関係性を築くことは何よりも重要なことなのです。
母の愛は無条件、どんな子どもでも愛されないことなどまずありませんし、逆も然り、子どもが母親に抱く愛情が止むこともありません。
母の愛とは決して勝ち取るものではありません。私たちが何をするかではなく、「私たちが誰であるか」を理由に、母親から捧げられるものなのです。
しかしどうして母親は、見たことも会ったこともない、小さな人間を愛することができるのでしょうか? その答えは、母親にとって子どもは彼女たちの一部だからです。存在さえ知り得なかった心の溝を、優しさと脆さで埋め尽くしてくれる存在だからです。
肉体的にも精神的にも強くなったり、何を犠牲にしてでも子どもは守ると考えるようになったりと、人は親になると、今までとは全く違った一面を見せるようになります。
生物学的にも、この「母の愛」は必要不可欠なものです。ひとりで生きられない赤ん坊には、ひとりで生きられるようになるまで、守る・世話をするための大人がつかなければならないのです。
ある研究では、子どもができた女性は脳のつくりから変わってしまうという結果も報告されています。
無条件かつ不滅の母の愛
神話や宗教においても、母の無条件の愛、そして母が持つ力は様々な形となって表現されています。
ギリシャ神話の豊穣神「デメテル」は、娘のペルセポネと一年のうち半分しか会うことができなくなり、会えない間は作物が育たないようにし、これが後に季節と呼ばれるようになりました。
また処女でありながらキリストを授かったカトリックの聖母マリアは、息子が十字架にかけられ死んだと知ると、自ら悪魔を倒しに向かい、悪魔はマリアを直視することすらできなかったと言います。
何千年もの間人間は、この愛・絆が人々に与える力を、敬重してきたのです。
愛で繋がっているため、へその緒が切られても、母親はそのことに案外気付かないものです。
-ヴェラ・キャスパー
母親の愛があったお陰で、私たちが私たちとして今も生きられていて、自信を持って前に進むことができているのです。
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