授乳中の不規則月経について知っておくべきこと
授乳中の不規則月経は全く問題ありません。一般的に産後、授乳している間は排卵が再開するのに時間がかかります。さらに、やっと月経が始まっても排卵が不規則になることもあります。
月経周期が不規則になることは大きな健康問題には全く関係がありません。そうではなく、お母さんの身体が元の状態に戻り、状態を調整しなおすには時間がかかっているのです。9カ月間のコンスタントな変化を経験してきたのですからね。
お母さんの母乳が出ている間は、妊娠前とは生理がとても異なるかもしれません。実際、月経が始まるまでに5、6か月、あるいはそれ以上かかるという人もいるのです。
至って普通の月経周期が来るという人もいれば、規則性が全くないように感じるという人もいます。 いかなる場合でも、産婦人科医が異常が無いかを判断します。大丈夫ならば、授乳中の不規則月経はそのうち自然と元に戻っていくでしょう。
授乳中の不規則月経の症状
一般に、授乳中の不規則月経は以下のような典型的な性質があります。
- 妊娠前よりも重くて量の多い生理。
- お腹の痛みや嘔吐、めまいなどの生理前の症状が出る。
- 悪露が出る。悪露とは、血餅や組織、妊娠中に作られた粘液などが含まれたものです。
「月経が不規則でも、排卵していることもあります。ですので、妊娠する可能性があるのです。」
授乳中の不規則月経に関する興味深い事実
不規則月経に関しては、プロラクチンと女性のホルモン構成、体の状態などが決定的な要素になります。女性によって不規則月経を引き起こすホルモンであるプロラクチンの量は違います。
プロラクチンというホルモンは授乳すると増えます。このホルモンは母乳の生成を起こすものだからです。 同時に、子宮の中の性ホルモンの合成を抑制します。ですので、月経が起こらなくなったりとても不規則になったりするのです。
女性の全体的な身体の状態もプロラクチンの量に影響します。これが、不規則月経のタイプや期間が女性によって異なる理由の説明になっています。
同じように、赤ちゃんに授乳する頻度や授乳の長さもプロラクチンの生成に影響します。頻繁におっぱいを飲んでいたり長い間飲んでいる赤ちゃんはプロラクチンの量を増やします。お母さんの身体が赤ちゃんのニーズを満たすために母乳をより作るからです。プロラクチンの量が増えるため、月経はさらに不規則になりやすくなります。
他にも心に留めておくべきこととしては、月経が不規則だったとしても、排卵しているかもしれないということです。最初の生理はその人の生殖システムが普通に戻り始めているというサインです。ですので、妊娠する可能性があるということです。
赤ちゃんにおっぱいをあげている間は妊娠しないというのは間違った考えです。授乳中の妊娠確率が低いのは事実ですが、完全に避妊ができるわけではありません。
この時期に妊娠したくないのであれば、授乳中にも使える避妊法を行うようにしましょう。
月経を普段通りにするプロセスを速めることは可能?
答えはノーです。このプロセスを速めるためにできることはありません。授乳中の不規則月経は自然な現象です。女性の身体が普通に戻った時に、月経も規則的になるのです。
しかし、よりリラックスして不安を減らすために、以下のようなことを参考にしてみてください。
- お子さんのリズム:お子さんが日中4時間以上、夜間6時間以上寝るようになると、不規則さが減ってきます。またお子さんが食事をするようになると、授乳も減ります。その結果、プロラクチンの量が減り、月経が規則的になっていきます。
- 十分な休息をとりましょう。休息は授乳と産後の身体の回復に欠かせません。
- 禁煙しましょう。タバコはいつでも人間の身体に有害です。しかし、身体が9か月の妊娠を経験したばかりだと、そのダメージが強調されてしまいます。
- たくさん水を飲みましょう。水分をしっかりとっていると、不安レベルが下がります。水はまた、身体が有害な毒素を出すのにも役立ちます。
- バランスの取れた食事を摂りましょう。
- ストレスは避けましょう。この段階をリラックスして楽しめる方法を探しましょう。
- ヨガのような瞑想を実践しましょう。このアクティビティはあなたをリラックスさせてくれ、あなたのパートナーや赤ちゃんとの関係に関する考えに集中するのに役立ちます。
授乳は、あなたと赤ちゃんの絆を強めてくれるので、ぜひ楽しむべき段階です。これはあなたと赤ちゃんに一生影響を与える時なのです。不規則な月経周期については、心配しないことが大切です。時間と共に、身体は普通に戻っていきますよ。
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