父親の不在が子どもに与える影響
今の時代、多くの子どもが父親がいない中で成長しています。父親がいない、またはどこかへ行ってしまうことにつながる要素もたくさん挙げることができるでしょう。
しかし、これだけは断言できます。子どもは父親なしに育ったことで苦しむことがあります。
父親なしで育つことの子どもへの影響
子どもが父親に見捨てられるという経験をすると、成長する上である問題が生じるかもしれません。それは以下のようなものです。
自尊心低下
学校に行く年齢の子どもで、両親のどちらかがいない中で成長する子は自尊心が低くなることがよくあります。この段階では、父親の存在に意識的になり、父親がいないことを理解します。しかし、その難しい現実の裏にある理由を理解するほど大人になってはいません。
また、子どもが無意識的に他の人の中に父親を見出そうとするのもこの時期です。それはおじいちゃんや伯父さんかもしれませんし、子どもの生活の中での重要な人物かもしれません。
行動の問題
父親なしで育った子供が反抗的な行動をするようになるということもよくあります。従うことを拒否し、クラスメートや先生と心を通じ合わせるのが難しいと感じるかもしれません。精神的に不安定になることもあります。
成績の悪さ
父親からの注目がないということは大きな影響を子どもに与えるため、学業成績にも影響が出ます。集中することが難しいと感じたり、学校の課題を終わらせることについて無関心になり、全体的なモチベーションがないということも多くあります。
アイデンティティの欠如
子どもは自分の身体的・精神的発達を、家族という輪の中で身に付けていきます。しかし、親が一人いないことで、家族と心を通じ合わせるのに苦労し、不安を感じることになります。
その結果、特定の能力を身に付けたり、コミュニティの中で人間関係を維持することが難しいと感じるのです。
他にも父親なしで育つ子供は、不安、怒り、罪悪感を感じるかもしれません。さらに、見捨てられたという気持ち、孤独感やうつをかかえたり、ストレスのかかる状況に立ち向かうのに苦労するかもしれません。
こういった子どもは、よく孤独感や見捨てられたという感情によって圧倒されてしまいます。
父親に見捨てられたということに苦しむ子どもが抱える葛藤は一生続くこともあるのです。
その結果、悪循環が起きてしまいます。親の一人がいない中で育った多くの子どもが、自分自身の子どもも見捨ててしまうのです。同時に、若いころから薬物乱用やその他の有害な物質の依存症になりやすくなってしまいます。
父親なしで育った子供は他の子と違う?
いろいろなケースがありますが、両親がいる中で育った子供はより安定している傾向にあります。父親と一緒に育つ機会のなかった子どもに比べて、たいてい様々なことが上手くこなします。
しかし、子どもを一人で育て必要なものを全て与えている母親もいます、こういった母親を持つ子どもは他の子どものように成長し、社会でも何の問題もなく機能することができます。
「学校に行く年齢の子どもで、両親のどちらかがいない中で成長する子は、自尊心が低くなることがよくあります。」
父親の不在の裏にある理由とは?
父親が子どもから遠い所にいる理由は、家族によって違います。ときには、親の死が理由のこともあるでしょう。
または病気、離婚、あるいは家から遠い所で働いているためかもしれません。他にもよくある問題としては、父親の薬物乱用もあります。
また、子どもを育てているのにも関わらず、感情面で子どもの傍にいないということもあります。物理的に傍にいたとしても、子どもを導いたり子どもの参考になるという役目を果たさず、子どものための安定性や安心を与えていないのです。
これは早朝に仕事に出て、夜遅くに帰ってくる親によく当てはまるでしょう。親が子どもの人生に与えているダメージに気が付いていないのです。
子どものさまざまな発達プロセスに参加しないと、子どもが愛されていると感じるために必要としている絆を強めることができないのです。
子どもに見捨てられたという気持ちを感じさせないためには
子どもに、父親なしで育つことの影響に苦しませないようにすることは難しいですが、不可能ではありません。子どもには家族の他のメンバーからのサポートが必要です。家族は、一緒になって子どもに価値が置かれた、安全で安心な環境を提供しなければならないのです。
父親の代わりを完全にすることはできませんが、その代わりとなる人を子どもは探すこともできます。
これはおじいちゃんや伯父さん、家族や子どもと親しいそのほかの大人でもいいでしょう。そうすることで、子どもは見捨てられたという感情を感じることなく、健全な自尊心を身に付けることができます。
親から遠く離れて成長することの影響は、子どもにとってはとてつもないものになりえます。ですので、見捨てられたという気持ちや不満を子どもに感じさせないようにすることが本当に大切なのです。
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