35歳を過ぎて母親になるということ
多くの人にとって、35歳を過ぎて母親になるということは、妊娠や出産にリスクがあるというイメージがあると思います。しかし最近の研究で、この年齢で子どもを持つことには負の要素しかない訳ではないということが断言されました。
アメリカ老年医学会の機関誌で発表されたある研究によると、35歳以上で母親になると、知識を学ぶ力に改善がみられるということが明らかにされました。この研究では、35歳で初めて妊娠した女性は、知的鋭敏さ、問題解決能力、言語能力に関するテストでよりよい結果が出たということにも言及されています。
今日の社会で母親になるということ
今日の社会を生きる女性にとって、これはいいニュースだと言えるでしょう。自分の人生をパーソナルライフに捧げるよりも、キャリアを積むことにかける女性が増え、社会を引っ張っていく女性たちが母親になるのはどんどん遅くなっているからです。
医療分野により、生物学的条件から女性が妊娠するのは25歳以下が理想的であるとされてきました。しかし、私たちの今日の社会では、初めて母親になる平均年齢が遅くなってきています。
例えばスペインのような国では、INEのデータによると、初めて母親になる 平均年齢が32.2歳なんだそうです。しかし、35歳を過ぎてから第一子を産む女性もかなり多くいるのです。
35歳を過ぎてから母親になることの利点
上で触れたような研究だけが、年齢が上になってから初めて母親になることの利点を強調したものではありません。35歳を過ぎてから母親になることのメリットを強調している研究は他にもあるのです。
2014年に行われた研究の一つに、33歳やそれ以上の年齢で母親になった女性は、33歳より前に子どもを産んだ女性より長生きする可能性があると発表したものがあります。
ボストン大学の研究では、35歳以上で母親になった女性は、30歳になる前に子どもを産んだ女性よりも95歳まで生きる確率が2倍も高いというのです。
他にも遅く子どもを産むことの利点を示した研究はまだあります。南カリフォルニア大学の研究グループによって、830人以上の閉経後の女性を対象に行われたものでは、35歳を過ぎてから母親になることと、知識を学ぶ力の間の正の関係性が発見されました。
この研究によれば、その理由は妊娠中に生産されるホルモン量の増加が関連しており、脳の化学成分にいい影響を与えることになるからだそうです。
研究によれば、女性の年齢が上であればあるほど、こういった変化は脳の中で長く続き、歳をとってからの認知機能に改善をもたらすといいます。
母親になる理想の年齢はあるの?
今日の女性にとっては、経済的安定がとても重要になっています。今や女性は経済的に自立してきていて、協力して家庭を持つことの責任を共有するため闘えるようになってきました。
今日の女性が手に入れようとする社会的経済的にバランスのとれた状態は、だいたい34歳ごろ達成できます。このタイミングで、母親になる可能性を考え始めるのです。
安定性を得ると、母親業を経験したいという気になり、またそれができると感じるようになります。しかしその年齢では女性の生物時計がもはや正確ではないため、時間の経過とともに母親になれる可能性が減っていってしまうのです。
35歳を過ぎて母親になるリスク
一方、35歳を過ぎて母親になることのリスクとしては、妊娠中に合併症を引き起こす確率が高まるということがあります。流産のリスクや、赤ちゃんが染色体異常を持って生まれるリスクも高まります。
35歳以上の妊婦さんの30%が、なんらかの出産前後の病状や合併症を発症するという医療統計もあります。もっともよくあるものとしては、妊娠性糖尿病、高血圧(早産の主な原因)、子宮出血などがあります。
これらはすべて早産の確率を高めてしまうものです。35歳以上のお母さんによる出産の10%が早産になってしまいます。
しかし、適切な医療サポートがあれば、これらのリスクは全て測定し、コントロールすることができますよ。
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